対米関係について
2010年 10月 20日
「中国に強く出られるか」へのトラックバックとともに、それへの感想を求められたので、お答え。
アメリカ不信なので独力防衛すべきという主張は、大昔すでに問題となっていた。
例えば日本共産党の代表だった当事の宮本顕治氏は、政権に就いたら憲法9条と自衛隊はどうするかとの問いに、「改憲し自衛隊廃止と人民軍創設」と答えていた。なぜか。
自衛隊があるのは、まずは治安維持すなわち在日アメリカ人保護のためと革命が起きて反米政権が出来ないようにするためで、次に軍事で米軍の下請け。
だから、憲法が謳う戦争放棄の実質はアメリカに歯向かうのは駄目だけど協力するならいいとの規定になってしまっている。それで憲法の規定を、侵略はせず自衛だけと変え、軍隊は人民に奉仕する組織に変える。
しかし。それでは一般大衆の支持が得られなかった。現実の体験から、軍隊への不信と、戦争は懲り懲りという意見が多かった。それで、憲法の枠内での自衛およびそこからはみ出す原因の日米安保条約は改訂さらに廃止を求めるという方針に転換した。
また自民党でも、アメリカから完全独立するとしたらどうなのか様々な検討をしたところ、軍事力が膨張したうえ改憲や核武装にも行き着くはずで、では倫理的問題を抜きにして、それは可能かどうか、可能だとしても得策かどうかと検討したところ、国際的には周辺のアジアはもちろん欧米にまで新たな緊張をもたらし、国内的には核管理の重圧など負担が激増し、得られるものと損失とでバランスシートにかけると現実的とは言えないとの結論だった。
そうなると、すぐには実現できないけど努力して少しずつ近づいてゆく理想ということになり、だったら、武力によらない平和というのと同じであり、それなら後者を選んだほうが遥かに良いという当然の結論。これで党派すべて一致しているのが日本政治の実態というべき。
この前提を欠いた議論は無意味どころか有害である。
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アメリカ不信なので独力防衛すべきという主張は、大昔すでに問題となっていた。
例えば日本共産党の代表だった当事の宮本顕治氏は、政権に就いたら憲法9条と自衛隊はどうするかとの問いに、「改憲し自衛隊廃止と人民軍創設」と答えていた。なぜか。
自衛隊があるのは、まずは治安維持すなわち在日アメリカ人保護のためと革命が起きて反米政権が出来ないようにするためで、次に軍事で米軍の下請け。
だから、憲法が謳う戦争放棄の実質はアメリカに歯向かうのは駄目だけど協力するならいいとの規定になってしまっている。それで憲法の規定を、侵略はせず自衛だけと変え、軍隊は人民に奉仕する組織に変える。
しかし。それでは一般大衆の支持が得られなかった。現実の体験から、軍隊への不信と、戦争は懲り懲りという意見が多かった。それで、憲法の枠内での自衛およびそこからはみ出す原因の日米安保条約は改訂さらに廃止を求めるという方針に転換した。
また自民党でも、アメリカから完全独立するとしたらどうなのか様々な検討をしたところ、軍事力が膨張したうえ改憲や核武装にも行き着くはずで、では倫理的問題を抜きにして、それは可能かどうか、可能だとしても得策かどうかと検討したところ、国際的には周辺のアジアはもちろん欧米にまで新たな緊張をもたらし、国内的には核管理の重圧など負担が激増し、得られるものと損失とでバランスシートにかけると現実的とは言えないとの結論だった。
そうなると、すぐには実現できないけど努力して少しずつ近づいてゆく理想ということになり、だったら、武力によらない平和というのと同じであり、それなら後者を選んだほうが遥かに良いという当然の結論。これで党派すべて一致しているのが日本政治の実態というべき。
この前提を欠いた議論は無意味どころか有害である。
by ruhiginoue
| 2010-10-20 22:24
| 政治





