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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

だから老人は嫌われる

 82歳の「ジャーナリスト」加藤恭子なる人が戦争と震災を語っているが、だから老人は嫌われるという典型である。
 このインタビューによると加藤老婆は、戦争体験を思い出話として懐かしんでばかりいる。苦労したが乗り越えたと自画自賛し、敗戦を感じながらも国民としての義務を果たし勤労動員できちんと軍事物資を作ったと言う。
 そのうえで、今回の震災では、外国ではヒステリックにメディアが大騒ぎしているが、自分は「地面がときどき揺れているだけ」だから平気だと言う。
 もともと、戦争体験を自慢する老人ほど、実は苦労しておらず、都合の悪い話は隠すものだ。あの記録映画『ゆきゆきて神軍』で暴かれたように、苦労話ばかりしているのは、自分にとって恥ずかしい事実を隠しているからだ。そして苦労話の自慢は戦争の悲劇の本質を隠し、克服したということで戦争の責任を免罪にし、権力におべっかを使っているだけだ。
 あの戦争で日本と同盟関係だったドイツでは、ナチスと戦争に抵抗するため、勤労動員された女性が不発弾を作るサボタージュを命がけで行っていた。これは、実話に基づく映画『白バラは死なず』にも描かれている。弾圧で殺された女子学生は、生きていたら加藤老婆と同じくらいの年齢だろう。
 また、今回の震災が大変なのは「ときどき揺れているだけ」でないことは、言うまでもない。加藤老婆の言うとおりだったら、誰も苦労していない。被災者やその家族に失礼である。
 それに、外国メディアについて不正確さがあったとしても、騒がれない日本がのほうがよほど異常である。外国メディアについて是正を申し入れるにしても、日本国内では権力の弾圧のため正確な報道ができないのが実情であるから、正しい情報発信ができるわけがない。
 つまり加藤老婆は、貝になることを奨め、卑屈な奴隷根性を持つよう異常な要求をしているのだ。
 ただ、もともと老人は、達観したような気になって心ないことを言いまくるものだ。例えば、通夜の席で「泣いてもしょうがない。人間は必ず死ぬものだ」と言う老人。それは正しいが、悲しむ遺族や友人らの前で言うことではない。また、食事の席で「美味しいよ。腹が減っていれば何だって美味しい」と言う老人。その通りだが、贅沢を戒める言葉であって、楽しい食事の席や、ご馳走してくれた人に、言ってはいけない。
 これと同じで、老人特有の苦労錯覚および達観錯覚が、加藤老婆の発言の根底にはある。こういう老人は、ハイハイと相づちを打っていると上機嫌だが、少しでも突っ込みを入れると急変し、老人特有のブチキレ方をするものだ。そういう老人が近くにいたら、試してみると面白い。笑ってあげよう。

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by ruhiginoue | 2011-06-07 01:12 | 雑感