井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue
 ミャンマー西部ラカイン州における少数派イスラム教徒ロヒンギャへの人権侵害が報告されている問題で、アウンサンスーチー国家顧問は国連人権理事会が派遣を予定している調査団に入国ビザを出さないよう指示し、各国のミャンマー大使館に通知しているとのこと。
 これは6月30日に同国の国会において外務副大臣がロヒンギャ問題について答弁した中で「アウンサンスーチー氏は、我々は国連の調査団に協力しないと言っている。各国の大使館に調査団員にはビザを出さないよう命じる」と発言し、また同国外務省関係者によるとスーチー氏から同省に指示があって大使館に一斉に知らせたということだ。

 同国では、昨年10月にロヒンギャの過激派とみられる武装集団が警察施設などを襲撃してから、ロヒンギャに対する人権侵害が国連などによって報告されている。
 このためミャンマー政府も独自の調査をしているが、これでは「不十分」として国連は調査団の派遣を決めていた。
 するとミャンマー側は「これは国内問題だ」などと反発。スーチー氏は訪欧の際、調査団受け入れに「同意しない」などと発言していた。
 こうした対応をめぐり、同国の事実上の指導者であるアウンサンスーチー国家顧問に授与されたノーベル平和賞を取り消すよう求める請願運動がネット上で行われ、これまでのところ36万を超える署名が寄せられている。

 さて、日本だと、今ではアウンサンスーチーなんて小池百合子と同じだと評する人たちがいるが、それよりずっと前、かつてアウンサンスーチーに会った日本の外交官はすでに否定的な評価をしていた。
 そのだいたいの趣旨は、彼女は重信房子みたいな感じの人で、赤軍派とか全学連とか昔の過激派を思い起こさせるタイプで、性格は実に悪いということだった。
 また、そんな人をアメリカが傀儡として利用しているという指摘もしていた。
 これはアメリカがアルカイダのような過激派をそそのかして利用しているのと同じ図式である。アメリカのいつものやり方であり、すんなり受け入れられる話だ。

 ところが、この証言をしたことで同外交官は朝日新聞から「軍事政権寄り」と非難されてしまったということだ。
 なのに、そんなアウンサンスーチーを朝日新聞は今さら批判的に報じている。
 こうなることは予想できた。
 だから、我田引水だが拙書『朝日新聞の逆襲』(第三書館)で、すでにスーチー女史の偽物ぶりと、なのに美化報道するマスメディアとくに朝日新聞の浅はかさを指摘していた。
 「だから言ったじゃないか」という心境だ。

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# by ruhiginoue | 2017-09-09 19:55 | 国際 | Comments(0)
 山尾志桜里議員が不倫をしている疑惑を週刊誌に報じられたことで、内定していた民進党の役職就任を取り消しになり、また同議員は離党の意思を表明して届け出が受理されたそうだ。

 これについて、あの菅野完氏が、民進党内からの妨害であろうという推測をしていた。山尾議員が国会質問で政府を追及したさい迫力があったと好評だった。なら、同議員を恨み邪魔にする政府の側から週刊誌に情報提供があったのだろうか。それをするなら就任後にやって民進党に打撃を与えるはずだから、違うだろう。就任する前であったから、就任させないように身内が妨害したのだろう。そのような推測だ。

 どうなのか不明だが、不倫は私生活の問題であって議員としての活動とは直接の関係がない。なのに山尾議員に対して誤った非難をする人達がいるという指摘をしたり怒ったりする人がいる。
 その指摘や怒りの中には、ごもっともなものがある。けれど、そういう騒ぎになるのが世の常である。だから、その現実に対処して当たり前だ。山尾議員は、不倫ではないかと騒がれた相手について、仕事がらみで会う間柄であり、また何度も会ってはいるが「男女の関係」ではないと説明している。
 そういうことなら、社会の中で一緒に仕事や活動するさい異性とは二人だけで会わず立会人を添えるものだろう。無用な誤解や、悪意ある噂を立てられないように、最初から予防しておくものだ。

 だから、前にも述べた通り、美容外科の被害に遭ったという女性から相談をされることがあると「そのうち何人『お持ち帰り』したのか」などといやらしいことを言う奴がいて、そんなこと言う奴に限ってモテないものだが、それを怒るより変なことを言われないようにすべきで、第三者の女性に付き添ってもらい二人にはならない。
 これをしないから、山尾志桜里議員はその男性と二人でいるところを写真に撮られるなどしたのだし、菅野完氏に至っては実際に変な気を起こしてしまった。

