『銀河鉄道999』と『新世紀エヴァンゲリオン』の世代間認識差
2014年 03月 31日
かつて松本零士が言っていたのを本で読んだのだが、漫画家として売れ始めたころ、原稿料が入ると勇んでビフテキを食べに行き「ウガー」みたいな声をあげながら喜んで貪り、金欠になるとラーメンになったそうだ。
そのヒット作のひとつ『銀河鉄道999』では、主人公が未来の世界で、化学合成ではない貴重な本物があったと喜んでラーメンとビフテキを食べている場面が何度か描かれる。それにしても、この二種類の料理なのは何故かというと、作者が思い出として語る70年代半ばくらいまでは、日常の美味いものの代表としてラーメンがあり、贅沢な食べ物の代表がビフテキだったからだ。
ところが90年代の後半にヒットした『新世紀エヴァンゲリオン』では、「ビフテキがごちそうだなんて、だからセカンドインパクト世代の人って嫌ね」というセリフが出てくる。
それだけの時代変化があったわけで、その代償として、牛肉の生産やハンバーガーの製造販売での環境破壊や不法移民労働者の酷使や低賃金労働が問題になって、アメリカ映画でも『ファーストフードネイションズ』という告発映画ができた。
この製作は『戦場のメリークリスマス』や『風が吹くとき』 も手がけたジェレミー・トーマスで、ブルース・ウイリスが出演していたから意外であった。アクションスターであるうえ、政治的には共和党支持の保守派である彼が、「911」がきっかけで制定された「愛国法」が大企業のために濫用されていることを批判した映画に出ているからだ。保守派も右派すらも懸念する右傾化という問題は、ちょうど日本でも同様である。
過日、世代間格差や、若者の非正規雇用、それらが影響している少子化、などの問題について、湯川れい子は「戦争で苦労した私たちに比べて、今の若い人はバイトすれば食べられるから甘い」という趣旨のツイートをして批判された。戦時の混乱で苦労するのと、平時なのに社会構造の歪みで苦労するのでは、そもそも問題の次元が異なるから、比較することではない。
つまり、年配の人たちは、社会の抱える問題をまるで理解できず、若い人たちの苦悩に冷淡であり、戦争を知る世代が、いかにお粗末かというわけだ。これを象徴する出来事であった。ビフテキがご馳走と思い、それを食べられるようになったから豊になったと信じ、その生産の背景にある問題が見えないのだろう。
そういう老人が多すぎる。
1日1クリック投票をお願いします
そのヒット作のひとつ『銀河鉄道999』では、主人公が未来の世界で、化学合成ではない貴重な本物があったと喜んでラーメンとビフテキを食べている場面が何度か描かれる。それにしても、この二種類の料理なのは何故かというと、作者が思い出として語る70年代半ばくらいまでは、日常の美味いものの代表としてラーメンがあり、贅沢な食べ物の代表がビフテキだったからだ。
ところが90年代の後半にヒットした『新世紀エヴァンゲリオン』では、「ビフテキがごちそうだなんて、だからセカンドインパクト世代の人って嫌ね」というセリフが出てくる。
それだけの時代変化があったわけで、その代償として、牛肉の生産やハンバーガーの製造販売での環境破壊や不法移民労働者の酷使や低賃金労働が問題になって、アメリカ映画でも『ファーストフードネイションズ』という告発映画ができた。
この製作は『戦場のメリークリスマス』や『風が吹くとき』 も手がけたジェレミー・トーマスで、ブルース・ウイリスが出演していたから意外であった。アクションスターであるうえ、政治的には共和党支持の保守派である彼が、「911」がきっかけで制定された「愛国法」が大企業のために濫用されていることを批判した映画に出ているからだ。保守派も右派すらも懸念する右傾化という問題は、ちょうど日本でも同様である。
過日、世代間格差や、若者の非正規雇用、それらが影響している少子化、などの問題について、湯川れい子は「戦争で苦労した私たちに比べて、今の若い人はバイトすれば食べられるから甘い」という趣旨のツイートをして批判された。戦時の混乱で苦労するのと、平時なのに社会構造の歪みで苦労するのでは、そもそも問題の次元が異なるから、比較することではない。
つまり、年配の人たちは、社会の抱える問題をまるで理解できず、若い人たちの苦悩に冷淡であり、戦争を知る世代が、いかにお粗末かというわけだ。これを象徴する出来事であった。ビフテキがご馳走と思い、それを食べられるようになったから豊になったと信じ、その生産の背景にある問題が見えないのだろう。
そういう老人が多すぎる。
1日1クリック投票をお願いします
by ruhiginoue
| 2014-03-31 19:58
| 社会