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by ruhiginoue

出版業界が全体的に豊田有恒と化している

 先日死去した俳優の宇津井健が主演した人気テレビドラマ『ザ・ガードマン』 は、警備保障会社セコムがモデルだが、内容はまるで刑事ドラマで、警備会社というより私設警察という趣だった。
 それで主題歌も、山内正が作曲したテーマ曲に歌詞を乗せて「驕るなよ、悪の影、息の根は止めてやる」と始まる。あと、「眠らない男たち」というくだりもあり、小さいころに親が持っていたレコードを聴いて、ガードマンは寝なくても生きていられるのかと思ってしまったのだった。

 この作詞をしたのは脚本家の藤川圭介で、テレビで様々な番組に参加しているが、その一つに『宇宙戦艦ヤマト』があった。彼は、今は亡き西崎プロデューサーにたまりかねて降板したと著書で述べており、その代わりに映画版の監督をした舛田利雄が戦争映画で組んだ笠原和夫を連れてきたらしく、おかげで『完結編』は構成とセリフが見事だった。

 もう一人、最初から参加していたのがSF作家の豊田有恒だった。『鉄腕アトム』の脚本を書いていたが手塚治虫を怒らせ虫プロを追放され、『ヤマト』に原案として加わっていた。
 その後、豊田は小説家となるがあまり売れなかった。そして、一家揃ってコーンフレークのテレビ宣伝に出演したところ、「小説が売れなくて貧乏になり、あんなものしか食べられなくなったらしい」と笑われていた。
 この当時から、豊田有恒は小説ではなく評論もどきを書き始め、その二大主張とは原発賛成と韓国批判であった。放射性廃棄物はロットで宇宙へ捨てればいいと言って、もしもあのスペースシャトル事故のように空中で爆発したら大惨事になるが、そんなこともSF作家なのに想像できないのかと批判され笑われ、韓国の悪口にしても、自宅でキムチ鍋などを良く食べる親韓派の自分があえて批判するなどと言ったので、よく犬の肉を食べているとでも言うならともかく、その程度の料理で何を言っているのか、朝食はコーンフレークで夜はキムチ鍋かよと、またまた笑われていた。

 こうなってしまうのも、売れないからだ。そして、今では週刊誌など出版界が全体的に豊田有恒化しているけれど、それだけ業界全体が不景気だということだ。売れなくて、経営が苦しくて、だから、悪口なら取材コストが少ない、外国なら訴訟リスクが少ない、それで嫌だけど仕方なくやっていると、当事者たちが言っている。
 だから差別を煽るとはケシカランと言っている人たちは、同時に不景気な業界に同情と哀悼の念を。

 それで、サイドビジネスをしている人たちがいて、複数の知り合いに、昼は原稿を書いて夜は警備員となっている「眠らない男たち」が複数いるし、また医療問題とか司法問題など社会派ネタは儲からないので『ヤマト』などアニメのネタで売るなどする人がいたりするわけだ。




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by ruhiginoue | 2014-03-17 21:27 | 社会