 そうした脇の甘さというようなこともあるけれど、山尾議員が離党するのは不倫したからではなく(現に当人は否定している)騒ぎになり迷惑かけたから(と当人が言っているだけ)でもなく、当選二回の若輩の女性が国会質問で話題になったからと要職に就いて生意気だから追放したくなった、という人たちが民進党内に少なくなくて、それを彼女も忖度したから、週刊誌の記事を表向きの理由にして出ていくことにしたのではないか。
 これは、どこの政党でも、政党でなく運動団体でも、よくあることだ。

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# by ruhiginoue | 2017-09-08 20:06 | 政治 | Comments(4)
 自民党の石破もと幹事長は、北部朝鮮共和国がミサイル開発の発射実験をしたことで、非核三原則を見直して米軍の核持ち込みの是非を議論すべきだと発言したそうだ。
 それで抑止力になる可能性があると考えているとしたらマヌケな話で、すでに指摘は出ているが、そもそも北朝鮮はイラクやリビアの二の舞を恐れてアメリカをけん制しようとして核抑止と射程延長をめざして武器の開発をしているのに、そこへアメリカではなく日本を標的にしろとでも言うような、かえって危ない話である。

 これは、日本の政治家たちが世界情勢について正しい認識をもっていないためだ。イラクやリビアがなぜ悲惨なことになったかを知らないのだろう。
 そもそも、イラクそれ以上にリビアは、欧米と融和しながら石油の利益により軍事よりも福祉を重視する政策に転換することで国民を説得し、あくまで欧米と対決するべきとするイスラム原理主義などタカ派勢力の反発を抑えてきた。
 ところが、その反発を欧米は利用し、過激派をそそのかし反乱を起こさせたうえ民主化支援と称し軍事介入して政権転覆したのだった。

 これについて、日本のマスコミは欧米メディアからの受け売りや「NATO軍記者クラブ」からの情報ばかり垂れ流している。
 それを日本のタカ派政治家たちは好んで受け入れている。自民党の政治家や民進党の代表に返り咲いた人など、日本のタカ派政治家は対米従属が圧倒的主流派であるから当然だ。

 これに対して北朝鮮は、もともと医師や技術者を外貨獲得のため産油国に派遣していたから、リビアなどの実態について直接知っている人たちから情報を得ている。
 だから、なんと非難されようと核実験とミサイル発射実験を繰り返しているのだ。

 つまり、日本の政治家たちより北朝鮮の政治家たちのほうが正確な情報を得て的確な判断をしているのだ。政治家のレベルでは北朝鮮より日本のほうがよほど「井の中の蛙大海を知らず」の状態なのである。
 それが日本にとって最も危険なのだ。


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# by ruhiginoue | 2017-09-07 17:05 | 国際 | Comments(3)
 ナチスとヒットラーを擁護したり賛美したりの発言をして海外からも批判された高須克弥氏について、この件を反ナチのユダヤ系団体サイモンウィーゼンタールセンター(SWC)に通報するよう、国内でSWCと関係をもつデーブ スペクター氏に頼んだらどうかと、皮肉のつもりで先月ツイートしたら、そのあと本当にSWCが動きだした。
 しかし、どうもこれは高須氏を皮肉った人が、そのため高須氏から攻撃されたので、そのナチス擁護の発言など事実関係を英訳してインターネットで発表するなどしたことがきっかけだったらしい。

 ところが、そのあと高須氏は、これにからんで変な噂が流布されて、その原因は有田芳生議員ではないかと言ってきた人がいるので、有田氏を訴えるつもりだと言い出した。しかし、この情報源とは怪しいもので、そんな明確ではない根拠で訴えると言い出すのは無茶苦茶だという批判が起きた。
 そして有田氏も、普通は事実確認をしたうえで相手に内容証明を送付するなどするものだが、そういうことをしないで騒ぐ高須氏は非常識だと指摘したうえ、ほんとうに訴訟を提起するなら堂々と受けて立つと宣言していた。

 このあと、さらに有田氏はマスコミ批判を展開した。高須クリニックが派手な宣伝をしてマスコミに莫大な広告費用を払っているスポンサーの立場であるから、これで沈黙をしているマスコミの態度は悪いというわけだ。
 これはごもっともだ。
 しかし、有田議員は自分が高須医師に提訴予告されたら、スポンサーを批判しないマスコミを問題にするが、昔から美容外科の被害者は、世論に訴えたくてもスポンサーを気にするマスコミから取り上げてもらえないから、各政党の議員らに陳情して広告規制など対策を訴えてきたが、票にならないとか世間の関心が薄いとかで、だいたい門前払いだった。

