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by ruhiginoue

「世界の一流新聞」のひとつ『朝日』に僻み

 養鶏場の鶏は、鶏どうしの喧嘩で負傷した鶏がいると、他の鶏たちが血を見て興奮し、血が出ている一羽に全ての鶏が寄って集って傷を突付いて死なせる。雑誌や便乗した高須医師の朝日新聞集団攻撃は、まさにこれだ。タカ派ではなくチキンだ。

 しかし、かつて『産経』とか『文春』や『新潮』で働いている連中は狂信者かと思っていたら、そういうのもいるけど、会ってみれば大体は普通の人。商売で仕方なくやっているだけ。もしも朝日新聞に転職できたらと問うと「そりゃ行きたい。会社が大きくて給料や待遇が良いし、なにより仕事で真面目な記事を書ける」と言った。
 
 それについて菅官房長官は、慰安婦96年国連報告書に「朝日記事が影響」 と言ったが、同じことを『読売』も『産経』も載せていて、より扱いが派手だったのに、両紙とも『朝日』のせいで国際問題になったと非難しているから変な話だ。同じ報道をしてもそんな影響力があるのは『朝日』だけということになる。

 これが『東京スポーツ』なら、よく名誉毀損で訴えられると、「読んでも真に受ける人はいない」と開き直り、裁判官も唖然とさせられるそうだが、一般紙は違うだろう。まあ、『産経』の場合は少し近いのかもしれないが。
 しかし『読売』はこの件で『朝日』より前から熱心に報道してきたし、発行部数も多いのだが、なのに『読売』は影響せず『朝日』だけ国際的に影響したというのでは、批判ではなく事実上の敗北宣言ではないか。

 確かに、ジョンCメリルのジャーナリズム研究『世界の一流新聞』で、「クオリティ・ペーパー」とか「エリート・ペーパー」と言われる充実した新聞として挙げられているのは、アメリカの『ニューヨーク・タイムス』と『ロサンゼルス・タイムス』、イギリスの『タイムス』と『ガーディアン』、フランスの『ル・モンド』、ドイツの『フランクフルター・アルゲマイネ』、日本の『朝日新聞』となっている。
 そして、メリルによると、『朝日』のライバルは『読売新聞』と『毎日新聞』で、『読売』は娯楽性が強く低レベルの庶民に受けていて、『毎日』の読者は『朝日』と『読売』の中間で、『朝日』の記者は80倍の競争率を突破して入るから優秀ということだ。
 
 ただし、そんな競争率を突破して入るのは朝日新聞社でも一部の「練習生」と呼ばれる、幹部記者となるべく入社する人だけだそうだ。具体例は、大正末期の尾崎秀美、新垣秀雄、昭和戦前の入江徳郎、扇谷正造、昭和戦後の本多勝一、筑紫哲也、というように、大活躍で知名度高い記者である。

 こうなると、官房長官が決めつけたり、他の新聞が僻んでも当然だし、雑誌に書いているのは、このブログの主催者と同様に落ちこぼれとか負け組ばかりだから、そりゃ僻むどころか憎むだろう。
 だから、週刊誌の広告の見出しが扇情的で嫌らしく差別的であるのはルサンチマンというやつの凝り固まりだからで、これに顔をしかめると同時に、そんな仕事をして稼ぐ哀れな人たちに同情もしてあげて欲しい。

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by ruhiginoue | 2014-09-06 16:51 | 社会