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by ruhiginoue

♪裸の王様がやってきた

 渡哲也(本名・渡瀬道彦)は、若いころから度重なる病魔の襲撃に遭っていたが、実弟の渡瀬恒彦は屈強そのものな印象だった。しかし最近では重病で危ういことが何度かあり、兄より先に亡くなった。
 
 渡瀬恒彦は、時代劇や任侠物や刑事物では強面な感じだったが、その後はテレビで良いお父さんを演じて、その延長で出演した入浴剤のCМが話題だった。活劇でならしただけに体つきはやはりがっちりしていると言われていた。
 そのさい唄ったCМソングが受けたのでCDシングルが発売され、これはその当時、学校のお遊戯や運動会にも取り上げられたし、またテレビのコントの中で志村けんもネタにして「♪はーだかのーおうさまがーやってきたーやってきたー」と、よく唄っていたものだ。 
 渡哲也は俳優の一方で歌手としても「くちなしの花」のようなヒット曲があり、出演したドラマの主題を歌ったりもしていたが、渡瀬恒彦は俳優一筋の感じで、親しい人によるとカラオケもあまりやらなかったそうだ。ところが思いがけずヒット曲を出したわけだ。

 このたびの訃報で思い出し、入浴の時につい「♪はーだかーのーおうさまがー」と口ずさんでしまうが、しかしその宣伝の会社をはじめ合成着色料などが入った入浴剤は使わない。口にするわけではないし、ただちに害があるのでもないが、しかし全身浸かるのが良い訳ないだろうと言う医師がいたから、それもそうだと考えた。

 そうでないものは、どこの店にも置いていないから、取り寄せている。だからアマゾンを利用してしまう。やや高額だが評判の良いものを近所で唯一置いてあったウェルパーク(いなげや系で薬から食品まである)は、それが高くて買う人が少ないからと置かなくなってしまった。

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 そうなると通販になり、しかも、まとめて買うと店より安い。だから、過日ヤマト運輸が通販でバンクしそうだという話題が出たけれど、どうしても通販ということになってしまう人が増えるのだろう。



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# by ruhiginoue | 2017-03-19 15:57 | 芸能 | Comments(2)
 病気を苦にしての自殺と思われるキースエマーソンの命日で思い出したが、彼は恐怖映画ファンだと公言し、よく恐怖映画の音楽も作っていて、特に『インフェルノ』の音楽は受賞するなど評価されているけれど、綺麗すぎて作品と合っていないと言う人もいる。
 やはり、ダリオアルジェント監督の映画は、同じプログレ系の音楽でもゴブリンのドロドロした響きが良いとのことだった。

 そのアルジェント作品で特に人気が高いのは『サスペリア』で、これは怖いけれどスタイリッシュであるとして女性にも人気がある。少女漫画に怖い話という分野があり、それと同じだというわけだ。そして少女恐怖漫画雑誌名に「サスペリア」というものまで登場したほどだ。
 そもそもアルジェント監督はマンガ好きを公言していて、色々な作品を読んでいるから日本のマンガもよく読んでいたそうで、『サスペリア』の主役にジェシカハーパーを起用したのは、彼女の顔は目が大きくて日本の少女漫画みたいだからと言っていたと伝えられる。
 
 この『サスペリア』の主人公は、製作会社が輸出を意識してハリウッドスターにという意向だった。それで、主人公はアメリカからヨーロッパにやって来て、イタリア映画だがドイツが舞台でセリフは英語で撮影されている。
 そして、宗教と芸術の関わりは世界中にあるが、舞踊と儀式も関係が深く、中世から続く名門バレエ学校に留学してきた主人公は、そこが魔女の作ったものだと知る、という話である。
 
 そのうえで、その秘密を知ってしまったものたちは口封じに消され、その惨殺される場面が怖い見せ場となっているが、魔力を持っているにしては刃物を持って暗闇から襲ってくるなど、アルジェント監督が得意とする「ジャロー」と呼ばれる犯罪サスペンスと見せ場が同じである。これは、呪いで病気にするなどでは見せ場にならないから仕方ない。
 また、いくつか不可解なことが解決されないで終わるから台本が破綻しているという人の意見がネット上に見受けられるが、現実では何もかも解かることはむしろ少ないのだから、何もかも判明したのではかえって非現実的で作り話だと思ってしまうということで故意にやっているのだ。つまりミケランジェロアントニオーニ監督の真似である。

