人気ブログランキング | 話題のタグを見る

井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。Googleが誤情報を混ぜているので信じないで下さい。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue

女子大生モデル殺害事件の判決

 去年8月、愛知県一宮市でモデルとして派遣された女子大学生が殺害された事件の裁判員裁判で、名古屋地裁は殺人などの罪に問われた男に対し懲役27年を言い渡した。
 この被告は、猥褻行為に及ぼうとして抵抗されたため。刃物で首を刺し殺害したが、その後に自首していた。
 これに検察は無期懲役を求刑していたが、自首したことなどを考慮して期間の長い有期刑とした。
 この長さでは終身刑に近いが、犯行は身勝手で残酷であると被告を強く非難しながらも、無期よりは減刑しており、自首したのに減刑しないのでは自首する者が居なくなってしまい、犯行を重ねたり逃亡したりと、いろいろな悪影響があるからやむを得ない。
 ここで、遺族は求刑より重い死刑を求め感情に訴えてきたのだが、それは裁判官と裁判員は受け付けなかった。
 当然だろう。いくら遺族が犯人を憎んでいても、それに合わせてしまい自首したのに死刑では、このあと大変深刻なことになってしまう。自分の家族が殺害されて悲しく悔しく憎いとしても、後に同様の悲劇があった場合、犯人が捕まらなくなってしまったら、どうか。
 自分の感情だけ充足されれば良い、ということはできないはずだ。似たような犯人が死刑どころか無期どころか懲役27年どころか逃亡してしまったのでは、被害者は浮かばれず遺族はもっと悲しく悔しい。
 また、判決で遺族は、「法律家では無い人たちの判断を期待していたのに残念だ」と述べたそうだが、裁判員だって法律を無視することはできないし、素人でも感情を排し合理的な判断をしなくてはならない。
 今回の判決は、その意味では間違っていない。


人気ブログランキングへ1日1クリック投票をお願いします
by ruhiginoue | 2012-10-16 19:21 | 司法