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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

カダフィの理想主義と金正日の現実主義

 諸外国の報道サイトを見まわり、これが現実かと感じる。
 リビアでカダフィが殺害されたと報じられる一方で、北朝鮮の金正日がロシアや中国と経済協力で親密そうにしている。本物かどうかわからないがカダフィの血まみれの遺体の写真と、にこやかに会談する金正日の写真とは、対照的だ。
 カダフィは、中東とかアラブは宗教対立や党派対立ばかりなのでうんざりしていたうえ、その中で様々な政治経済の提案をしていたが、浮いた存在になっていた。彼はもともと、新イスラム暦など新説を提唱したりして、周辺諸国からウザイと思われてもいた。
 それで外交をアフリカへとシフトさせ、EUに対抗してAU創設とか通信衛星打ち上げ支援とか、画期的な改革を実行する中心となり、これが成功すれば飢えと内戦ばかりのアフリカは救われ、カダフィにノーベル平和賞という声も出ただろう。
 しかし、アフリカから収奪してきた欧米と利害が対立することになる。だからカダフィは絶対に殺されると予想し、アフリカ人とアフリカ系アメリカ人たちは、黒人でありながらと言ってオバマ大統領に怒っていた。
 しかしカダフィ自身も詰めが甘かった。リビアは産油国で外貨がある強みにより、指導力が発揮できたのは良かったが、アフリカ諸国相手では求心力は得られても後ろ盾にならない。
 実際、アフリカ諸国は精一杯の支援はしたが圧力に屈してしまい、あとはせめて彼の家族を匿うだけ。
 一方、北朝鮮は東アジアでもどこでも、良い事なんてちっともしてないし、貧乏でコケにされている。けど、金正日は経済その他で交渉しながら、ロシアと中国をしっかり後ろ盾にしている。
 この両国は大国であるし、なにより国連の常任理事国で拒否権を持っている。だから、他で悪評をたてられようと、両国とはよろしくやるのだ。
 しかしカダフィは国連での演説で、国連憲章の冊子を読み上げたうえ、加盟国はすべて平等と書かれているのに、なぜ常任理事国があって拒否権発動できるのかと舌鋒鋭く批判したうえ、持っていた冊子を「何だこんなモノ」と言うように投げ捨ててみせるという、お得意のパフォーマンスを披露したことは記憶に新しい。
 これは実にもっともで、多大な共感を得られるが、しかし現実は常任理事国があって拒否権を持っている。
 だからロシアと中国は、リビアのことがあったのでもう騙されないとシリアについては拒否権を行使したし、アメリカも、パレスチナが加盟申請するなら拒否権を発動すると、申請もされていない段階で言う横暴である。
 つまり、物事の是非より力関係なのが現実のようだ。これは国から個人のレベルまで共通している。そんな中で、兼ね合いとか乗り切りをどうするかが、大きな課題である。

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国際総合 - エキサイトニュース
by ruhiginoue | 2011-10-22 18:04 | 国際