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by ruhiginoue

ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ 

 岡本太郎は奇抜な作品とともに、寸鉄人を刺す言葉や含蓄のある言葉の数々を残したことでも知られているが、そのなかに、こんな言葉がある。

 ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。

 この言葉について色々と語ることができるけれど、ちょっと単純すぎるくらいぴったりな例があるので、それについて述べたい。

 酒の御供として美味しい生ハムは、本物であればチーズのような風味がある。しかし、これをきちんと作るには手間隙と材料がかかるので、なかなか食べられない。たまに置いてある店があると、やはり値段もそれなりである。
 しかし、まがい物を食べることは簡単だ。置いてある店は多いし、スーパーにハムやベーコンやソーセージなどと一緒に袋詰めが並んでもいる。もちろん、本物のような風味は全然無い。
 それで良いと言う人がいる。簡単に安く幾らでも食べられるから。風味なんてどうでも良い。そんなことには拘らない。そして、こうも言う。
 「俺は味覚オンチで幸せだ。何を食っても美味いと思うんだ」「味覚オンチに生まれて親に感謝している」
 そして彼は、肉と酒の過剰により、いつも身体の具合が悪い。

 しかし、彼の幸せは変わらない。かつて学校の教師が暴言を吐いたことで昔は不愉快だったが、今では感謝しているそうだ。その暴言とは要するに「どうせ叶いもしない夢なんか追うな。どうせお前たちはバカなんだ」という趣旨だった。「これを言われた当時は気分が悪かったけど、そのご指導のおかげさまで、こうして可も無く不可もなく平凡で幸せな人生を送っているのだから」なのだそうだ。
 ただ、この経済情勢のため彼は生活苦で困っているのだが、それを酒で紛らわしている。安いもので充分である。幸せなことに味覚オンチだから、もともと質より量で満足なのだ。

 さらに彼は、「俺は頭が悪くて本当に幸せだ」と言う。
 「原発がなんたらと言う人がいるけど、可哀想だな。俺はどうでもいいんだ。何ベクレルとか言われてもサッパリわからないから、心配しないで何でも食べられるんだ」
 「秘密法反対とか言ってわざわざ国会に押しかける人たちは可哀想だな。俺には関係ないよ。もともと自分の意見なんてなーんにもないから、知る権利なんて要らないし、言論の自由が無くても全然困らないんだ」

 彼はほんとうに、とても幸せそうだった。
 他人の幸せを壊してはいけない。ただし、その幸せによって、こちらの幸せが壊されてもいけない。それが課題だ。まずは出来ることから実践するもので、こういう人とは一緒に飲食しないことだ。

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by ruhiginoue | 2014-01-09 18:54 | 雑感