 ただ、いちおう話を聞いてくれる秘書とか地方議員は民主党(民進党)や社民党にいたし、共産党のある議員は機関紙『赤旗』の記者に紹介してくれたので面談できた。
 しかし、その先には進まなかった。いろいろ事情はあるだろうが、そのあと「スポンサーに気兼ねしない『赤旗』を購読して」と党員が言っていると虚しく感じてしまった。
 ところが、美容外科の医師が前に防衛医大の講師だったことから情報公開制度で経歴などを調べたところ、自衛隊から逆に監視のようなことをされ、この問題で国会も騒ぐと、その件は『赤旗』と『社会新報』も、向こうから記者が来て写真入りで記事を掲載してくれた。
 そして、他の被害者たちから「あなたはマスコミに取り上げてもらえていいですね」とか「政治的に利用させていいんですか」などと言われてしまう。

  こういうことについて、有田議員はどう考えているのだろうか。
                有田芳生 に対する画像結果



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# by ruhiginoue | 2017-09-06 20:54 | 政治 | Comments(0)
 あの、とっくに遅い「Jアラート」が鳴った朝は北海道にいた。
 そのあと役所の広報が拡声器で、何か変なものが落ちていたら近寄らずに警察か消防に連絡するようにと喚いた。
 つまり、ミサイル開発の発射実験が失敗して破片などが落下したら、有害物質であることもありうるから触っても近寄っても危ないということだ。

 この点で変なのが、自民党の竹下亘総務会長の発言であった。
 今月4日、北朝鮮の弾道ミサイル発射実験で島根県などの上空を通過するとしても、「島根に落ちても何の意味もない」と発言した。
 この発言は問題ではないかと指摘され、記者団から撤回するかどうか問われたら「どこが不適切ですか。教えていただければ、考えさせて頂きますが」と言った。

 では、どこが問題か教えてあげよう。
 同会長は、首相官邸で記者団に「離島だろうと島根だろうと、落ちれば日本国の安定に極めて重大な事態。その上で戦略的に考えた場合、北朝鮮が島根を狙っていることはないという思いを話した」と釈明した。
 しかし、爆弾なら上から投下した場合に「落ちる」という表現をするが、ミサイルなら打ち込むものだから、落ちるは失敗した場合だ。それなら落下場所がどこだって危険がある。
 その意味で言ったと釈明しているのだから「島根に落ちても」というのは表現として不適切だ。
 また、米軍基地や人口密集地と違い「戦略的に」「島根を狙っていることはない」とも言っているので、それについて「意味がない」と言うなら、「島根に落ちても」ではなく、「島根を攻撃する」とか「狙う」とかしても「意味がない」と言うべきだ。
 つまり、失敗したら「どこに落ちても重大な事態」だが、標的として狙うなら「島根を攻撃する意味はない」と言うべきだった。

 なのに、なんで間違った言葉づかいをするのだろうか。
 この不適切な表現のために、発射実験の失敗でミサイルが失速し墜落したり空中で爆発した破片が落下したりの事態になっても、どうせ島根は過疎っているから心配や対策をする意味がない、ということになってしまう。
 こうなると、集中豪雨による水害が名古屋ではなく安城や岡崎だったから良かったという自民党総裁選での麻生発言や、震災が関東ではなく東北で良かったという今村復興相の発言という前例と同じ意味になってしまう。
 
 なのに、いったいどうしてしまったのだろうか。やはり自民党の政治家たちの中に、内心では田舎を軽く見る感情があるのではないか。そう疑われても仕方ないだろう。
 



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# by ruhiginoue | 2017-09-05 19:17 | 政治 | Comments(5)
 世田谷区の保坂区長は、日野皓正の暴力沙汰に対する甘い対応を批判されている。
 彼は暴力を容認しているわけではないが、この一件で音楽教室が続けられなくなっては残念なことになると表明したからだ。

 もともと彼は教育問題のジャーナリストであった。
 そうなるきっかけは、七十年代、彼が中学生のときに教師と対立し内申書に悪意ある記述をされ高校に進学できず通信教育を受けることになったことだ。

