強制通用力
2011年 06月 10日
先日アメリカ・ユタ州で、25ドルの支払いを1セント硬貨2500枚で払おうとした男がいて、合計で重さ約6.2キロにもなる硬貨を出し、これらがカウンターや床に散らばってしまい、警察に通報され迷惑行為により罰金140ドルの支払いとなった。
このようなことをすると、日本では自販機荒らしではないかと疑われるが、そうでなくても、たまたま大量の小銭をもっていて、使おうとする人がいるものだ。
これは90年代の初めに目立ち、消費税の強行に抗議するため、妨害のためみんなで一円硬貨をため込もうという運動もどきがあり、しかし小銭なんて簡単に増産されてしまうから、あっけなく失敗に終わり、それで空き瓶などに詰めた一円を、一度に使おうとする人が出たのだった。
自分のバイト経験で、売店のレジ係をしていた時、たまに大量小銭支払いをしたがる人がいたものだ。釣り銭が無くなってきた時かつ暇な時は歓迎だったが、他の客が行列しているのを待たせて何百枚も数えるのは迷惑なので断った。
そのさい「補助貨幣の強制通用力は20倍までです」と言うのだが、意味を知らない人が多い。硬貨は紙幣の補助をするためにあるのが原則で、同じ硬貨で一度に出来る支払いは20枚まで。任意で受け取ることはできるが、拒否もできる。逆に紙幣は、小銭数枚分の金額を1万円札で支払いをしようとすると、釣り銭が無いなどと嫌がられるが、それで売るのを拒否するならともかく、売買取引が成立しているなら、紙幣は受け取りを拒否できない。そう法律で決まっている。
これを「強制通用力」というが、硬貨だと一種類あたり20倍までと制限がある。だから金額の異なる硬貨を組み合わせて、一種あたりが20倍以内であれば、硬貨だけの支払いにも強制通用力がある。
これというのも、貨幣の価値は国家権力が決めていて、それを通用させることには国家の威信が懸かっているからだ。金貨や銀貨など本位貨幣と呼ばれるものは、その材質自体に価値があるけれど、数字を印刷した紙切れだと、その価値を保証しなければならない。
その保証が信用されなくなったら、国家の威信が失墜である。それで偽札作りは重罪なのだ。前に自衛官の男性が行きずりの女性に金を払うからと誘い、パソコンでコピーしたニセ1万円札を、ラブホテルの薄暗い中で渡し、してやったりのつもりだったが逮捕されてしまった。たかが買春の揉め事など警察は取り合わないが、貨幣の偽造及び行使は国家の威信に関わる重大事であるから全力で捜査したのだった。
そんな紙幣の価値を守るのも自衛隊の仕事であるのに、それを理解していなかった自衛官がいたということだ。もともと、貨幣の価値を保証するのは金と交換できることだったから、ゴールドフィンガーが英国金庫の金塊を放射能汚染させて自分の持つ金の価値を釣り上げようとするのを、007ら諜報部と警察と軍が総動員して阻止した。
そして「ニクソンショック」というやつで金と交換せずドルの価値を維持するとしたアメリカは、大国としての力を行使する。その力が衰えて、アメリカ商品が売れないのにドルが出て行くばかりとなってしまい、あとは軍事力である。
かつてドル圏外にあった社会主義諸国は、ソ連から金も石油も出ることで保証されていたが、それが信用できなくなって反抗すると、ソ連は戦車部隊を送り込んで問答無用で従わせた。
これと同様に、アメリカは、フセイン大統領が石油の決済をドルからユーロに変更したら、イラクに巡航ミサイルをお見舞いした。そして今、リビアのカダフィ大佐が、金が豊富なアフリカ諸国は共通の金貨で石油の決済をし、ドルとユーロに対抗しようと呼びかけたら、やはり巡航ミサイルである。一発一億円以上する巡航ミサイルを何百発も撃つ価値があるということだ。
つまり、ただの紙切れに最大の価値を持たせてしまったのだから、これを維持するために、買春の捜査から戦争まで、そこまでやるかということをやるのだ。
