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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

人それぞれ

 63年に日本海で、漁に出たまま行方不明だった漁船が壊れて漂流しているところを発見されたが、乗組員の姿はなく、遭難したと思われたが後に乗組員本人から家族に手紙が届き、差し出されたのは北朝鮮からだった。
 漂流しているところを通りかかった北朝鮮の船に救助され、北朝鮮で元気に生活しているから心配しないで、ということだが、船の破損状態から船同士の衝突と考えることができ、事故の口封じ連れ去りなど北朝鮮側に何らかの悪意が疑われた。
 そして、家族が訪問し面会したが、現在の両国の政治情勢から帰国は困難そうだと家族は言う。
 国際政治に翻弄されて気の毒なのだが、それでいて家族は北朝鮮政府の招待で訪朝しており、北朝鮮政権党の創立記念として開催された軍事パレードを見学するなど、特別扱いである。
 これは、漁船乗組員の当人が北朝鮮で高い地位にいるためで、かつて日本の代表者が訪問したときも、彼は北朝鮮の政治家の一人であり、末端とはいえ指導者の立場にいると言っていた。当時、面会した森もと総理が「労働組合の大幹部なんだってね」と言っている様子がテレビで放送された。
 少なくとも最初のきっかけは自分の意思によらない北朝鮮行きであることは明らかで、しかも北朝鮮側に悪意があった疑いが濃厚なのに、そんな人にしては意外すぎるほど北朝鮮の高い地位にいる。
 その一方では、日本人でありながら、北朝鮮の政治理念に共感して渡った人たちが、情けない状態になっている事実がある。例えば「よど号事件」のハイジャック犯人たちは、最初は勇ましく亡命して歓迎されたが、後にお荷物とされてしまい日本に帰りたいと言いだしているし、在日の人に混ざって個人で渡った人など、歓迎どころか疎ましがられて迫害され不遇なまま世を去ったそうだ。
 人には向き不向きがあるから、馴染めない所と、そうでない所があって、それに合わせないといけないと言われる一方で、ここで上手くいく人は、よそでも上手くいくし、ここで駄目な人は、他へ行っても駄目ということも言われる。
 また、政治的な問題に限らず、熱心すぎて逆に嫌われることはあるし、無関心だった人がたまたま良く合って大活躍ということもある。「得な性格と損な性格」の人の違いもある。
 そういうことが、北朝鮮の場合はその特殊な事情によって極端な反映をするのだろうが、いろいろな分野にもあることなので、その点でとても興味をひかれる。
 
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社会総合 - エキサイトニュース
by ruhiginoue | 2010-10-13 17:43 | 政治