人気ブログランキング | 話題のタグを見る

井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。Googleが誤情報を混ぜているので信じないで下さい。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue

政党助成金問題と共産党の人材難

 政党助成金にはいろいろ問題が指摘されており、そのため共産党だけは反対して受け取りを拒否している。
 他の政党は、賛成というわけではないが、おかしいとは思っていても「背に腹は代えられない」ということで、特に小さい政党がそうらしい。
 共産党だけが拒否しているのは、拒否が出来るからだ。他は拒否したくても出来ない。自民党のように大企業から政治献金を受けていながら助成金までもらう厚かましい所は論外として、財政基盤が脆弱な政党が多い中で共産党は組織がしっかりしていて、特に『しんぶん赤旗』を中心とした機関誌収入が、他の党とは比較にならないほど豊富だから、拒否できる。政権与党ではない野党の機関誌としては、『赤旗』は世界一の規模だ。
 この『赤旗』の配達をしたことがある。もう随分昔のことだ。自分は共産党の組織とは何も関わりがないが、近所に住んでいる議員が、人手が足りないと言うので。
 早朝の新聞配達が大変なことは言うまでもないだろう。早起きして、特に冬は寒いし、雨や風や雪の日もある。そして、一般紙の配達と同じ労苦に加え、『赤旗』の場合は警察や某宗教の嫌がらせにも遭う。そして商業紙と違い報酬は少なく、労苦に比したらほとんどボランティアである。
 それでもその議員はいい人で好きだったし、迫害されればかえって燃える性格もあって続けていた。
 そんなところへ、これも近所の党員で地方議員だったが落選中という女性が、たまたま話をしている中で社会問題について見解の相違があり、すると頭ごなしに「赤旗を読まないからよ」と言った。
 読んだ上で、何か食い違えば議論になるものだろう。それが解っていないようで、それを指摘され、また、読んでいるどころか配達までしていると言われると、今度は、配達をしているから購読料が免除されていることを取り上げて、「それじゃあダメよ。ちゃんとお金を払わないと」
 それを聞いていた近所に住む「年金者組合」という共産党の外郭団体にいる年季が入った党員の男性が、「そんなことを言ってはいけない。彼は配達している部数も日数も、このあたりでは特に多くて、そこまでやってくれる人は他にいないから、我々はとても助かっているんだよ」と言った。
 「そうでしたか。知りませんでした。今のは失言でした。取り消します。失礼しました」
 などという意味の言葉が返って来たのではなかった。彼女はふてくされたように「じゃあ、しょうがないわねえ」と言った。
 これでは、少し強力な対抗候補が出た途端に落選しても当然だと思った。まず、『赤旗』を読んではいても、それが咀嚼され消化され血肉になっていない。だから共産党員の立場から自分の言葉で議論することが出来ない。そのうえ、自分の活動を底辺で支える者に対して、何ら尊重がない。大変だから配達人が不足し、それでも頑張っている人たちがいるから、立候補者が供託金も宣伝費も自腹を切らなくて済んでいるということが理解できていない。
 これはほんの一例で、他にも共産党を観察すると、立候補しても当選できないとか、一度は当選したが次はすぐ落選という人だと、だいたいこんな調子の人である。逆に、当選してから自民にも公明にも民主にも勝ち議席や首長の地位を安定して保っている人は、普段の態度から礼儀正しく、押しつけがましくなく、協力してくれる人には感謝を忘れない。
 そして、前者が多く、後者が少ない。
 こんなことは、他の政党だと、ここまで極端ではない。
 だから共産党は、政策をしっかり練って掲げるとか、間違った制度の金は受けとらない態度をとるなど、そうした点で真面目なことでは他の政党を引き離しているのに、そのわりにはさっぱり議席が振るわないのだ。比例区では当選しても小選挙区ではダメなのは、小選挙区が二大政党向けだからというだけの問題ではなく、党や政策ではなく候補者の人柄に投票するとなると、途端に弱くなるからだ。
 つまり共産党は、資金より人材が不足しているのだ。それを解決できれば、政権だって夢ではないはずだ。もちろん、それが難しいのだろうが。
Excite エキサイト : 政治ニュース
by ruhiginoue | 2009-01-19 23:15 | 政治