 それだけでなく、どうも隠された意図があったのではないかという気して、かつて観たときとは解釈が変わってしまった。
 まず、商業主義の要請で主人公をアメリカ人にしているというだけでなく、合理主義と近代科学文明のアメリカから来た主人公が、ヨーロッパの古い伝統を学ぼうとしたけれど対決する図式に気づいた。

 しかも、イタリア映画なのにドイツを舞台にしていて、そこで魔女の手下となっている者たちの中にはルーマニア人の下男とロシア人の家政婦がいる。ルーマニアはドラキュラ伯爵が有名だが、深い森があって妖怪の話が特に豊富な土地柄だから、その程度の意図の設定と言える。
 ところが、ロシア人の家政婦たちは古いロシアの太った女性というステロタイプであり、家政婦たちで話しているときはロシア語で、他では訛った英語を話している。
 そして、最後のほうで主人公は一人だけ取り残され、バレエ学校の他の生徒たちはみんなどこへ行ったのかと主人公から問われてロシア人の家政婦は、ボリショイバレエの公演を見に行ったと言う。主任教師が勉強のためにと行かせたのだが、主人公を独りにして抹殺するつもりだったわけだ。

 ところが、最後の戦いで主人公はたった一人で魔女と対峙して勝つ。そして中世から続いた魔女のバレエ学校は崩壊し炎上する。秘密を知った者たちはみな抹殺されたが、主人公のアメリカ娘は違った。
 このとき、炎上する学校に居なかったので他の生徒たちは難を逃れたが、それは偶然だがボリショイバレエを観劇に出かけていたからだ。これは魔女の召使となっている古いロシアのステロタイプの口から聞いた話であり、この映画の当時の77年はロシア革命で近代化と科学文明を追及し続けたソビエト連邦であり、アメリカのライバルであった。戦争でソ連はドイツをやっつけたし、もともとロシアでバレエは盛んだったが、革命後は国技として力を入れていた。

 そして最後は、魔女とその手下たちが死に中世から続いた学校が爆発炎上し、そこから脱出したアメリカ人の主人公は安堵の笑みを浮かべるが、一瞬のことではなく、ダメ押しのようにまた微笑む。彼女が魔女を退治したのであり、勝利による満面の笑顔であった。

 これだから、『サスペリア』は非常に怖い映画であるのに、観た夜に眠れなくなることがなく、むしろ逆に安心してよく眠れたのだ。
 

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# by ruhiginoue | 2017-03-18 14:39 | 映画 | Comments(0)

日本人の大いなる勘違い

 このことは、何度でも念を押しておかなければならないことだ。

 お友達にタダ同然で国民の財産をあげて検察も警察も動かず、マスコミ各社の世論調査でも内閣支持率が大して下がらないのが不可解だとか訳が解らないという人たちがいる。
 また、この森友学園問題だけでなく、普通ならこれ一発だけで政権が吹っ飛ぶという危機に何度も見舞われたのに未だ倒れていないのは、安倍自民党政権が凄いからではなく、この国の社会が、不正や間違いを正すというまともな自浄能力を失ったからだろうと考える人たちがいる。
 これらは、とんでもない勘違いである。

 もともと日本人には不正を憎む心がない。あったけれど失ったというのは、老人がよく「最近の若い者は」というウワゴトを吐くのと同じだ。間違った認識を持ち、昔を美化して懐かしみ、社会問題を後の世代に責任転嫁する。そうすることで、昔はよかったけど今はだめになったと思い込もうとする。

 では、なんで日本人は不正を憎もうとしないのか。それは、不正があればその利益のオコボレにあずかろうとするからだ。日本人には伝統的にタカリ根性があるという指摘は昔からあって、これが日本人の醜いところだと言われてきた。
 このタカリ根性によって、不正を憎むより不正による利益のオコボレにあずかろうとする。これは日本人が歴史的に培ったメンタリティであり、二千年の長きにわたり成立して染みついた伝統的な処世術であり、まさに国体の精華なのだ。

 この認識が、自民党政権は悪いと批判したり怒ったりしている人たちに欠落しているから、その批判や怒りが有効にならないのだ。



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# by ruhiginoue | 2017-03-17 19:33 | 政治 | Comments(21)
 このblogに突然アクセスが殺到した部分があり、それは今話題の菅野完氏について触れた話だ。彼は運動がらみの女性に強引に迫り無理矢理チューっとやってしまったと問題にされたが、そういう場合は後から変なことを言われないよう仲間の女性を同伴して会うものなのに、なんでそうしなかったのか。自分は美容外科の問題で女性に相談されて会うときはそうしている、という話をした。
 これに寄せられたコメントは、あの人は人相とか目つきからすると本当だったんでしょう、というものだった。

