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by ruhiginoue

ドル支配体制をカダフィが打倒しかけ焦る欧米

 それぞれの思惑の違いはあっても、欧米がリビアのカダフィ政権を潰そうと強行なのは、カダフィ大佐がドル支配体制を揺るがしたためだという指摘を、過日紹介した。
 このドル支配について、おさらいしてみたい。
 ドルは、第二次世界大戦の勝者であるアメリカが作り上げた国際的な通貨貿易の管理機関であるIMF、世界銀行、GATTなどと一体のものである。そして、1971年のいわゆるニクソン・ショックによって、ドルがアメリカの保有する金による裏付けを失ったにもかかわらず、世界貿易のドル支配体制は変わらなかった。
 世界貿易の準備通貨・決済通貨として使われているのは圧倒的に米ドルであり、石油をはじめとした重要な資源はドルでしか買えない。
 そのため、潤沢なドル準備をもつ国だけが、あらゆる国と自由に交易し、多角的な決済を行える。だから、対米貿易黒字によりドルを稼いでいる国は、貿易の自由をもち、それによる経済成長がある。この筆頭が日本だ。
 ここからのけ者となった国では、麻薬や偽札あるいは買春や人身売買といった犯罪が横行する。これについては南米や中央アフリカや北朝鮮やモルドバなどの国々が、色々と批判や陰口を言われている。だが、これもドルを獲るためで、アメリカが原因を作ったのだ。
 そして、米企業の衰退、アメリカの債務国化、変動相場制の下での通貨投機にもかかわらず、世界貿易は相変わらずドル本位で動いている。それによりアメリカは、世界で唯一、自国で印刷機を回すだけで、国際通貨を幾らでも作れる特権をもっている。
 この特権によりかかってきたアメリカだが、もはやかつてのようなエネルギー大国でも先進技術国でもなくなっていて、何かを売るのでもなく、ただ国際通貨と化したドルを垂れ流すだけになってしまった。だから衰退している。しかし、衰退するほど特権に固執し、自国のわがままを世界に押しつけるのがアメリカである。
 そうなってしまうことを見越して、かつてケインズなどが国際通貨を提唱してきた。だが、アメリカはドルの覇権を維持する方針をとり、ブレトン・ウッズの協議でドルと金を結び付けたIMF平価体制が成立した。また、他の専門家からも国際通貨の導入が提案されたが、学者の理想論として一蹴されたのだった。
 ところが、ここへきて産油国リビアの最高指導者カダフィ大佐が、石油の決済にも利用する国際通貨であるディナ金貨の導入を提案したのだった。
 かつては軍事衝突も辞さない強硬派であったが、それを改め経済重視の姿勢をとり、アルカイダなど過激派を批判し、盟友だったフセイン・イラク大統領を批判し、欧米との強調路線をとって歓迎されていたのだが、その一方では、統一金貨の導入によりドル支配体制からの移行を図ったのだ。ユーロにも対抗できる。
 これに、特にアフリカ諸国は大いに関心を示していた。飢えや内戦に苦しむ中央アフリカ諸国は、天然資源が出ない。日本のように自動車や電気製品を作って輸出することもできない。だからドルが獲得できない。しかしドル支配体制が崩れれば、貧困から脱出できるし、平和も民主化も促進される。
 ところが、現行の経済体制が崩壊するきっかけを、アフリカのイスラム圏から発祥させられることに、欧米は危機感を抱いた。だから亡命者たちを中心にした反乱を扇動し、軍事介入をして、カダフィ政権を崩壊させようというわけだ。民主化のためというのは口実にすぎず、むしろカダフィによって民主化が促進されることを欧米は恐れているのだろう。経済的な支配を打破せず民主化など幻影なのだから。

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by ruhiginoue | 2011-06-09 09:58 | 経済 | Trackback | Comments(0)