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by ruhiginoue

冤罪がなくならないのは司法制度が悪いだけでなく人権擁護運動が間違っているから

 袴田事件で大きな進展があったが、どうして未だにこのような事件が解決しないで、さらに事件が起きるのかも考えなければならない。
 よく言われるのは司法制度の問題だ。これについては、すでに色々な方面から指摘がされているから、それらと重複しないよう別の視点から、かつてここでも、いくつかの問題を話してきた。例えば「袴田事件とヒラメ判事と法学部」【参照】など。

 この一方で、カウンターとなる人権擁護運動がまるでなってないから、権力犯罪はやりたい放題できるという実態についても、色々と述べてきた。例えば極左の過激派だった老人たちが、運動していると言いながら実は運動の妨害をしているということについて、「赤軍派の元活動家が作った人権擁護団体『国賠ネットワーク』内の異常すぎる感覚」【参照】など。

 このほかに、とても醜く悲しい現実がある。
 山田風太朗の小説に、理不尽な裁判で刑務所に入れられた男が、出所後に、自分と同じ破目に遭う人たちを見て喜ぶようになってしまい、悲惨な体験をしたために人間性が荒廃してしまったのだ、という話があった。
 これは実際に、そんな人たちが人権擁護運動の中には大勢いる。これでは、まともに運動などできないどころか、逆になってしまう。先に挙げた老人についても、批判したことに対して、極左の体質というだけでなく、そうした人間性の崩壊があるのではないかという指摘を受けたことがある。

 また、冤罪の被害者だけでなく、重度の身体障害者が他人の不幸を嘲笑しに来る。例えば、今でも思い出すとその醜い態度には嫌悪感だけれど、そんなことをするしかない気の毒さも感じた男がいた。生まれつきの脳の障害で全身の動きから言語まで不自由で、懸命に身体を動かして、また、懸命に言葉を話し、付け回したり、搾り出すようにして侮辱の言葉を発したり、そうしながら、権力犯罪の被害のため人生が狂ってしまった者に向けて、顔の表情を歪めながら嫌らしく笑って見せていた。
 この男は、例の南極に持って行く人形などを身障者割引で買っていたりするという話を、なにかのはずみで口を滑らしたことがあるけれど、それはしょうがない。しかし、囚われの身になり婚約者と別れ、自由の身になった時にはもう歳をとっていた、という人をあざ笑う自慰をしていたから、同情できなくなった。そんなことのために、人権擁護運動の集会に来るべきではない。

 しかし、本当に問題なのは、そうしたふざけた連中にとって居た堪れなくなる雰囲気に、どの運動もなっていないことだ。そして、市民の中に真に対抗する勢力が強く大きな潮流として存在しないので、権力は安心して腐敗し、人権侵害のやりたい放題が続くのである。

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by ruhiginoue | 2014-03-28 22:52 | 司法