 そして、これは教育を受ける権利の侵害であり、また原因となった中学での問題行動とは彼が学生運動のまねごとをしたことだったから、思想信条の自由を侵害することでもあるとして、彼は訴訟を起こした。
 これは「内申書裁判」とマスコミで話題になった。

 この訴訟の結果は敗訴だったが、客観的事実だったから内申書に書いても良いという判決理由であったため、ただでさえ内申書が脅しとなって教師の生徒に対する暴力やセクハラ(当時は無かった言葉で、まだ猥褻行為などと言われていた)が横行しているのに、ことさら悪い評価を内申書に記述して、事実に基づいているから合憲合法と裁判所がお墨付きを与えては、ますますひどくなるという批判が起きた。
 もちろん、教師の側からは歓迎の声があり、そういう意見ばかり新聞が掲載していた。
 そうしたことがあり、その渦中の人だった過去を持つ同区長が、中学生に対する指導者の暴力より音楽教室の存続を気にしたため、当然ながら批判が起きたのだった。

 これで思い出すのが、世田谷区と目と鼻の先どころか隣あわせくらいの場所にある国士舘大学での暴力事件にたいする西原総長の厳しい対応だ。
 もともと国士舘大学は右翼大学とか暴力大学とかいわれていて、八十年代前半には関係者の間で対立から殺人事件に発展した。
 このままでは大学の存続が危うく、「バンカラ」と気取って正当化してはいられないとし、西原総長を招いたのだった。
 この西原総長は、その前に早稲田大学の総長であり、学費値上げ問題で学生が騒いだのに対して強行な対応をしたが、当時の早稲田大生は勇猛で知られ特に左翼学生は元気がよく、それでも同総長はまったく強気の姿勢を崩さなかった。これを買われたのだった。

 そして国士舘大学の西原総長は大胆な改革を断行した。
 このうち象徴的なのが国士舘大付属高校の制服変更だった。そこの学生は在日朝鮮人学校の生徒との対立で暴力沙汰となることで悪名高かった(映画『パッチギ』に描かれているようなこと)が、その長ラン詰襟で「押忍」と言って凄んでいる学生の印象を払拭するため、制服をブレザーにしてしまった。それから国士舘高校の生徒は、いかにも私学のお坊ちゃんお嬢ちゃん、という制服で通学している。

 そんな中で、剣道部で暴力事件があった。
 これまで体育系でも特に武道系では、また特に国士舘や拓殖では、シゴキ事件など暴力は普通のことで、処分があっても直接の関係者だけだった。
 ところが、このとき国士舘大は廃部にしてしまった。これには、剣道がしたくて推薦入学した学生など大慌てで、だから退学した者もいると聞く。
 これくらいでないと、暴力は無くならない。特に教育の場では絶対にあってはならないことだ。その認識が明確だったから、毅然とした態度がとれたのだ。

 ところが現世田谷区長は、自分が中学生だった当時に大学と高校で盛んだった「全共闘」の真似をして、学校行事の文化祭はブルジョワ的だから粉砕せよと叫びゲバ棒を持って乱入するなどした。
 これに対する怒りの声が「内申書裁判」のさい現役教師から寄せられて「内申書に記載して何が悪い」という投書が新聞に掲載されていた。
 だから、内申書には問題が大ありではあるが、教育権と思想信条の自由の部分では、それをいくら問題にしても、教育の場に暴力を持ちこんでおいて甘えるなと言われて共感してもらえなかったのだ。

 その総括と反省が、保坂区長には無かったらしい。
 だから、教育の場で暴力があっても毅然とした対応ができなかったのだろう。

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# by ruhiginoue | 2017-09-04 16:38 | 社会 | Comments(2)
 先月、北海道の東大沼で、スズメバチによるアブラゼミ殺戮を目撃した。

 日が落ちて薄暗くなったとき、テントを張っているすぐ近くの木の下で、何やらバタバタと音がするので見たらアブラゼミが草の中でもがいている。どうしたのかとよく見ると、セミの胴体にスズメバチが取り付いていた。

 咄嗟にスマートフォンのカメラで動画撮影した。スズメバチは毒針で執拗にアブラゼミを刺している。ついに動かなくなったアブラゼミに、スズメバチは食らいつく。そして肉をもぎ取って飛んで行った。

