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by ruhiginoue

開かずの踏切

 「開かずの踏切」解消のために99年から進めていた中央線三鷹―立川の高架化工事が11月7日朝に終了するとJRから発表があった。これで東京―立川では踏切ゼロになる。東京都によると、18カ所のうち16カ所は、朝夕ラッシュ時の1時間には40分以上閉まったままの「開かずの踏切」だった。
 この「開かずの踏切」と高架の問題は、他の私鉄でも長く揉め事となってきた。そのなかで興味深いのが小田急線である。
 踏切問題を解決するべきだが、しかし高架は、日照や騒音への不安が付きまとう。だから地下鉄にという意見があるのだが、鉄道会社は予算や工法から難があると言って受け入れず、これを革新系の市民団体と政党と議員が批判するとの図式があった。
 例えば小田急線の通る世田谷区では、社会党系無所属の若手議員が協力して住民訴訟を起こしたが、東京高裁の鬼頭季郎という判事が大企業に偏向した訴訟指揮をし、抗議に対して警備員を動員して法廷から議員や住民らを強制排除した。 この鬼頭はその後ホリエモンの味方をするなど色々としたうえで内閣府へ「渡り」という進路である。日本の現状では司法に救済を求めても無駄であった。
 また、道路の方を線路の下にくぐらせる方法は、建築関係の人たちは口を揃えて、強度に問題があると言う。いずれ解決できるかどうかは不明だが、現状ではどこの線路でも道路でも陸橋にしており、完全な地下道とか地下鉄にすると費用がかかりすぎる。
 それでだいたい革新系は、鉄道会社が金を惜しんでいると批判する。
 しかし大企業とはいえ、旧国鉄と同じように公営でも私鉄でも旅客部門は赤字であり、それを宅地開発や駅ビルテナントなどで埋めてる。そんなことは無視して、「とにかく我々は大資本批判して偉いんだ」と自己満足するばかりで結局何も解決できないとの図式から「革新」は支持を失ってきた。
 隣の狛江氏も、同じ踏切問題を抱えてきた。
 狛江駅近くの踏切では、小学生が遅刻しそうになり焦って遮断機をくぐり抜けようとして事故になっている。 そこへ、共産党狛江市議団長が「反対ばかりの革新」では駄目だと言い出した。 高架は問題大ありだが、しかし地下鉄にするのでは工法を国が認可していないうえ、仮に認可されても地下は高架の三倍くらいかかってしまうから絶対に無理と鉄道会社は譲らないので、ここをいくら押しても動かせない。では「開かずの踏切」が続くのと、問題ありだが高架で解決とどちらを選ぶかと市民にアンケートをとるよう、当時の保守系市長に申し入れて、渋る市長を粘って説得した。
 そして、高架で影響がある沿線住民には全員、直接の影響はない離れた住民には無作為抽出でアンケートをとったところ、高架で解決しても「開かずの踏切」が続いたままよりはマシだから工事に賛成するという意見ばかりだった。
 それで、混乱する隣の世田谷を尻目に狛江は工事が始まり今のような高架となって、先に解決したうえ結果に多少の難があっても文句を言う者はいなかった。
 これにより、市民の意見を聞きながら現実路線も推進して問題解決につなげたということで、この共産党狛江市議団長だった矢野裕氏は、革新から無党派さらに保守までの市民から高く評価され、そして後に狛江市長となり、現在まで四期も続く長期政権となっている。
 
 ついでに言うと、共産党はこれと同じことがどうして他ではできないのかと、みんなが疑問に思っている。実は選挙で失敗して議席を減らしては志位委員長が言い訳している一方で、同様の共産党市町村長が各地方に点在している。これは明らかに共産党の人材難を示している現象である。

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by ruhiginoue | 2010-10-30 04:48 | 政治