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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

脚本家・石堂淑朗の死

 豊田有恒のついでに、一月前に死去した脚本家の石堂淑朗について。
 映画「日本の夜と霧」など大島渚監督の作品で知られる脚本家の石堂淑朗が膵臓がんで11月1日に79歳で死去したそうだ。
 大島と決別宣言したあと、テレビの脚本を中心に書いていおり、やはり大島の下にいた脚本家の佐々木守と同様、円谷プロの作品を多く手がけた。
 大島といっしょに左翼の立場から社会批判を作品にこめていたけれど、大島とは決別宣言をし、次第に脚本を書かなくなり、右翼ぶった陳腐な売文家に成り下がった。
 そして晩年は世をすねたような顔と精神異常の目つきをし、右派雑誌御用達の反人権派コメンテーターみたいになっていた。
  石堂の脚本をテレビで使っていた山際永三監督によると、才能が枯渇してしまったのか脚本を書かなくなって、その辺りから酒飲んだ勢いでの発言をはじめたのだった。
 たしかに、80年代頃迄は割と普通にいろいろ書いていて、例えば大ヒットした「南極物語」などがあった。これは今ちょうど大金かけて最初は良かったがその後は視聴率急落というテレビドラマと同じ元ネタである。これについては主役キムタクの役作りなどに難癖がつけられているが、本当の難は、スターを揃えてるなど話題づくりには成功したが、話の展開が下手だから失速したということである。これに比べると、かつての映画はしっかりしていて、それは脚本がちゃんとしていたからだ。
 そうした活躍をしなくなったら、エッセイもどきを書き始める。構成感の強固な物語を築き上げることは大変で、たくさん頭を使うし、それを支える体力も要る。司馬遼太郎など、小説を書かなくなって随筆ばかりと言われる作家は他にもいる。
 結局、石堂のウヨ発言は「ネタ」であったから、本気で取り合って共感したり批判したりするようなものではなかった。哀れな晩年ということだろう。

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by ruhiginoue | 2011-12-02 23:09 | 映画