定住しない罪
2012年 11月 16日
今年9月、奈良県警察がホームページ上で「働く能力がありながら収入もないのに仕事もせず一定の住居を持たないでうろついていた男を、軽犯罪法違反で現行犯逮捕」したと発表した。
この逮捕について、広瀬めぐみ弁護士が自らのサイトで解説しているが、それによると『働く能力がありながら職業につく意思を持たないもの』とは、病気や身体障害等の理由で働くことが出来ない人や、就職しようとしても職が得られないであろう人のことではなく、その気になれば就職できるのに、怠惰でふらふらしている人が該当する可能性があり、また、一定の住居を持たずにうろついている、という浮浪の部分に、むしろ重みがあると思われ、つまり浮浪行為がそれ自体反社会性を有し、犯罪行為と結びつきやすいから取り締まる、ということが法の条項の趣旨だとのこと。
その後、報道によると、逮捕された男性は不起訴となり釈放された。前出の広瀬弁護士によると、戦前には濫用された条項だったが、現代では職に就かずにうろついている場合に職務質問されることはあったとしても、逮捕までされるというのはやや珍しい事例らしい。
弁護士に解説させると上記のようになるが、歴史学とか文明論とか社会学などの視点からすると、少々異なる解説になる。
これは治安の維持より、近代化のための定住の強制が本音だった。だから戦前は取り締まりに熱心だったのだ。近代化するためには学校とか職場を組織するために国民に定住してもらう必要があった。これは世界各地で行われた。
それでドイツでは、定住せずにぶらぶらしているのは許さないと言ってナチがユダヤ人とジプシーを殺しまくった。
アメリカは「放浪罪」が制定され、ハリウッド映画では、チャップリンが警官に追いかけまわされてばかりいたし、ベトナム戦争から帰国して行き場が無く彷徨っていた特殊部隊の兵士ランボーは、浮浪者扱いした保安官に激怒して反撃。
旧ソ連では「国内旅券制度」で移動制限をしていた。
もともと、人間は定住せずに「ノマド」と言われるように移動しながら生活するのが普通だった。環境を作り変えるなどの強引な生活をせずに、変化する環境に合わせて移動しながら自然に生活をするものだった。
これを今さら後戻りは難しいが、ちょうど震災と原発事故などがあって近代文明の行き詰まりを感じている時なのだから、原点を振り返ってみることも必要ではないだろうか。

この逮捕について、広瀬めぐみ弁護士が自らのサイトで解説しているが、それによると『働く能力がありながら職業につく意思を持たないもの』とは、病気や身体障害等の理由で働くことが出来ない人や、就職しようとしても職が得られないであろう人のことではなく、その気になれば就職できるのに、怠惰でふらふらしている人が該当する可能性があり、また、一定の住居を持たずにうろついている、という浮浪の部分に、むしろ重みがあると思われ、つまり浮浪行為がそれ自体反社会性を有し、犯罪行為と結びつきやすいから取り締まる、ということが法の条項の趣旨だとのこと。
その後、報道によると、逮捕された男性は不起訴となり釈放された。前出の広瀬弁護士によると、戦前には濫用された条項だったが、現代では職に就かずにうろついている場合に職務質問されることはあったとしても、逮捕までされるというのはやや珍しい事例らしい。
弁護士に解説させると上記のようになるが、歴史学とか文明論とか社会学などの視点からすると、少々異なる解説になる。
これは治安の維持より、近代化のための定住の強制が本音だった。だから戦前は取り締まりに熱心だったのだ。近代化するためには学校とか職場を組織するために国民に定住してもらう必要があった。これは世界各地で行われた。
それでドイツでは、定住せずにぶらぶらしているのは許さないと言ってナチがユダヤ人とジプシーを殺しまくった。
アメリカは「放浪罪」が制定され、ハリウッド映画では、チャップリンが警官に追いかけまわされてばかりいたし、ベトナム戦争から帰国して行き場が無く彷徨っていた特殊部隊の兵士ランボーは、浮浪者扱いした保安官に激怒して反撃。
旧ソ連では「国内旅券制度」で移動制限をしていた。
もともと、人間は定住せずに「ノマド」と言われるように移動しながら生活するのが普通だった。環境を作り変えるなどの強引な生活をせずに、変化する環境に合わせて移動しながら自然に生活をするものだった。
これを今さら後戻りは難しいが、ちょうど震災と原発事故などがあって近代文明の行き詰まりを感じている時なのだから、原点を振り返ってみることも必要ではないだろうか。

by ruhiginoue
| 2012-11-16 12:11
| 司法





