超常現象や神秘主義とマスメディア
2015年 08月 31日
『火垂るの墓』の原作者である野坂昭如は、テレビ局の企画で今は亡き「霊能力者」宜保愛子が「アンネの日記」を霊視するという番組に激怒して抗議したことがある。死者の霊と話ができる人というだけなら面白いと思ったが、興味本位で戦争の悲劇それも子供の犠牲者を興味本位な見せ物のネタするなんてとんでもない、と。
この宜保愛子という人は、もともと塾の教師で、英語が担当だったそうだ。そのうえ会話も堪能で、あの「超能力者」ユリ=ゲラーとも英語で直接話していたといわれる。
この一方で、家族を亡くして悲しんでいる人の相談に乗り、塩と線香で供養する簡単で安価な方法を用い、多くの人を慰め励ましたから「愛の霊能者」と言われた。
ところが、これにテレビ局が眼をつけて見せ物にした。そして、最初は相談料といっても数千円の謝礼だけ受け取っていた人だったのに、高額な報酬を渡されテレビ局の言いなりになったらしい。そういうことで批判されていた。
もっと前から、心霊現象のトリックを暴露してきたのは、手錠抜け箱抜けで引田天功らに大いに影響を与えた奇術師のハリー=フーディーニだった。自分もトリックを駆使して見せ物にしているが、あくまで人を楽しませるためにやるならともかく、家族を亡くして悲しんでいる人の気持ちにつけ込むなんて許せないということだった。
これと同じことを、「サラリーマン超能力者」と謳う高塚光という半ばタレントも言っていた。宜保愛子は人の心を暗くしていると言う趣旨だった。しかし、彼女は最初は逆だった。テレビ局に乗せられて変わってしまったと言われている。
また、高塚光は、身体の具合が良くない人を超能力で良くすると称し、この「技」を実施したことで相手が良くなったと感謝しても報償は取らず、早くやめて本業のサラリーマンに戻りたいと言っていた。
ところが、テレビ局の企画に乗ってトリックをしていたという批判もある。あのMr.マリックという奇術師に師事したともいわれていて、ユリ=ゲラーはMr.マリックと同じ師匠に付いていたという話だ。これは後藤民夫氏の著書で日本テレビ批判のさい、オカルト番組好きの日テレという中で言及されていた。宜保愛子もおもに日本テレビが利用していた。
もともと高塚光の治療とは暗示をかける催眠術だったといわれているが、それを超能力と言うだけならシャレとして許されるだろう。それがテレビに利用されていたら変なことになったということであるし、これは宜保愛子も同様で、ただ『アンネの日記』のようにシャレにならないことに及んでは社会問題になるだろう。
つまり、ある許容範囲を超えてしまうと問題となり、そのさいマスコミが商売に利用すると、歯止めが利かなくなるということだ。
この点は、逆にというか批判している側にも同じことが言える。よくテレビでは、超能力などを散々とりあげておいて、それがトリックであるとバレたら、今度はカラクリを暴くという番組を作ってまたネタにする。そして、最初からこれを商売にする人たちが目立ち始める。
以下は、前にここで続けて書いていたけれど、長くなったうえまとまりがなくなってしまったため、やはり次の回に分けて掲載するので、そちらを参照いただきたい。
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この宜保愛子という人は、もともと塾の教師で、英語が担当だったそうだ。そのうえ会話も堪能で、あの「超能力者」ユリ=ゲラーとも英語で直接話していたといわれる。
この一方で、家族を亡くして悲しんでいる人の相談に乗り、塩と線香で供養する簡単で安価な方法を用い、多くの人を慰め励ましたから「愛の霊能者」と言われた。
ところが、これにテレビ局が眼をつけて見せ物にした。そして、最初は相談料といっても数千円の謝礼だけ受け取っていた人だったのに、高額な報酬を渡されテレビ局の言いなりになったらしい。そういうことで批判されていた。
もっと前から、心霊現象のトリックを暴露してきたのは、手錠抜け箱抜けで引田天功らに大いに影響を与えた奇術師のハリー=フーディーニだった。自分もトリックを駆使して見せ物にしているが、あくまで人を楽しませるためにやるならともかく、家族を亡くして悲しんでいる人の気持ちにつけ込むなんて許せないということだった。
これと同じことを、「サラリーマン超能力者」と謳う高塚光という半ばタレントも言っていた。宜保愛子は人の心を暗くしていると言う趣旨だった。しかし、彼女は最初は逆だった。テレビ局に乗せられて変わってしまったと言われている。
また、高塚光は、身体の具合が良くない人を超能力で良くすると称し、この「技」を実施したことで相手が良くなったと感謝しても報償は取らず、早くやめて本業のサラリーマンに戻りたいと言っていた。
ところが、テレビ局の企画に乗ってトリックをしていたという批判もある。あのMr.マリックという奇術師に師事したともいわれていて、ユリ=ゲラーはMr.マリックと同じ師匠に付いていたという話だ。これは後藤民夫氏の著書で日本テレビ批判のさい、オカルト番組好きの日テレという中で言及されていた。宜保愛子もおもに日本テレビが利用していた。
もともと高塚光の治療とは暗示をかける催眠術だったといわれているが、それを超能力と言うだけならシャレとして許されるだろう。それがテレビに利用されていたら変なことになったということであるし、これは宜保愛子も同様で、ただ『アンネの日記』のようにシャレにならないことに及んでは社会問題になるだろう。
つまり、ある許容範囲を超えてしまうと問題となり、そのさいマスコミが商売に利用すると、歯止めが利かなくなるということだ。
この点は、逆にというか批判している側にも同じことが言える。よくテレビでは、超能力などを散々とりあげておいて、それがトリックであるとバレたら、今度はカラクリを暴くという番組を作ってまたネタにする。そして、最初からこれを商売にする人たちが目立ち始める。
以下は、前にここで続けて書いていたけれど、長くなったうえまとまりがなくなってしまったため、やはり次の回に分けて掲載するので、そちらを参照いただきたい。





