茅ケ崎市立病院の手術死事件
2008年 12月 29日
手術中に臓器を傷つけて出血死したが、ミスではなく合併症であるという。
ここで問題は、まず、傷つけて出血したのが、処置が適切ではなかったから、なのか、それとも、処置は適切だったのに、なのか、病院側は後者だと言っているが、ほんとうかどうか、である。
自分ではそう言うだろうし、同僚もそう言うだろうし、他の医療機関の専門家でも、自分が同じ立場になったときのことを考えて「貸し」を作っておくものだ。だから本当のことが、なかなか判らない。
次ぎに、合併症というやむを得ないリスクの問題。手術同意書には必ず「合併症について説明しました」と記載されているが、意味が判らない人が多い。そして「合併症って何ですか」と質問しようにも、看護師が同意書を持ってきて「先生がこれに署名捺印させなさいって」と言うだけで説明が無かったり、医師当人に質問したら「黙って言うとおりにすればいいんだ」と怒られたりする実態がある。
また、そのリスクを冒してまで手術しなければならないのかという問題がある。他に治療法があるなら、危険が伴う手術を受けようと思う人はまずいない。ところが、医師の中には、自分の分野を過信したり、不勉強で他の治療法があることを知らなかったり、手術実績を作りたくて、手術を奨めることがある。
この問題が何度も起きてきたため、九十年代に入り医療裁判の判例が変わり、以前は、治療の必要性さえ説明すればいいということだったのが、他の治療が有り得るならそれも説明して患者当人の選択権を尊重しなければならなくなった。当たり前のことだが、その実現までが大変だった。
さて、本件はどうなのか。これを詳しく知るためには、裁判沙汰にでもならないと事実関係が表に出てこない。それも問題だ。
Excite エキサイト : 社会ニュース
ここで問題は、まず、傷つけて出血したのが、処置が適切ではなかったから、なのか、それとも、処置は適切だったのに、なのか、病院側は後者だと言っているが、ほんとうかどうか、である。
自分ではそう言うだろうし、同僚もそう言うだろうし、他の医療機関の専門家でも、自分が同じ立場になったときのことを考えて「貸し」を作っておくものだ。だから本当のことが、なかなか判らない。
次ぎに、合併症というやむを得ないリスクの問題。手術同意書には必ず「合併症について説明しました」と記載されているが、意味が判らない人が多い。そして「合併症って何ですか」と質問しようにも、看護師が同意書を持ってきて「先生がこれに署名捺印させなさいって」と言うだけで説明が無かったり、医師当人に質問したら「黙って言うとおりにすればいいんだ」と怒られたりする実態がある。
また、そのリスクを冒してまで手術しなければならないのかという問題がある。他に治療法があるなら、危険が伴う手術を受けようと思う人はまずいない。ところが、医師の中には、自分の分野を過信したり、不勉強で他の治療法があることを知らなかったり、手術実績を作りたくて、手術を奨めることがある。
この問題が何度も起きてきたため、九十年代に入り医療裁判の判例が変わり、以前は、治療の必要性さえ説明すればいいということだったのが、他の治療が有り得るならそれも説明して患者当人の選択権を尊重しなければならなくなった。当たり前のことだが、その実現までが大変だった。
さて、本件はどうなのか。これを詳しく知るためには、裁判沙汰にでもならないと事実関係が表に出てこない。それも問題だ。
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裁判沙汰になっても真相が明らかにならず、真相があきらかになっても法的責任までは問えないことが問題であるなら、危険負担は患者も医師も国家も全体で引き受けるべきであろう。これを三方相互負担という。

「肝臓を傷つけ・・・」とありながら「いくら注意しても一定の割合で起こる『合併症』と説明」さらに医療安全管理委員会は「合併症」と判断した・・・この共同の記事は正しいのだろうか。「を傷つけ・・」の文字からは医療ミスのイメージしか浮かばない。まずそこが気になる・・・
by ruhiginoue
| 2008-12-29 06:13
| 社会
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Comments(2)