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by ruhiginoue

卒業式と入学式の国歌と校歌

 批評家で元予備校講師の鈴木邦男氏は、右翼民族派の活動家だったことで知られている。かつて代表をしていた団体が、猪瀬前知事の不正な献金を仲介したことについて、直接は関係ないのにあれこれ訊かれて嫌がってないかと親しい人に心配されていた。
 ところで、その鈴木邦男氏が言うには、たまたまミッション系の学校に入り、そこで賛美歌を強制された反発から、国粋主義や民族主義に興味をもち右翼になったそうで、反抗期に強制すれば当然なのだから、学校で君が代を強制している人たちは子供たちを左翼にしたいのかと批判していた。
 たしかに、そのくらいの年齢では、なんでもいいから反抗したいもので、それがないと成長していないのだから困ることになる。自分が高校生のときは、一部の教師たちが『君が代』に反対して騒いだので取りやめになってしまい、せっかく生徒たちが反抗して不起立しようと楽しみにしていたのに、それを潰されてしまった。
 それで、伝統的に行われてきた(一部の大学でやっているのを真似したらしい)卒業生入場でかかる『タンホイザー』の大行進曲に、ワーグナーなんてナチだから反対しようかと言っていた生徒たちがいたのだった。さすがに馬鹿らしいので実行しなかったが、それくらい、とにかく反抗したがる年頃なのだ。だから鈴木氏の言うことは単なる皮肉だけではないだろう。

 今は卒業式に入学式の季節だが、東京大学では『日の丸』『君が代』は無い。自らエスタブリッシュメントだから、媚びは不要なのだ。それ以外が服従を強いられる。ただし、私立大の日本大学とか枝分かれした國學院大學などは、自らすすんで在野からナショナリズムを煽っている。これは新撰組が農民ばかりだったというのと同じことだろう。
 ただ、自分の出た小学校もそうだったが、ほんとうに評判が良くないのはむしろ校歌ということがある。校歌斉唱と言われると、児童たちが憂鬱そうにため息をついた。コネがあって著名な作曲家に校歌を作ってもらったのだが、すると芸術的すぎて歌いにくく、だから子供たちに不評だったのだ。
 こうした校歌は、中田義直とか伊福部昭が作曲した校歌の中にある。もちろん、儀式用に作ったからであるかもしれないが、それにしても、聴くには良いし大人になって歌うには、少ししんどいがなんとかなる、というような歌でいいのか疑問を感じる。これが菊池俊輔や渡辺宙明や渡辺岳夫の作曲だったら、子供たちは喜んで歌うはずだが。


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by ruhiginoue | 2014-03-29 23:00 | 社会