 この動画を見せると、他のキャンパーたちは驚き、近くで観光客相手の飲食店をやっている人は、スズメバチに刺されたら救急車を呼ばないといけないほどの猛毒で、口で吸うと口腔の傷から毒が侵入する。
 そこで吸出し道具をつかわないといけないが、これは役所が店などに配布しているから、もしも刺された人がいたら連絡するように、とのことだった。

 すでに北海道では熊が人里に出たと報じられることが何度もあるけれど、熊よりもスズメバチによる死者の方が数倍多い。

 この動画を見ると、模様からモンスズメバチのようだ。モンスズメバチは日没後にも活動する珍しい種で、幼虫が主にセミを餌にしているから、たぶん間違いないだろう。

 タイトルおよび断末魔の羽音が止んで死の静寂となったところへ音楽を入れてあるが、映画『スウォーム』のサントラ盤からパロデイ的引用なので、やや大袈裟である。




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# by ruhiginoue | 2017-09-03 20:48 | 自然 | Comments(6)
 民進党の代表選挙に立候補した枝野幸男もと官房長官とは、2001年にテレビで「共演」していた。と言っても別に撮影した録画が同じ報道の中で合わさっただけだが、しかし、この時の民主党(当時)枝野議員の国会での発言には、他の野党議員たちよりはるかに好感をもった。

 なぜなら、自衛隊に情報公開請求した市民を監視するようにしていた問題で、共産党や社民党の議員らは「戦前に逆戻り」などの表現で自衛隊を批判しており、これでは紋切り型と言わざるを得なかったが、それとは違っていたからだ。

 「情報公開制度は開示して問題がないと判断した行政文書だけが対象であるのに、そこへ外国の諜報機関などが正面から来るという非現実的な仮定をしたうえで開き直る発言が自民党内から出ていると報じられている。完全に報道されたままの発言であるかは未確認だが、このような報道が各マスコミからされるに相当の発言があり、誤った認識を持つ議員、あるいは誤解を招く発言、どちらにしても問題であるから、小泉総理(当時)は総理大臣としても与党の総裁としても、リーダーシップを発揮するべきではないか」

 このように。枝野議員は国会の質問で総理大臣を問い詰め、たたみかけていた。洗練された議論の技巧である。知り合いの社民党の地方議員は、枝野氏は右派だからと否定的だったが、そういうことに囚われず議題を純粋に追及していく姿勢は説得力があり、手法も知的である。
 ところが、こういう発想をする人が少ない。それが日本の抱える根源的な問題である。  

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 防衛医大の訴訟が終わった直後のことであった。詳しくは拙書『防衛医大の場合は…』で説明してあるから省略。
 画像は動画サイトからのスクリーンショット。この後、枝野氏は官房長官になって震災のさいに活躍、中谷氏と柳沢氏は集団的自衛権で対立、井上は映画より医療の話を書くほうが増えた、ということである。
 

 



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# by ruhiginoue | 2017-09-02 20:56 | 政治 | Comments(4)
 黒澤明『蝦蟇の油-自伝のようなもの』より

 大正十二年九月一日

 この日は、中学二年の私には、気の重い日だった。
 何故なら、夏休みが終わった翌日で、普通の学生なら、みんな、やれやれまた学校が始まるのかと、うんざりする、二学期の始業式の日だったからだ。
 その始業式を終えて、私は上の姉に頼まれていた洋書を買いに京橋の丸善へ廻った。
 ところが丸善はまだ店を開いていない。
 これには、私はますますうんざりして、午後また出直そうと家へ帰った。
 この丸善の建物は、その二時間後には、無残に崩壊し、その残骸の写真は、関東大震災の恐ろしい一例として世界の注目を集めることになる。
 私は丸善が店を開いていたら、どうなっていたか、と考えざるを得ない。
 二時間の余裕があったのだから、姉に頼まれた洋書を捜すための時間を見込んでも、丸善の建物につぶされていたとは思えないが、東京の中心を焼き尽くした大火にとりまかれ、どうなっていたかわからない。
 後略


