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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

朝日新聞の社長辞任は経営者または所有者の圧力では

 朝日新聞の木村社長は、責任をとって辞任したのではないだろう。毅然とした対応をしようと社内で呼びかけたら、そうしないように辞任させられたのだろう。このほうが筋が通る自然な解釈だ。
 
 ところで、福島知事選挙に立候補を表明した井戸川もと町長の登場で物議となった漫画『美味しんぼ』は、谷岡ヤスジの漫画「鼻血ブー」ならぬ「鼻血タブー」だと皮肉られたが、この漫画の主人公が勤務する東西新聞は朝日新聞がモデルで、強引勧誘の帝都新聞に部数を抜かれたという話も出てきた。実際に読売新聞が強引勧誘で朝日新聞の発行部数を抜いているから、作者は明らかに読売新聞を皮肉っている。
 そして東西新聞は、しばしば社主と現場の微妙な関係が描かれ、これも朝日新聞社内に昔からある経営者または所有者と編集の齟齬がモデルである。
 
 だから、今回の朝日新聞木村社長が、対決姿勢から一転して辞任となったのは、おそらく経営側の圧力だろう。これは状況からの推測だが、こうした朝日新聞内の齟齬は昔から言われてきたことだ。

 例えば、昭和時代に、朝日新聞社が主催する展覧会を見に来た天皇に社長夫人が接近しすぎたとして、宮内庁の護衛役をしている空手の有段者の男性が社長夫人に殴りかかり、骨折の重症を負わせた事件。
 この社長夫人は、ただ展示物の説明をしようとしただけで、どこの誰かも判っている六十才代の女性にいきなり殴りかかるとはひどすぎると言った。しかし、記事にしてくれと訴えても朝日新聞は拒否した。宮内庁を批判すると皇室ネタが得られなくなるなど商売に差し障りがある、ということだった。

 この、宮内庁による暴行事件は、被害者の朝日新聞社長夫人が、当時の社会党の女性国会議員に話したのを週刊新潮がききつけて、こんなことがあっても朝日新聞は宮内庁を批判できないなだなあ、という週刊新潮お得意の嫌味調記事にしたため、世間に知られるようになった。

 また、これも社長夫人がらみだが、本多勝一記者を一躍有名にした連載『カナダエスキモー』で、ベストセラーとなった単行本化には収録されている名場面が、なぜか朝日新聞に連載されたさいには無く、これは轌犬を鞭で打つ代わりに蹴りを入れるという描写に、愛犬家の社長夫人が怒ったためだった。
 この場面は動物虐待ではなく、轌犬の扱いに慣れない日本人がてこずっている様子を見てカナダエスキモー(イヌイット)たちが大笑いしているユーモラスな場面だった。疾走感のある場面を、その場に居合わせて見ているような描写で、たいへんな名文と言われている。
 なのに、生活を共にする動物ではなく愛玩動物としかみない社長夫人が、記事を理解せず、可愛い犬を蹴るなんてとんでもないと言い出したのだった。これについて本多記者は相当頭にきたらしい。
 
 このようなことがあるから、今回の社長辞任も、強気の姿勢から急転したこともあって、当人の意思によるものではないと考えている。


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by ruhiginoue | 2014-09-18 01:18 | 社会