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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

毎日新聞が共産党志位委員長の発言を歪曲した訳

 毎日新聞が、共産党の志位委員長の記者会見での発言を歪曲したとしてネット上で騒がれている。
 『毎日』は、「ニュース速報」で、「共産党:参院選野党協力、沖縄以外は行わず」という見出しで、共産党の志位和夫委員長が30日の記者会見において、来夏の参院選での野党協力について、沖縄県選挙区以外では行わない考えを示したと、同日中に報じた。

 これにより、共産党が他党との連携を拒否する宣言をしたと受け取った人が多かった。その中には、共産党を批判する人もいた。
 しかし、この報道に疑問を持つ人もいた。記者会見で志位委員長が質問されたことに誠実に答えるならば、各党の選挙公約もない現時点では、あの程度の回答しかできないはずだ。なのに、なぜその回答だけ取り出す必要が、今あるのか。 記者会見の要旨ではなく、最後の質疑の一つだけの話である。それをことさら強調したのが毎日新聞の記事である。
 
 そして、記者会見の動画を見た人たちが『毎日』の記事は、おかしいと言いだした。実際の会見をみると、沖縄では米軍基地の問題が選挙の争点として明確に定まっていたが、来年の選挙ではまだ各党の政策や公約もなく、擦り合わせとか譲り譲られとか、そうした選挙協力をする材料が俎上に上がっていない、という趣旨だった。
 つまり志位委員長の発言は選挙協力に積極的ではなかったが、条件が揃っていないので無理だと言う今の時点での見解を述べているのであって、この先協議する可能性までは排除してない。
 それを『毎日』は、予め拒絶する宣言をしたという記事にしてしまった。
 
 結局、共産党の志位委員長が「沖縄以外では選挙協力をしない」と発言したというのは『毎日』のミスリードだった。
 また、共産党の志位委員長は、沖縄は地方自治、参院選は国政、という違いがあると発言している。ところが『毎日』の見出しと記事だと、基地問題を抱えた沖縄という場所の問題だけだということになってしまっている。こんな間違いする記者がいるとは呆れてしまった。

 先日、ある人が、毎日新聞の報道の劣化を嘆き、昔は立派な記者がたくさんいた新聞社だったのに、と言っていたので、それが原因だと考えていたが、そうではないという指摘を受けた。
 今は選挙の一年前ということで、政党が候補者の選定を始める時期だ。だから記者会見で選挙協力の質問が出た。それについて、今はまだできないという答え。
 ただ、選挙協力など大した意味がなくても、もしも、与党を倒すために野党で協力したほうが良いという声を有権者が上げれば、その盛り上がり次第によっては、多くの票を獲得できる可能性もある。
 そうなれば、どこの政党でも関心をもつ。そして共産党と他党を動かすかもしれない。そこへ『毎日』は共産党にその気がないという報道をした。記者会見の趣旨をねじ曲げてまで。
 だから、これは有権者の声を封じて与党に有利にしようという陰謀ではないか、と疑う人がいるわけだ。

 どちらにせよ、つまり、記者がヘボかったとしても、悪意だったとしても、毎日新聞が嘆かわしいことは同じである。

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by ruhiginoue | 2015-08-02 11:21 | 政治