 しかし、彼のおかげで困ったことになった稲田防衛相は、初の女性総理の候補とまで言われていたけどダメになりそうで、これに最も喜んでいるのは小池都知事で、そうなったら自分の出番だとほくそ笑み、菅野氏にお礼のチューでもしてやりたい気分ではないだうか。

 しかし、稲田防衛相は国会答弁で、なんですぐバレる話をしたのか疑問だと言う人もいる。あのひとは物憶えが悪いか、あるいは都合の悪い話はサッサと忘れるかで、ほんとうに記憶違いしていたのではないか、ということだ。
 それにしても稲田防衛相は、あのとき質問されて、否定したら何か証拠を出して突っ込んでくるのではないかと警戒すべきで、だから、時間が経っているから細かいことは確認しないとよくわからないというように応じるものなのに、真正面から否定してしまったからダメなのだ。

 あの質問をした小川もと法相は、前に裁判官と検察官と弁護士をやっていた。法廷戦術では、後から「記憶違いであって虚偽ではない」と言い逃れされないように予め伏線を張り釘を刺しておき、実際には記憶違いである場合でさえそうでないように断言させてしまうのが上手い尋問である。
 そして、重ねて否定する稲田防衛相に対し、小川議員は裁判書面を取り出し、これに名前が載っていると言って突っ込んだ。小川議員は、入手したばかりで配っていないと言っていたけど実は奇襲攻撃するため伏せていたのだろう。
 これで後から訂正して謝罪する稲田防衛相は、弁護士のくせにかなりマヌケである。

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# by ruhiginoue | 2017-03-16 19:18 | 政治 | Comments(0)
 これは既に拙書『防衛医大の場合は』で詳しく述べたことだが、裁判の尋問で「ほんとうにそうですか」「間違いありません」「それならこれは何なんですか」と書面をつき出すのは常套手段だ。

 「同意書が無ければ手術は絶対にできない。この同意書をとっている」 
 「これがその同意書ですか」
 「そうです」
 「手術を執刀したあなた自身で実際に書いたものですか」
 「間違いありません。これは確かに私の字です」
 「では、同じ病院の他の複数の医師らが手術したあとから見て診療録に記述した内容と、あなたが書いた同意書の手術名が食い違っているのはなぜですか」
 これで医師は困ってしまった。そして、この問題が判決でも重く視られた。その後、この医師はさらに、これも前に以下に述べた通りの問題を起こしたということだ。



 これと基本的に同じなのが、国会での質問だった。質問した小川もと法相は、前に裁判官と検察官と弁護士をやっていた。答弁した稲田防衛相も弁護士だった。
 しかし稲田防衛相は、関係が無いと強調して法律相談も裁判の代理人も受けていないと繰り返したが、そこへ裁判の書面を出されて、名前が載っているではないかと問い詰められた。

 すると、同じ事務所の弁護士が連名で書面に載ることがあり、それだけだと言った。関与していないけど連名ということは実際にある。コケ脅しのことが多い。大勢の弁護士名が並んでいると、素人に対してはハッタリになる。
 また、有名な腕利きの弁護士だと、相手方の弁護士も緊張する。あの弘中弁護士も、同じ事務所の書面に、実際には関与してなくても名を載せている。しかし稲田朋美弁護士ではコケ脅しやハッタリになるだろうかと疑問だ。

 そして、書面に記名があるだけでなく出廷の記録が裁判所にあることを報じられると、後から詫びて訂正し「突然の質問だったので」と言い訳する稲田防衛相というお粗末。小川議員が「手に入れたばかりでまだ配っていないが」と書面の写しを持ち出したけど、そう言っているだけで、わざといきなり出したに決まっている。法廷では奇襲攻撃が当たり前だ。

 これで、彼女が弁護士として敗訴してばかりであることが納得できるというものだ。
 しかし、拙書『朝日新聞の逆襲』に書いた通り、稲田朋美という人は売れない田舎の弁護士だったが、産経に売り込んで騒ぎ立て、朝日新聞に嫌がらせの訴訟を呼びかけ、支援者集会では弁護士として敗訴を詫びるのではなく選挙演説。日本は無能者がそれゆえ出世するとんでもない社会ということである。


