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by ruhiginoue

暴言でバクリ作家が露呈した百田尚樹

 手塚治虫のシリアス路線で代表的な一つ『人間昆虫記』は、主人公の女性が他人の作品を盗むことで成功していく話だけど、そこで受賞した小説の原稿がパクリではないかと疑惑を持たれると、小説を書くために集めた資料を見せて信用させる場面がある。

 私小説は別にして、フィクションでもノンフィクションでも、書くには調査が必要である。特に戦争など歴史に関わる小説や映画の脚本を書くには、膨大な調査が必要で、例えば名脚本家の笠原和夫が、日露戦争を扱った『二百三高地』の脚本を書くにあたり綿密な年表を作って、それを見ながら物語を構成して執筆したことは語り草である。

 一方、百田尚樹の『永遠の0』は、他の作品からのパクリだと批判されていて、これについて百田はオマージュだと弁解している。放送作家だった彼は、小説家に転じてからというもの、既に存在する似た作品を指摘される。
 これは、『人間昆虫記』のように未発表の原稿を盗むのとは違っていて、創作に必要な資料を収集することで偽装することもない、ということだ。
 
 そして今、百田尚樹は、読んでもいない新聞について、書いてある内容が気に入らないから潰せと言ったり、調べもしないで、沖縄の基地周辺は元は田んぼだったという事実に反する発言をして、強い批判を受けている。

 つまり、百田尚樹がまた暴言を吐いたとして問題になる内容とは、政治的に意見が対立したという水準でないことはもちろんだが、見識とか品位を疑われるという程度にも達していない。
 なぜそうなってしまうのかというと、そもそも彼の小説からしてそうだからだ。他所から勝手にもらってきたりしていて、そうすることで本当はしなければならない調査をしないで済ませている、実にいい加減なものということだ。
 これを調子良く合わせて成功はしたが、しょせんその程度だから、すぐ綻びるということだ。





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by ruhiginoue | 2015-06-30 17:15 | 文学