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by ruhiginoue

海保美化漫画「海猿」の作者が海保の違法行為を擁護

 『海猿』は、海保を美化したとんでもない漫画であるという指摘がある。実際,前に海保勤務の人たちと話したら、その傲岸不遜な思考と態度に驚き呆れ憤ったことがあり、この漫画は刑事ドラマや軍隊広報活劇映画とおなじく正面玄関から取材しただけの奇麗事だと感じたものだ。
 海保は熱心に働いているというが、政治的中立で任務をこなしてなどいない。海上での一般人への暴力行為が酷いことは多くの証言があり今さら言うまでもないし、国会で有事法などが審議されると絶妙のタイミングで不審船が出現するとはどういうことかと作家の辺見庸氏などが問題にしていたが、かつてその質問をしたらTという職員はブチ切れたようになってしまい話にならず、海保を批判するのは許さないという高圧的態度だった。
 そして今回の海保による違法な「流出」について、美化漫画の作者・小森陽一氏は、「やむにやまれず出した、と思いたい」と、勝手な憶測をしたうえ、危険な仕事を一生懸命にやっているからそれに政府は応えるべきだと筋違いな批判をしている。
 もちろん真面目に働いている人もいるだろうが、だからと違法行為とかスタンドプレーを正当化できないことは常識だ。警察や自衛隊でも、身体を張って頑張っている人はいる。しかし、それをもって不正が許されるわけはない。交番の親切なお巡りさんがいる一方で、公安とか機動隊のように政治的に偏向しやすい部署もあり、そこから現実に盗聴とか暴行など違法行為もおきている。
 そして、これが問題になると必ず、弾圧だろうと政治的に正しいというファッショ的な居直りとともに、一生懸命現場で働いている人たちが可哀想だから批判するなという泣き落としが、かならずセットになってきた。
 今回の海保の違法行為も、その典型である。もしも、「中国漁船が衝突してきたので船長を逮捕したが、証拠がないので釈放したというけど、実はそのさいに撮影がされていて、これを政府は隠していたが、見たら衝突の場面が映っていた」というのなら、内部告発としての意義もありうるが、実際にはそんなことではなく、もともと衝突の事実が明らかで、それは中国漁船の船長が悪いという前提で、しかし政治的な意図から当面は映像を非公開として国会内で見て検討しようというだけだった。
 それを証拠隠しかのごとく騒いだうえでの「流出」だから、政府を攻撃するネタを拵えた以外の意義は存在し得ないことだけは確かで、「流出」は政治的意図の疑いがあり、義憤にかられたといういうのは眉唾である。
 だから、本件で擁護論をマスコミで説く小森陽一氏は、喩えれば不祥事続きの米軍(実際これはアメリカでは大問題)を、「ペンタゴンひも付き製作者」ジェリー=ブラッカイマーが、『トップガン』のトム=クルーズみたいなパイロットが国を守るために頑張っているのだからと言って擁護したも同然であるが、そこまで恥知らずなことはブラッカイマーすらしていない。

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社会総合 - エキサイトニュース
by ruhiginoue | 2010-11-12 11:42 | 社会