秘密法と子供にも判る宇宙戦艦ヤマトの嘘
2014年 12月 13日
施行されたばかりの「秘密法」が、どんなに無駄なものかについて、過日はその悪用を上手にできない為政者や官僚の愚劣さという視点から述べた。
それにからんで、もうひとつ。
このあいだ、戦時中を知る人の話で、国が秘密と言いだすと、とんでもないことになるという話が新聞で紹介されていた。その中で、当時は戦艦大和の存在も知らされていなかったということが出て来た。
ただ、これは昔の子供向けの本にも書かれていた。戦艦大和は日本海軍の要であるから、当時の最高軍事機密だった。「秘密保持ノタメニハ手段ヲ選バズ」ということで、建造中に近くを通る列車の窓に目隠しをしたほどだったと、挿絵つきで説明されていた。
だから、「宇宙戦艦ヤマト」の冒頭に大戦中の描写があるが、ここで戦艦大和が出撃していく姿に出会った小船の話は、とうていあり得ない。これは、最初に放送された当時の子供でも解ったことだ。
その場面では、小舟に乗った漁師っぽい年配の男性が、巨大な軍艦を見て一緒に乗っていた少年に戦艦大和であると教えたうえで「日本の男の船だ」と説くけれど、軍事機密なのに一般人が軍艦を見てすぐ名前が判るとは考えられない。まして旗艦であるため最高機密とされた戦艦大和は、見たことがない人ばかりであることはもちろん、その存在を知らない人のほうが多かったくらいだ。
また、軍が戦意高揚のため国策プロバガンダ映画を作るよう映画会社に命じたときも、軍事機密だからと軍艦の撮影は許可されず、だから特撮で描くことにしたが、軍事機密だから資料の提供もない。せめて外見だけでもと頼んでも拒否された。仕方なく円谷英二は、米軍艦の写真を参考に想像でミニチュアセットを作ったという。
ところで、宇宙戦艦ヤマトの続編では、製作した西崎プロデューサーに似せた人が「我々にはまだヤマトがある」と言う場面があり、実際に敗戦の寸前によく言われていた言葉だけど、これも大和の実態がわからなかったから呪文として通用したわけで、わかっていたら不沈艦なんて非現実的だと庶民も思うはずだ。
つまり秘密にして意味があったのは、外敵に対してよりむしろ自国民に対してであり、戦争で現実に勝つのではなく幻想をもたらすことでしかなかった。
いっぽう円谷英二は、試写を見た軍人から「これは日本の軍艦ではなく米軍艦だ。けしからん国辱映画だ。こんなフィルム燃やしてしまえ」と怒られた。軍事機密だと隠しておいて、国策映画の製作を命令し、出来たのを見たら違うと怒る軍人の身勝手さ。それだけでも酷い目に遭ったわけだが、さらに戦後は戦争協力したからと公職追放されてしまった。
このようなことが過去にあって、今も日本は秘密をちゃんと秘密として扱えず、秘密保持を口実に不祥事を隠蔽するなど悪用するために法律を作るだけで、それとて上手に悪用できないのが現実だ。怒るより逆に情けなくなることもある。
ただ、秘密法は、単に国民を「知らぬが仏」の状態にしたいとの願望もあるから作ったのだろう。
でも、先日亡くなった菅原文太が出ていた映画「仁義なき戦い」に、こんな台詞がある。
「知らぬ仏より、知る鬼の方がマシじゃ」
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このあいだ、戦時中を知る人の話で、国が秘密と言いだすと、とんでもないことになるという話が新聞で紹介されていた。その中で、当時は戦艦大和の存在も知らされていなかったということが出て来た。
ただ、これは昔の子供向けの本にも書かれていた。戦艦大和は日本海軍の要であるから、当時の最高軍事機密だった。「秘密保持ノタメニハ手段ヲ選バズ」ということで、建造中に近くを通る列車の窓に目隠しをしたほどだったと、挿絵つきで説明されていた。
だから、「宇宙戦艦ヤマト」の冒頭に大戦中の描写があるが、ここで戦艦大和が出撃していく姿に出会った小船の話は、とうていあり得ない。これは、最初に放送された当時の子供でも解ったことだ。
その場面では、小舟に乗った漁師っぽい年配の男性が、巨大な軍艦を見て一緒に乗っていた少年に戦艦大和であると教えたうえで「日本の男の船だ」と説くけれど、軍事機密なのに一般人が軍艦を見てすぐ名前が判るとは考えられない。まして旗艦であるため最高機密とされた戦艦大和は、見たことがない人ばかりであることはもちろん、その存在を知らない人のほうが多かったくらいだ。
また、軍が戦意高揚のため国策プロバガンダ映画を作るよう映画会社に命じたときも、軍事機密だからと軍艦の撮影は許可されず、だから特撮で描くことにしたが、軍事機密だから資料の提供もない。せめて外見だけでもと頼んでも拒否された。仕方なく円谷英二は、米軍艦の写真を参考に想像でミニチュアセットを作ったという。
ところで、宇宙戦艦ヤマトの続編では、製作した西崎プロデューサーに似せた人が「我々にはまだヤマトがある」と言う場面があり、実際に敗戦の寸前によく言われていた言葉だけど、これも大和の実態がわからなかったから呪文として通用したわけで、わかっていたら不沈艦なんて非現実的だと庶民も思うはずだ。
つまり秘密にして意味があったのは、外敵に対してよりむしろ自国民に対してであり、戦争で現実に勝つのではなく幻想をもたらすことでしかなかった。
いっぽう円谷英二は、試写を見た軍人から「これは日本の軍艦ではなく米軍艦だ。けしからん国辱映画だ。こんなフィルム燃やしてしまえ」と怒られた。軍事機密だと隠しておいて、国策映画の製作を命令し、出来たのを見たら違うと怒る軍人の身勝手さ。それだけでも酷い目に遭ったわけだが、さらに戦後は戦争協力したからと公職追放されてしまった。
このようなことが過去にあって、今も日本は秘密をちゃんと秘密として扱えず、秘密保持を口実に不祥事を隠蔽するなど悪用するために法律を作るだけで、それとて上手に悪用できないのが現実だ。怒るより逆に情けなくなることもある。
ただ、秘密法は、単に国民を「知らぬが仏」の状態にしたいとの願望もあるから作ったのだろう。
でも、先日亡くなった菅原文太が出ていた映画「仁義なき戦い」に、こんな台詞がある。
「知らぬ仏より、知る鬼の方がマシじゃ」
by ruhiginoue
| 2014-12-13 08:54
| 映画