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# by ruhiginoue | 2017-03-15 17:39 | 司法 | Comments(2)
 国有地払い下げ問題が国会で議論されているなかで稲田朋美防衛相は、その学校法人森友学園に弁護士として関わっていたのではないかと国会で質問されると、法律相談を受けたことも訴訟代理人を引き受けたこともないと否定する答弁をした。
 これは民進党の小川敏夫議員が質問に立ったさい、念のためということで何度も確認したところ、答弁に立った稲田防衛相は重ねて否定したということだった。
 しかし続けて小川議員は、訴訟の書面の写しを資料として出し、これには代理人の弁護士が稲田防衛相だったという記載があり、答弁と食い違っていると指摘した。
 
 それでも否定していた稲田防衛相だったが、書面に名が記載されているだけでなく裁判所に出廷した記録まであるという報道がされると、一転して、記憶に基づいて答弁したが忘れていたかもしれないと言い出した。
 このように、裁判の書面に記名はあるけど弁護士に憶えが無いというのは、よく法律事務所が相手方とくに素人に対してコケ脅しで、実際には関わっていない同じ事務所の弁護士を連ねて書くから、それだった可能性があるけれど、それだけでなく出廷までしているとしたら、やはり関わりがあったことになる。

 この書面では、稲田防衛相と一緒に法律事務所を運営していた夫の弁護士と一緒に記名があったそうで、画像がインターネット上にも出ていたから見ることができた。これだけならともかく、裁判に出廷していた記録もあるということで、そうなると意味あいが違ってくるから稲田防衛相は慌てたのだろう。大臣が国会で虚偽答弁したのでは更迭されかねないからだ。
 そこで、あくまで忘れていたことにしたのだろう。それなら嘘ではないからだ。最近また国会で「記憶にございません」という答弁があるから七十年代のロッキード事件の当時を思い出して懐かしいという人たちがいる。テレビでドリフターズをはじめお笑いでさんざんネタにしていたし、小学生も先生に叱られてよく言っていた大流行語だったから、昔からあったロッテのお菓子のおまけシールにも「記憶にございません」があったものだ。

 ただ、この件とは全く別に、もっと昔、知り合いの弁護士が言っていた。法律相談だけなら、次々と受けたら忘れることもあるが、受任して代理人になったら、どんなに数が多く、終わってから時間が経過しても、細かい部分はともかく、ひき受けたこと自体はいちおう憶えているそうだ。
 今回、質問に立った小川敏夫議員は裁判官と検察官と弁護士の経験があるので法務大臣も務めていて、稲田防衛相は弁護士だった。つまりどちらも法曹の人であった。  
 これより少し前に、元検察官の山野志桜里議員らの質問に対して、経済官僚だった金田勝年法務大臣がお粗末な答弁をしていたことについて、あの白パン判事が、これだから素人はダメだとtweetしていたが、では稲田防衛相のお粗末答弁は何なんだろうか。

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# by ruhiginoue | 2017-03-14 16:22 | 政治 | Comments(5)
 千葉県知事選挙に、森田健作こと鈴木知事が再々選を目指して立候補するそうだ。
 千葉県の森田健作こと鈴木知事は、もともと色々な政党を渡り歩く国会議員だったが、その後は自民党にいながら無党派と嘘をついて千葉の知事になってしまい問題となった。
 しかし個人的に党員ではあるが「公認候補」ではなかったので違法ではないとされた。これは、公認候補であれば党の政策に拘束されるし、有権者も判断の主要な基準とするが、そうではないから法的には問題ではない、ということだ。

 では、道義的とか政策的とかいうことではどうか。森田こと鈴木知事は、議員ではなく知事の場合は特定党派に偏ってはいけないから無党派を標榜したと言っていたが、そうすると当選してからこの公約を守ったかどうかが問題になる。
 それについて、特定党派に偏らないという公約は果たした。これといって何もしないので特定党派に偏らないのだ。やったように見えることは、もともと知事が誰であっても行われたことで、そこに芸人あがり政治家がよくやるように顔を出しているだけ。

 もともと、政治家のセンセイという虚名を欲しがる成り上がり志向の芸能人でしかない森田健作こと鈴木知事だから、それらしく体裁だけ整えてこれという特徴のある仕事をしてないと同時に余計なこともしないので、とくに努力したわけではないが特定党派に偏らないという公約だけは実行したのだ。
 それで、千葉県民としては「まあいいじゃないか」ということで再選もした。そんな感じだと千葉県民の知人に聞いた。

