化粧をする男
2009年 05月 04日
忌野清志郎は化粧をする男だから日本のデビッド=ボウイだと言ったのは、バンドやっていた同級生だ。化粧は合作していた坂本龍一もしていて、連想するのは他でもない『戦場のメリークリスマス』だが、「ベストテン」で、忌野清志郎と坂本龍一のキスシーンにリクエストがたくさん来て、その一番多い理由は「気持ち悪かったから」だと黒柳徹子が笑いながら紹介していたものだ。
坂本龍一も社会的な言動はするし、ボウイはボブ=ディランの影響を受けていたうえ自称ゲイないしバイセクシャルだったので、抑圧された少数派の代弁者として社会派していた時期もあったけれど、相棒のイギー=ポップから借りてきたような感じだった。
80年代には、ロックからメッセージ性がなくなりポッブスとダンスミュージックの混濁といわれた。それは有害だったとボウイが回想して述べていたが、ではベストセラーの『レッツダンス』はどんなつもりで作ったのだろうか。
そんな80年代のボウイに傾倒していたのが、今では娘が活躍している中川勝彦で、ボーイ=ジョージ来日のとき前座で女装して唄っていた。数年後にアーノルド=シュワルツェネガーが主演活劇映画『コマンドー』の中で、娘(子役時代のアリッサ=ミラノ)のロック雑誌を見ながら「これはガール=ジョージだ」と言い「子供の頃、ドイツにもロックが入ってきたが東側では退廃的で亡国だと禁止された・・・そうかもしれない」と、女装に嫌悪感を示していた。シュワルツェネガーはオーストリア出身でドイツなまりの英語を話すが、旧東ドイツのロックとゲイの事情は後に『へドウイック』という映画になっている。
やはり癌だったが享年31歳と早すぎるどころではないかった中川は、そうした80年代の洋楽志向の歌手だった。これは松田聖子と共に、当時代のもう一つの流れだった。冷戦の中での保守化とレーガン大統領の政権発足、軍拡とサブライサイドエコノミクスによる「レーガノミックス」といわれる政策、それに邪魔だったからCIA陰謀説があったジョン=レノン暗殺は、真偽はともかく絶妙のタイミング。
そうした中に、忌野清志郎が敢然と立ち向かったのではなく、普段は表立った言動をしたがらないのに突然、それも大資本など巨大な相手に臆することなく社会と向き合おうとするから、みんなが驚かされたものだった。
その一つが、これ。サザエさんが「エネルギーとエレクトロニクスの」と紹介する、東京の芝浦の1の1の1に本社がある会社の子会社がレコード発売を拒否し、それを気にして放送自粛した「腐った」「最低の」「政治家の手先」「お×××野郎」の放送局があったというのが、この歌だそうだ。
これは、欧米のメディアでも話題となり、日本のロックはモノマネでしかないから真面目な内容ではないとして当時の日本の人気バンドのビデオを紹介し、しかし一方で、忌野清志郎が歌で原子力政策を皮肉ったために大企業から圧力がかかったことを紹介し、日本にも社会派がある例としていた。
ちなみに、モノマネで真面目ではない例として紹介されていたのは「聖飢魔Ⅱ」のデーモン小暮が出ているビデオだった。
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坂本龍一も社会的な言動はするし、ボウイはボブ=ディランの影響を受けていたうえ自称ゲイないしバイセクシャルだったので、抑圧された少数派の代弁者として社会派していた時期もあったけれど、相棒のイギー=ポップから借りてきたような感じだった。
80年代には、ロックからメッセージ性がなくなりポッブスとダンスミュージックの混濁といわれた。それは有害だったとボウイが回想して述べていたが、ではベストセラーの『レッツダンス』はどんなつもりで作ったのだろうか。
そんな80年代のボウイに傾倒していたのが、今では娘が活躍している中川勝彦で、ボーイ=ジョージ来日のとき前座で女装して唄っていた。数年後にアーノルド=シュワルツェネガーが主演活劇映画『コマンドー』の中で、娘(子役時代のアリッサ=ミラノ)のロック雑誌を見ながら「これはガール=ジョージだ」と言い「子供の頃、ドイツにもロックが入ってきたが東側では退廃的で亡国だと禁止された・・・そうかもしれない」と、女装に嫌悪感を示していた。シュワルツェネガーはオーストリア出身でドイツなまりの英語を話すが、旧東ドイツのロックとゲイの事情は後に『へドウイック』という映画になっている。
やはり癌だったが享年31歳と早すぎるどころではないかった中川は、そうした80年代の洋楽志向の歌手だった。これは松田聖子と共に、当時代のもう一つの流れだった。冷戦の中での保守化とレーガン大統領の政権発足、軍拡とサブライサイドエコノミクスによる「レーガノミックス」といわれる政策、それに邪魔だったからCIA陰謀説があったジョン=レノン暗殺は、真偽はともかく絶妙のタイミング。
そうした中に、忌野清志郎が敢然と立ち向かったのではなく、普段は表立った言動をしたがらないのに突然、それも大資本など巨大な相手に臆することなく社会と向き合おうとするから、みんなが驚かされたものだった。
その一つが、これ。サザエさんが「エネルギーとエレクトロニクスの」と紹介する、東京の芝浦の1の1の1に本社がある会社の子会社がレコード発売を拒否し、それを気にして放送自粛した「腐った」「最低の」「政治家の手先」「お×××野郎」の放送局があったというのが、この歌だそうだ。
これは、欧米のメディアでも話題となり、日本のロックはモノマネでしかないから真面目な内容ではないとして当時の日本の人気バンドのビデオを紹介し、しかし一方で、忌野清志郎が歌で原子力政策を皮肉ったために大企業から圧力がかかったことを紹介し、日本にも社会派がある例としていた。
ちなみに、モノマネで真面目ではない例として紹介されていたのは「聖飢魔Ⅱ」のデーモン小暮が出ているビデオだった。
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by ruhiginoue
| 2009-05-04 12:40
| 芸能