高須クリニックに行く女性は要注意

　前から、スポンサーの立場を利用しマスメディアで勝手な放言をしてきた美容外科チェーン=高須クリニックの高須院長が、今度は従軍慰安婦の件で朝日新聞の報道を誹謗したうえ、池上彰も肯定している慰安婦そのものの被害まで否定を試みている。

　もともと、彼の発言は週刊誌やネットで拾ってきた話を適当につなぎあわせただけの、いいかけげんな受け売りでしかなく、内容はすっかり程度の低いネトウヨであるが、これを掲載するほうは持論を説いたと紹介し、いかにも見識あるように持ち上げている。
　これは美容外科がマスメディア特に雑誌にとって大スポンサーだからで、その経営者でない人が同じことを言っても取り上げてくれないどころか、無視されるかコケにされるだけだろう。
　実際、彼が放言している場を提供する出版社の人に会って話したところ、美容外科は女性むけ雑誌にとって大スポンサー様だから、持ち上げないわけにはいかず、料金や安全性について問題があるけれど、これを批判したくてもできないと言っていた。　

　しかも、高須クリニック院長のネトウヨ発言は、単なる政治道楽ではすまない。
　もともと、女性を被害者にしたうえ、その悲惨な被害訴えると、これを否定したうえ嘘つき呼ばわりするのは、従軍慰安婦問題と美容外科で共通している。過去の訴訟などで現実が証明している。
　しかも、彼は儲けた金でスポンサーとなりマスコミで勝手に発言できるのだから、彼が経営する美容外科と、その系列とか周辺のクリニックや医師による手術の被害に遭っても、マスコミに訴えることはできないし、逆に今ちょうど彼が従軍慰安婦の被害を否定しているのと同じように、美容手術で失敗した被害者の女性も、まったく同じようにやられるかもしれない。
　それが彼には出来てしまう立場だし、やってしまいそうな態度をとっているのだ。

　また、そのようにできる立場であるのだから、「失敗しても大丈夫さ、こっちはマスコミを味方につけているんだぜ」という思考と姿勢で患者と向き合うにことになり、ただでさえ存在するリスクがさらに高まる。

　高須クリニックに行こうかと考えている女性は、それを注意すべきである。