 闇と人間

 前略 
 しかし、恐怖すべきは、恐怖にかられた人間の、常軌を逸した行動である。
 下町の火事の火が消え、どの家にも手持ちの蝋燭がなくなり、夜が文字通りの闇の世界になると、その闇に脅えた人たちは、恐ろしいデマゴーグの俘虜となり、まさに暗闇の鉄砲、向こう見ずな行動に出る。
 経験の無い人には、人間にとって真の闇というものが、どれほど恐ろしいものか、想像もつくまいが、その恐怖は人間の正気を奪う。
 どっちを見ても何も見えない頼りなさは、人間を心の底からうろたえさせるのだ。
 文字通り、疑心暗鬼を生ずる状態にさせるのだ。
 関東大震の時に起こった、朝鮮人虐殺事件は、この闇に脅えた人間を巧みに利用したデマゴーグの仕業である。
 私は、髭を生やした男が、あっちだ、いやこっちだと指差して走る後を、大人の集団が血相を変えて、雪崩のように右往左往するのをこの目で見た。
 焼け出された親類を捜しに上野へ行った時、父が、ただ長い髭を生やしているからというだけで、朝鮮人だろうと棒を持った人達に取り囲まれた。
 私はドキドキして一緒だった兄を見た。
 兄はニヤニヤしている。
 その時、
 「馬鹿者!!」
 と、父が大喝一声した。
 そして、取り巻いた連中は、コソコソ散って行った。
 町内の家から一人ずつ夜番が出ることになったが、兄は鼻の先で笑って、出ようとしない。
 仕方ないから、私が木刀を持って出て行ったら、やっと猫が通れるほどの下水の鉄管の傍へ連れていかれて、立たされた。
 ここから朝鮮人が忍び込むかも知れない、と云うのである。
 もっと馬鹿馬鹿しい話がある。
 町内の、ある家の井戸水を飲んではいけないと云うのだ。
 何故なら、その井戸の外の塀に、白墨で書いた変な記号があるが、あれは朝鮮人が井戸へ毒を入れたという目印だと云うのである。
 私は惘れ返った。
 何をかくそう、その変な記号というのは、私が書いた落書きだったからである。
 私は、こういう大人達を見て、人間というものについて、首をひねらないわけにはいかなかった。

 岩波書店 P97~P106



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# by ruhiginoue | 2017-09-01 20:51 | 映画 | Comments(0)

 長く滞在していた北海道で、観光地にあるカフェに何度か寄ったが、そこの献立にあるカレーについてダメだと言う客がいた。


 そのカレーは、家族連れが来るので子供向けに甘い味付けにしていた。その話を店の人から聞いていたので伝えたところ「それで味気ない感じがしたのか。たしかに辛味が全然なかった」と言った。


 自分で最初にそのカレーを食べた時、店の人に味付けを訊ねたところ子供向けで甘いとのことで、しかし一味唐辛子があるということだったから出してもらい、かけて自分で味を調節した。


 そうしないと、本当に子供向けだ。バターを溶かして味に深みをだすのではなく牛乳をたくさん入れて甘くしていたし、野菜も乱切りで歯応え食べ応えではなく溶かし混んでいた。


 それを、その客はどんな味か訊ねることをせず、だされたものをそのまま食べて気に入らず、ではカレーがどうダメなのかとは意識せず、漠然と口に合わないからダメだと言っていて、他人から味付けについて話を聞いて初めて、なぜ口に合わなかったのかわかったのだった。


 そんな人が、ただ「食べてみたらダメだった」と言ったら、それを聞いた人は食べようと思わないし、作っている人の腕前やセンスが悪いと解釈するはずだ。


 このようにして評判が悪くなることがあるので、献立表(メニュー)に但し書きを入れるべきだろう。実際に、多くのカレー屋は辛さに等級をつけて表示しているし、子供向けがあると別にしている所もある。


 また、パン屋でもカレーパンについて中のカレーがどのくらい辛いか表示されている所が多く、自家製を売りにしていたり、市販のルーを使用していると明記したうえその商品名と辛さの程度を併記していたりする。


 そもそも、辛いのが好きな人やスパイシーでないとカレーらしくないと思う人もいる。夏の旅行者で汗かき疲れている人など刺激や塩分を欲していることがよくある。あの「ダメだ」と言った旅行者は自転車で何日もかけて北海道内を巡っていた。それが子供向けの甘いカレーでは気に入らなくて当然だろう。


 それで、店の人に伝えたところ、客に説明しなくて今まで多分かなり損した可能性があると言っていた。客が喜んでくれないうえ他の客に誤解のクチコミが伝わってはマズイから、今のカレーには説明をして、大人向けを別にしようと言ったのだった。


 こうしてみると、飲食店とは味そのもの以上に味の説明と客の同意が重要である。



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 津軽海峡を渡っている。

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# by ruhiginoue | 2017-08-31 15:18 | 雑感 | Comments(0)