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by ruhiginoue

同じ内容で逆の判決

 この件だが過日は、同じ内容の裁判で、高裁が逆転無罪判決だった。
 ただ、ほぼ同じ訴訟の内容でも、訴訟の戦術によって引き出せるか否かの差は出る。本件は、先の逆転無罪判決を研究したか、細かいところで疑問が残る。例えば、憲法の謳う自由について拘り過ぎていないか、など。
 もちろん、裁判官の違いもあるし、政治情勢の影響もあるだろう。逆転無罪のときは政権交代があってまもなくの高揚感があった。今は自民党がなりふり構わず巻き返しに出ている。これで裁判官も恐くなったかもしれない。
 もともと、公務員の政治活動禁止については、共産党だと公務員の地位とは無関係のビラ配りで違法だが、自民党は役所ぐるみで選挙をやって当然になっているという、とんでもない実態である。
 けれど、裁判では問題が矮小化されるものだ。
 してみると、今回の判決は、公務員の政治活動禁止が合憲なので罰金だというものだが、前回の逆転無罪は、公務員の政治活動禁止それ自体が違憲なのではなく、その制約が行き過ぎであるというものだった。
 今回の被告と弁護士がどうだったか詳細はまだ不明だが、このような思想信条にかかわる裁判(他にも例えば日の丸君が代問題)は、だいたいの傾向として、「仮にそうだとしても、ここまでやるのはゆきすぎだ」という主張なら通りそうなのに、「絶対にそうではない。それを全面的に認めさせるまで一歩も退かないぞ」というようにやって、完敗したうえ「不当判決」というものになりがちだ。
 それでは駄目だということを、現実が何度も証明してるのに、理解できない人が多すぎる。
  
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by ruhiginoue | 2010-05-13 13:18 | 司法