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by ruhiginoue

危険な政治を見抜くセンス

 七十年代に、公害を高校生が独自に調査し、地元の河川の汚染を測定していたら、なにか圧力なのか事なかれ主義なのか、これまで使用していた理科室の機材を学校が使用させなくなり、それでその男子高校生はバイトして機材を自前で購入し調査を続けたところ、今度は近所から「不良」として変な噂を立てられるなどの迫害をされるようになってしまった、という話をフィールズ賞数学者の広中平祐氏が聞いて、その高校生訪ねるという地味なテレビ番組があった。
 
 これとは逆なのが、福島の高校生が原発事故の汚染を否定する「調査」をし、これを東大名物御用学者の一人である早野龍吾氏が支援し、大々的に報道されたという話。その高校生のレポートは調査方法も結論もツッコミどころが満載で、だから外国記者クラブでも厳しい質問が浴びせられたのだが、それを報道では「海外で話題」と大見出し。明らかな印象操作のプロパガンダであった。そうでなければ、こんな宣伝臭い騒ぎ方をされるわけないし、内容が逆だったら迫害されるのが現実だ。

 だいたい、専門家と称していてもお粗末な人は多いというか、そういうほうが主流で、なぜならそういう人ほどゴマスリの処世術に走るものだからだが、そうではなくいちおう専門分野には通じていてもオタク趣味的であるたるめ社会性が欠如した政治オンチは特に理科系に目立つものだ。
 そんな人たちは「危険な政治を見抜くセンス」が欠如している。だから普通なら一発で変だと直感することにすら気づかない。
 そして、政府の言いなりになることはもちろん、「科学的」と「政治的」の正しさをこじつけて悲惨な結果となったスターリン時代のソ連や文化大革命時代の中国の歴史的教訓が理解できないから、その悪しき流れを汲む日本共産党の一部の危険分子らともつるんでしまうのだ。

 これは日本共産党の支持が乏しい原因でもある。
 かつて本多勝一氏が色々な新聞社の記者が集まる会合で発言していた。共産党の機関誌から批判されたことがあり、それで不愉快というのではなく内容がお粗末すぎたので呆れてしまった。世界各地を取材したさい社会主義国でソ連型の組織の問題を感じたと書いたところ、これに日本共産党の機関誌が反論してきたが、それは、他の国では駄目でも日本共産党なら駄目じゃないということでしかなかったから実にお粗末ということだった。
 たしかに、日本共産党の機関誌は、そういうことを執拗に書いていて、いつも根拠薄弱であるどころか、ほとんど妄想の域である。
 そして本多氏は、共産党には特によく選挙で投票していて、それは他の党が自民党をちゃんと追及しないから、それに比べると共産党はちゃんとしているからだとし、そういう人は少なくないはずなのに、どうして共産党はもっと支持が広がらないのかというと、やはりこのような機関誌のお粗末さに反映されているような党の体質のためだろうと指摘していた。


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by ruhiginoue | 2016-02-13 17:20 | 学術