 また、千葉に限らず、知事が頑張ったから良くなるということは無いということも言われている。そうなると、石原とか橋下のように余計なことをしてしてくれないほうが良いということになる。
 もちろん千葉にも特有の問題があり、例えば医療の劣悪さは千葉県と群馬県か双璧だといわれていて、だから千葉に越した大橋巨泉氏は辛い死を迎えたということも言える。しかし、これを知事が頑張ったところで改善できるかというと、そうでもないだろう。
 この千葉の医療については、過去にここで以下のように述べているとおりである。




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# by ruhiginoue | 2017-03-13 17:33 | 政治 | Comments(5)

読書は必要なことなのか

 朝日新聞に掲載された大学生の投書に、読書はしなければならないことなのかという疑問を呈するものがあった。大学生の一日の読書時間がゼロという人も多いことを受けてのことだ。

 ここでいう「読書」とは、趣味ですることの意味らしい。なぜなら、この投書は、読書は楽しいとか教養になるとか良いこともあるが、大学での勉強やアルバイトなどから得られることの方が有意義だと思われるとしたうえで、読書とはあくまで趣味の範疇ではないかという疑問を提示しているので、そうなると必然的に、勉強とか知識を得るのために必要性があって本を読むのとは別に楽しみで行う読書という意味になるからだ。

 これで思い出したのが、評論家の立花隆がその著書で述べていたことだ。彼は、「本を読む」のと「本に当たる」のは違うと説き、じっくり最初から最後まで読むのに対し、調べもので必要なことだけ探してその部分に当たる、という作業があるとしている。

 そういう点では、学校の勉強とか学校以外の試験などのためにすることは「本を読む」というより「本に当たる」というほうが近いはずだ。教科書でも参考書でも全部の内容を得ようとするものではあるが、だからといって最初から最後まで丹念に読んでいては効率が悪すぎる。試験前に「ヤマをかける」ように効率よくするようでいて実は怠けているということではなく、完璧に中身をものにするためには、端から端までやるよりむしろ要点を探し出してそこから繋いでいったり拡大していったりしたほうが良いという意味だ。
 もちろん、ここで欠落が無いようにすべてのページを細かくチェックはするが、順序どおり読むのではないから、栞を挟むことはせず、付箋を貼りまくる。
 こうした勉強とか調べものとは別に違った意味で楽しく読書することは、やはり趣味だろう。そして、これは不必要と考える人もいて当然だ。

 あと、本の内容にもよるだろう。かつてリクルートを創業した江副という人が「小説なんて読まない」と言っていたそうで、趣味で非実用的な読書などしないということだろう。
 そんな彼について作家の小田実は、「江副という人は東大生だったときに新聞部にいて広告取りしていた中で事業のヒントを得たそうだが、あの当時の東大で新聞部に入る奴は左翼だ。そう相場が決まっていた。ワシは今でこそ左翼だと言われるが、東大生のときはノンポリに近かった。少なくとも江副よりは左翼ではなかったはずだ」と言っていた。
 これについての話となると色々と語れるから、それは別の機会にするとして、読書にも「趣味と実益」というものがあるということを、まず確認してから議論しないといけないだろう。

 


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# by ruhiginoue | 2017-03-12 20:15 | 雑感 | Comments(4)
 こんなこと今さら述べなくてもわかり切ったことだが、3月11日ということで蒸し返しておこう。

 あの原発事故で、菅直人総理の指示により海水注入を中止させられたという話を、安倍晋三メールマガジンが流布したが、これは東電の重役が指示したことであり、実際には中止されておらず、だいたいこれを菅総理は知らなったから、嘘を書かれたとして菅もと総理は安倍総理を名誉毀損で訴えた。
 
 ところが、菅総理の指示ではなかったことを安倍総理の側も裁判中で認めていたというのに、他のことで「中断させかねないふるまいが菅総理にあった」として、安倍メルマガは相当の部分が真実であると認定し、菅もと総理の請求を全面的に退け、この判決が確定した。

 この判決については、「客観的事実を主観的しかもあやふやな印象によって否定した」「関係のないことを強引で不自然につなげたアクロバット」などと批判されていた。
 しかしマスコミは「主要な部分で真実である」と裁判が認めたとしか報道しないうえ、ここにつけこんで安倍総理は、自分は正しいことが裁判で明らかになったという趣旨の発信をしていた。

