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by ruhiginoue

台風の季節になると思い出すこと

 大雨で休校になっていた茨城の学校で、登校が再開されたそうだ。
 このような報道がある台風の季節に、必ず思い出すことがある。中学で、あのときも暴風雨により登下校が大変だった。学校から家が遠い人たちは、親の自家用車で近所の同級生も誘いあわせて一緒に登校した。近い人は徒歩で登校し、ズブ濡れになっていた。

 ところが、登校すると、先生たちが「今日はこの天候なので臨時休校にするから帰りなさい」と言って、また暴風雨の中に放り出された。冷えて風邪ひいた生徒はもちろんいるし、突風で傘の骨が折れるなど危険もいっぱいだった。
 そして帰宅して二時間くらいしたら、雨風がやんでしまった。これなら学校にいてやり過ごしたほうが安全だった。そもそも、暴風雨は早朝からだったので、臨時休校なら電話で対応を話し合い、朝決めて登校前に各家庭に連絡すべきだろう。何のために緊急電話連絡網があるのか。

 おそらく先生たちは、マイカー登校しているから雨風が気にならなかったのだろう。富裕な大学生の通学みたいにして、社会人になっても学生気分が抜けていないようだった。そして学校の敷地が駐車場となっていた。もっといろいろな種目の部活がしたいけど場所が足りないとか、自転車置き場が足りないから自転車通学禁止とか、その一方でのことだ。

 それで保護者は抗議した。すると先生たちは、緊急電話連絡網をもっと利用することにした。そして、自分が言い忘れたとか、ただの気まぐれで「明日の授業で使用するからこの教材を持ってくるように」と言うような内容ばかりを通知しはじめた。ぜんぜん緊急ではないだろうと指摘されると、「緊急の場合に備えての練習」と言った。

 しかし翌年の台風でも使われることはなく、生徒にとってはまた危険なことになった。先生たちは相変わらずの自家用車「通勤」というよりマイカー「登校」である。
 そのうえで、また、教材を持って来いというようなことのためには、あいかわらず利用された。そして、たまたま生徒本人ではなく弟とかお婆ちゃんなどの家族が電話に出て伝えるのを忘れた場合は、「ちゃんと連絡した。だから忘れ物をしたのはお前の責任だ」などと言ってげんこつか教科書の角で生徒の頭を叩いた。

 この学校の先生たちは救いようがない。しかし内申書というジョーカーを持っている。だから卒業までの辛抱だ、ということで生徒と保護者たちは一致した。当時、今では世田谷区長となっている保坂展人氏の「内申書裁判」で、教師が生徒に反感むき出しの記載をした不当性を訴えた原告が敗訴したという衝撃が、まだ響いていた。
 中学生だった保坂氏が、大学生や高校生のお兄さんお姉さんの真似をして学生運動で騒ぎ問題になったことについては共感できなくても、教師が内申書というジョーカーによって将来の人生設計に決定的な影響を及ぼせる制度になっている現実には、誰もが戦々恐々としていた。

 ろくに勉強もせず親に買ってもらった高級車を乗り回し大学にも来たという安倍総理を頂点として、その裾野はかなり広いということだ。
 

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by ruhiginoue | 2015-09-25 11:15 | 社会