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by ruhiginoue

芸術家も政治力という指揮者代表クルト=マズア

 オーケストラ指揮者のクルト=マズアが死去したそうだ。彼は世界最古のオーケストラといわれるライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で活躍して、旧東ドイツを代表する指揮者とも呼ばれた。
 しかし、彼の演奏は軽いだけだというのが、ファンも批評家も一致した評価だった。そして彼の地位は、彼の芸術的力量ではなく彼の政治力によって築かれたものだというのが、共通した認識だった。
 そもそも、彼は冷戦時代に、東ドイツの体制に迎合し、体制と闘う同業者を迫害する立場にいた。そして、東西ドイツの統一というときは西側に迎合し、ちょっと口出した程度なのに文化人として貢献したとされ、人道主義の代表とマスメディアに持ち上げられた。このご褒美で、冷戦後はアメリカに渡り名門ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団に栄転した。

 そして、もともと軽いだけの演奏だと言われていたが、ニューヨークフィルでの演奏は炭酸ガスが抜けたコーラみたいで、地元の聴衆からも録音で聴いた人からも不評だった。
 また、東西ドイツ統一のさい、その混乱の中で拳銃自殺した名指揮者のヘルベルトケーゲルは、息子の病気のことで悩んでいたともいわれるが、同時に、ライバルであったクルト=マズアからひどい嫌がらせを受けていて、それも自殺に影響しているのではないかと言われてきた。
 少なくとも、マズアなんかよりケーゲルのほうが実力とファンの評価は、はるかに上であった。
 
 芸術家も政治力ということが、様々な分野で言えるが、音楽の場合もそうで、特に影響が大きい分野かもしれない。そして、権力にすり寄ることで地位を保った音楽家として、指揮者の代表がマズアである。作曲家ならソ連作曲家同盟のフレンニコフだろう。これが日本なら、すぎやまこういち。そんなところか。

 
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by ruhiginoue | 2016-01-02 06:20 | 音楽 | Trackback | Comments(0)