 この裁判について、菅もと総理の弁護士は何をやっているのかという批判があり、実際に下手だったという部分はあっただろうが、それよりも問題なのは、同じように訴訟をしても、菅もと総理が総理であるときに訴えるか、自民党に政権が戻る前に訴えていたら、判決は逆だったはずだ、ということ。
 もともと、どんな内容の裁判でも、権力に近いところにいる者ほど有利であることは常識であり、司法権の独立など絵に描いた餅であるから、不正の牙城を突き崩すことは非常に困難である。
 時には、法廷で公然と馴れ合いや「政治的配慮」を求めることが横行していて、傍聴席から怒りの野次が飛び、警備員がやってきて強制排除ということは、決して珍しくない。
 そして名誉毀損の訴訟では、さらに露骨になる。事実も法律も無視してやると裁判長がヘラヘラしながら嘯いたり、あるいは目を血走らせながら恫喝したり。

 もちろん、こんな裁判官ばかりではないが、政治的な裁判になると、必ず評判の悪い裁判官がくりかえし出てくる。裁判官を決めるさいに裏工作があることは既に告発があるけれど、そうでもないとあり得ない人選であるから、裁判を実際に見ている人たちはとっくにわかっている。

 ただ、こういう問題について、そもそも菅もと総理がよくわかっていない人であるから下手を打った、ということでもある。東京工大卒だから詳しいとか言って原発の外国売り込みに出かけておいて事故になってから脱原発と言い出したがアメリカに圧力かけられてダメだったというようでは、これまで特に原発がからむと司法の場でどれだけ醜いことがあったか、おそらく彼は、ほとんど認識が無かったのではないだろうか。

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# by ruhiginoue | 2017-03-11 14:55 | 司法 | Comments(3)
 稲田朋美防衛大臣を即刻罷免すべきであるという指摘が出ている。
 これは、国会で稲田防衛大臣が教育勅語を肯定したためだ。
 ここで肝要なことは「国会で」と「大臣が」の部分だ。国会では、すでに衆参両院で、教育勅語は封建主義で全体主義であるから新しい時代にそぐわないとして排除すると全会一致で決議されている。
 つまり、教育勅語の内容について何をどう考えて発言しようと一般人なら勝手だが、国会で大臣が勝手にしてはいけない、ということだ。

 だいたい、大臣として国会で発言するなら、その仕事としてのことだから、個人的な話をするものではない。
 だから任命した総理大臣は、個人の勝手な発言をした大臣を罷免しないといけないということだが、その総理大臣からして、妻のことを言われて不愉快とか個人的感情を言っている。関係のないことで妻のことを出されたのならともかく、その妻のやっていたことが問題になっているのだし、そもそも個人の感情なんて関係なく、大臣としての立場から答弁しないといけないことだ。
 それがわかっていない総理大臣に任命された防衛大臣というわけだから、こんなことになっているのだろう。

 余談だが、教育勅語の内容で批判されることが多い「有事のさいは国のために命を捨てよ、これは天皇の命令だ」という意味の部分だが、その内容ではなく文法で、「一旦緩急あれば」という始まりの「あれば」は「あらば」ではないかと、あの大宅壮一は小学生の時に優等生だったので授業中に指摘したところ「天皇陛下の間違いを指摘するとは不敬」と教師に殴られたそうだ。
 それで彼は天皇が嫌いになったらしい。戦後は転向して「無思想」と言いだしたが。
 
 そもそも、「教育勅語」は「朕」から始まり「御名御璽」で終わるが、これは勝手に天皇に成りすましての作文であることは常識だ。明治神宮で配っているパンフを本気で信じている人はいないだろう。

 矢作俊彦+大友克洋『気分はもう戦争』に、こんな場面があった。中国に行って、時代に取り残された山賊の老人から日本人である証明に教育勅語を暗唱しろと言われる。
 これで、この国士舘高校中退は困ってしまう。
 
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 かつて大友克洋のマンガの真似をして自称右翼に言ったことがある。明治神宮のパンフで憶えてしまったから先に暗唱してみせて「さあ、あなたの番ですよ」と言ったら退散しやがった。
 あんなこと言ってるが、稲田防衛大臣は果たして教育勅語を暗唱できるだろうか。とにかく、同大臣の場合「手元に白紙の領収書が260枚」は「あれば」のほうだろう。




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# by ruhiginoue | 2017-03-10 18:22 | 政治 | Comments(6)