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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

医療費は自費か無料かのどちらかであるべき

 これまで何度か健康保険の問題を語ってきたが、そもそも保険というものは任意であるべきで、強制するのではもはや保険ではない。医療は原則として自費とし、困窮している人だけ公費助成するか、完全無料化するかのどちらかとすべきだ。

 だいたい、世界中を見回せば、医療費は無料としている国が普通で、そうでないのは医療を利用して一部の人たちが人の命を食い物にして儲ける制度になっている国である。普通ではない狂った国の代表がアメリカ合州国で、日本も実はこの同類であると先日指摘した。

 医療費が無料の国にカナダがあり、ここは付加価税(日本の消費税に該当)が昔から二桁だが、バリアフリーが徹底していて、身障者が一人でどこにでも行ける。おかげで、前にカナダに行った身内が、着いた直後に怪我をしてしまったが、安心して治療を受けられた。慌ててコレクトコールで電話してきた時の料金の支払いのほうが大変だった。
 
 昔、羽仁五郎というタレント学者が、ヨーロッパを旅行中に病気になってしまい、ソ連で入院したところ、注射など薬をたくさん使うので、あまりたくさんの外貨をもっていないと言ったところ、医師から「金なんか取らないよ。なんで病気より治療代の心配をするんだ。あ、そうか、キミの国は資本主義だったな。金がないと病気の治療もしてもらえないんだから、野蛮な制度だよな」と言われたそうだ。
 この話を、羽仁五郎はマルキストを自称していたから披露したのだろうが、そうでなくても、金が無いと治療もできないのは野蛮だと思うものだ。

 映画『シッコ』にも出て来たとおり、ゲバラの親族が働いていたり、その海外の同窓生の支援もあったりで、キューバの医療はアメリカとは大違いに良心的だが、この医療制度がアメリカと関係改善で壊されないかと心配されている。

 また、リビアからイタリアへの密航船がまた遭難して死者が出ているが、昔はこんなことはなかった。リビアは生活保障が充実しているので、政治的な理由以外で出て行く人はいなかった。何から何までタダで、病院の設備は金をかけていて世界最高だった。これはカダフィが欧米と喧嘩して石油の儲けを取り戻してつぎ込んだからだった。しかし、NATOの軍事介入で滅茶滅茶になり、世界最高設備の病院もアメリカ軍の巡航ミサイルで破壊された。

 おそらく、日本は敗戦と占領政策により、世界的には異常なアメリカの保健福祉政策を立派なものだと思い込まされたのだろう。米は栄養が悪くて食べるとバカになるという宣伝が小学校の掲示板にまで張り出され、金髪碧眼の子供がパンにかぶりついている絵のついたコンテナが走り回った、というのと同じで。
 それで、医療についても洗脳されたままだから、問題を理解できない人が多い、というわけだ。



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by ruhiginoue | 2015-08-28 20:31 | 社会