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このようなことをすると、日本では自販機荒らしではないかと疑われるが、そうでなくても、たまたま大量の小銭をもっていて、使おうとする人がいるものだ。
これは90年代の初めに目立ち、消費税の強行に抗議するため、妨害のためみんなで一円硬貨をため込もうという運動もどきがあり、しかし小銭なんて簡単に増産されてしまうから、あっけなく失敗に終わり、それで空き瓶などに詰めた一円を、一度に使おうとする人が出たのだった。
自分のバイト経験で、売店のレジ係をしていた時、たまに大量小銭支払いをしたがる人がいたものだ。釣り銭が無くなってきた時かつ暇な時は歓迎だったが、他の客が行列しているのを待たせて何百枚も数えるのは迷惑なので断った。
そのさい「補助貨幣の強制通用力は20倍までです」と言うのだが、意味を知らない人が多い。硬貨は紙幣の補助をするためにあるのが原則で、同じ硬貨で一度に出来る支払いは20枚まで。任意で受け取ることはできるが、拒否もできる。逆に紙幣は、小銭数枚分の金額を1万円札で支払いをしようとすると、釣り銭が無いなどと嫌がられるが、それで売るのを拒否するならともかく、売買取引が成立しているなら、紙幣は受け取りを拒否できない。そう法律で決まっている。
これを「強制通用力」というが、硬貨だと一種類あたり20倍までと制限がある。だから金額の異なる硬貨を組み合わせて、一種あたりが20倍以内であれば、硬貨だけの支払いにも強制通用力がある。
これというのも、貨幣の価値は国家権力が決めていて、それを通用させることには国家の威信が懸かっているからだ。金貨や銀貨など本位貨幣と呼ばれるものは、その材質自体に価値があるけれど、数字を印刷した紙切れだと、その価値を保証しなければならない。
その保証が信用されなくなったら、国家の威信が失墜である。それで偽札作りは重罪なのだ。前に自衛官の男性が行きずりの女性に金を払うからと誘い、パソコンでコピーしたニセ1万円札を、ラブホテルの薄暗い中で渡し、してやったりのつもりだったが逮捕されてしまった。たかが買春の揉め事など警察は取り合わないが、貨幣の偽造及び行使は国家の威信に関わる重大事であるから全力で捜査したのだった。
そんな紙幣の価値を守るのも自衛隊の仕事であるのに、それを理解していなかった自衛官がいたということだ。もともと、貨幣の価値を保証するのは金と交換できることだったから、ゴールドフィンガーが英国金庫の金塊を放射能汚染させて自分の持つ金の価値を釣り上げようとするのを、007ら諜報部と警察と軍が総動員して阻止した。
そして「ニクソンショック」というやつで金と交換せずドルの価値を維持するとしたアメリカは、大国としての力を行使する。その力が衰えて、アメリカ商品が売れないのにドルが出て行くばかりとなってしまい、あとは軍事力である。
かつてドル圏外にあった社会主義諸国は、ソ連から金も石油も出ることで保証されていたが、それが信用できなくなって反抗すると、ソ連は戦車部隊を送り込んで問答無用で従わせた。
これと同様に、アメリカは、フセイン大統領が石油の決済をドルからユーロに変更したら、イラクに巡航ミサイルをお見舞いした。そして今、リビアのカダフィ大佐が、金が豊富なアフリカ諸国は共通の金貨で石油の決済をし、ドルとユーロに対抗しようと呼びかけたら、やはり巡航ミサイルである。一発一億円以上する巡航ミサイルを何百発も撃つ価値があるということだ。
つまり、ただの紙切れに最大の価値を持たせてしまったのだから、これを維持するために、買春の捜査から戦争まで、そこまでやるかということをやるのだ。
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by ruhiginoue
| 2011-06-10 15:42
| 経済





