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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

靖国神社に行って反対派に罵声を浴びせ参拝はしない人もいるが

 安保法制に賛成ではなく反対デモに反感を抱く人とか、原発賛成じゃなく反・反原発という人がいるけど、ここ数年の8月15日は、自称保守団体の連中が、閣僚の靖国神社参拝に抗議する人たちに対し罵声を浴びせるためだけに靖国神社で現地集合現地解散し、罵声だけで参拝はしないで帰っちゃうそうだ。

 それとは違い、靖国神社にこだわって参拝する政治家がいるのはなぜか。ウケ狙いでやっている人もいて、例えば石原慎太郎など、そうとしか見えないパフォーマンスをしているけれど、そうではなく本気で熱心に参拝している人たちには、日本古来の伝統だからどうしても、という人たちも少なくないし、実際にそうした信仰がある。

 たとえば、日本人の精神風土のドロドロした部分を題材とした横溝正史の小説で特に人気がある『八つ墓村』は、騙し討で惨殺した落武者らの祟りを恐れた村人たちが、村の守り神と祀りなだめた、というところから始まる話だが、このように、自分で殺しておいて、あとから祟りを恐れ神と祀る信仰が日本にある。

 実は靖国神社も元は同じ発想だった。戦争で死に追いやっておいて、祟らないように祀り英雄とおだてた。だから、無謀な戦争によって敗北したら兵は犬死にであり、勝ってもいないのに英雄だと持ち上げるのでは辻褄が合わないようだが、しかし日本古来の特異な信仰によれば、犬死にさせてしまったから、祟らないで欲しくて英雄だと持ち上げるというのは、不可解ではない。
 
 これを神社庁が隠蔽しようと國學院大学に圧力をかけたことがある。80年代の半ばに、靖国神社の成り立ちを指摘したうえで政治的な利用は英霊への冒涜ではないかと批判した神道学者に対し、国家護持運動の妨げになるとクレームをつけたため、不当な介入として問題になったのだった。



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by ruhiginoue | 2015-08-15 15:37 | 政治