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by ruhiginoue

ドナルド=キーン先生について

 外人の中で日本文学研究の第一人者といわれるドナルド=キーン氏は、今年、コロンビア大学名誉教授を退任してから日本国籍を取得し、日本への永住を決めた。
 彼は、住井すゑの代表作『橋のない川』を読んで、ぜひ海外に紹介したいから翻訳させてほしいと申し入れたが、断られたそうだ。
 『橋のない川』は、日本の近代史を壮大に描きながら、その陰にある差別問題を正面から見据えた社会派の文学で、翻訳されたらノーベル文学賞確実とまで絶賛されていた。
 ところが、住井氏はキーン氏に対して言ったそうだ。
 「『雪国』なんかを文学だと思っている人に、私の作品が解るわけがない」
 彼女らしい辛辣な言葉だが、実際、あそこまで褒めそやされるのは訳が解らないと言う人はたくさんいるはずだ。
 そんなキーン氏が、日本を終の棲家とし、日本人になろうとした思いについて語るところによると、東日本大震災の悲劇的があっても、そこで日本人が美徳を見せている、と。
 農業でも補助金なしにはやっていけない土地に、さらなる補助金で顔をひっぱたき、大都市部で浪費される電力のため原発を建設し、地元の真の利益にならないと反対した知事が冤罪濃厚の汚職で失脚させられ、マスコミにも金で提灯記事を書かせて批判を封じ、外国ではそのまま何度も放送された原発爆発の場面を少しだけしかも音を消して放送した日本のテレビ、危ないところへは近寄らなかった米軍の「トモダチ作戦」の真実も隠し、子どもの命の安全を無視して汚染に合わせて基準を甘くしてしまい、そんな緊急事態を政争の具にして不信任の茶番劇、というように、挙げていたらきりがないのだが、そうして貝にされた国民の姿を美徳と言う。
 それなら、ノーベル文学賞の受賞講演で、川端康成が「美しい日本の私」、大江健三郎が「あいまいな日本の私」、と演目にしたけれど、ドナルド=キーン氏は「現実はどうであれ美しいと感じる、あいまいな日本の私」というところだろう。

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by ruhiginoue | 2011-06-08 20:44 | 文学