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by ruhiginoue

自衛隊の中で反乱が起きる映画

 ゴジラが外国で製作されると、どうもデザインが変だといわれるが、あとハリウッドで作られたら、出現した原因がフランスの核実験になっていて、外国が悪いことにしてしまうというから滑稽であった。
 しかし、日本でもしがらみは色々とあるらしい。今は昔のことだが、東宝がゴジラのストーリー一般公募をしたことがあり、若気の至りで応募して落選した。採用されたものを映画館でみたら変な話で、これでは自分が作った話のほうがまだ面白いじゃないかと思ったのだが、同じように思った人はたくさんいるはずだ。
 その作った話とは、近未来の日本が軍事政権下となっていて、これと戦うためにゴジラをけしかけるという筋で、眠っているゴジラを覚醒させるための小型原爆の密輸を前半のサスペンスに仕立て、後半の見せ場が当然ながら暴れるゴジラとなり、そこへ乗じた叛乱が同時進行する。後に、このプロットを映画の関係者に見てもらったら、「これは論外だ」と言われた。発想は面白いけれど、自衛隊が撮影に協力してくれないのでは駄目だそうだ。

 内容から自衛隊が撮影に協力してくれなかった映画には『皇帝のいない八月』や『野生の証明』があり、セットとエキストラと外国ロケで撮影されていたから、建設費や衣装や日当などが大きな負担となったはずだ。ただ『野生の証明』は、当時の円高により輸出が不況となっているのを逆手にとり、外国で撮影することでむしろ安上がりにしていて、時勢に敏感な「角川」という話題となっていた。
 どちらも自衛隊の中で反乱が起きるという話だから撮影協力が得られなかったのも当然で、すっと後の『亡国のイージス』は、原作では艦長が反乱を起すのに、それではイージス艦を撮影させてもらえなかったので、副長が反乱を起して艦長を殺害するというように変えたらしい。
 また、反乱ではなくても自衛隊が神経質になっていることもあるそうで、怪獣映画では観た子供が怒って電話してくることがあり、「モスラはいい怪獣だからね、攻撃しちゃ駄目だよ」と真面目に言われた時はほんとうに困ってしまったらしい。それで、善玉の怪獣は攻撃しないという条件で協力するという。
 そういえば、アメリカでも『スターウォーズ』がヒットした後、主演のマーク・ハミルがテレビに出た時に冗談で「C3POの表面の傷を直すため、チョコレートを食べたら包み紙を捨てないでおいている」と言ったら、子供が「少ないけどC3POにあげてください」という手紙を添えて送ってくるから、捨てられずに困ってしまったそうだ。
 なるほど、政治的な問題より子供に文句を言われるほうが困るのかもしれない。

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by ruhiginoue | 2014-04-04 21:54 | 映画