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by ruhiginoue

煙草の依存症よりもむしろムカつくこと

 知り合いの元市議会議員が、以前、駅前の環境の問題に超党派で取り組んでいる時、喫煙所の設置にからんで一部の喫煙者から制限されてしまうという不満がでて、「嫌煙権があるなら喫煙権もある」と言われたので、「煙草を吸うことが権利とは思えない」と一蹴したそうだ。
 たしかに、煙草を吸うのは自由だとか勝手だとか言うのは、せいぜい、臭いと火と吸殻で他人に迷惑をかけずに、自分の健康にも注意し、あとは自己責任という程度のことなのに、それを権利とまで言うのは図々しい。
 そもそも問題は迷惑行為がひどすぎるということであり、だから公共の場に限っては全面禁煙としたいところだが、どうしても我慢できない人たちに配慮して喫煙所を作ったのだから、それに不満を言うのは、気にせず迷惑行為をしたいというも同然で、そんなことで権利というのは、とんでもないことだろう。
 かつて、團伊玖磨という作曲家がいて、日本語オペラ『夕鶴』 や童謡『ぞうさん』や「ラジオ体操第二」のほかに『パイプのけむり』というエッセイを長きに渡り書いていたけれど、それで自分が煙草好きだからと、マナーや健康の問題で喫煙が槍玉に挙がったら「禁煙ファシズム」と、ふざけたことを言った。
 これに対して、「團さんは愛煙家だからマナーを守っているのだろうが、そうではない多くの喫煙者の非常識な行為ではなく、それを指摘することのほうを責めるのは本末転倒であるし、それでは本当に愛煙家なのか疑問だ」と反論があった。
 実際に、酒が好きな人は、酔っ払って迷惑行為をする人に対し「酒の飲み方を知らない」「酒に失礼だ」と言うけど、こういうことを煙草が好きな人はほとんど言わない。
 また、團伊玖磨は音楽家なので社会的な分野には疎いのだろうが、そうではなく、社会派とか政治的な話が好きな人でも、わかっていない人が少なくない。やはり自分が愛煙家とか依存症であるため過剰反応し、煙草が自由に吸えないのは権利侵害でありファシズムだという。男性向けのマッチョ願望な雑誌で、よくみかける言説だ。
 いうまでもなく、ファシズムとは、権力が自由と権利を奪うものだ。自由と権利は、本来自然なものであるはずなのに、闘って勝ち取らないといけないもので、そのため血を流すこともある尊いものだ。それを、たかが煙草を勝手気ままに吸いたいというだけの我儘に利用しないでもらいたい。
 それが不愉快である。自分は煙草を好きではないが、マナーを守って吸う人に文句を言ったことは一度もなく、この先も言うつもりはない。しかし、いきがっている未成年者ですら違法行為だが簡単にできることと、命がけの闘争で勝ち取る自由や権利とが、区別できないそのバカさ加減にムカついてしまうのだ。

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by ruhiginoue | 2013-12-13 16:41 | 雑感