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by ruhiginoue

オオカミ少年の寓話の真意

 「狼が来た」と嘘をついて騒ぎを起こす悪戯を繰り返した少年が、本当に狼が来た時に信用されなかったという寓話がある。これは、嘘をつくと信用されなくなるという教訓だと解釈されているが、その解釈こそ嘘だという指摘が、昔からされている。
 
 ほんとうの意味は、狡猾な者は簡単に姿を見せないということだ。狼は気づかれないように接近して来て、これに気づいた者がいても怖れて見て見ぬふりをする。
 ところが、子供は正直なので「王様は裸だ」という話と同様に声を出す。しかし、これを襲って殺せば、口封じどころかむしろ狼が来たことを証明してしまうので、叫ぶままにさせる。そして、他の者には姿を見せないようにする。
 そうすると、ごく一部の正直者が声をあげるだけで、他の者たちは気づかないか、気づいていても怖くて黙っている。そのために、声をあげた者は嘘つきだとして信用されなくなる。こうして皆を油断させたうえで襲撃する意図である。だから、狡猾な者は簡単に姿を見せないものなので注意しなければならない。

 こう解釈したほうが「社会派」であり、寓話とか訓話として意味がある。悪戯のつもりで嘘をついたら信用されなくなってしまうというのでは単純すぎるし、いかにも子供むけである。

 それに、子供むけでも一九六〇年代の昔から、例えば『ウルトラセブン』の「円盤が来た」という話がある。アマチュアの天体観測マニアらが空飛ぶ円盤を目撃し、ウルトラ警備隊に通報するが、調査すると確認できず見間違いという結論になる。これを繰り返すことで、地球に侵入しようとする空飛ぶ円盤を見逃すように仕向ける。そういう宇宙人の工作だった。
 その宇宙人は、「狼が来た」と言って信じてもらえなくなる少年の話が地球にあるけれど、それと同じことだと嘯く。
 
 また、七〇年代に活躍した羽仁五郎という左翼のタレント学者も、オオカミ少年の寓話は、権力者の狡猾さを風刺したものだと説いていた。
 そして実際に政治や経済の不安について、ファシズムになるとか戦争になるとか危機感を訴える人たちを、「オオカミ少年」と非難と揶揄する人たちがいると指摘していた。
 
 そして現実に、結果論として予想されたとおりでなかった場合もあるし、危機感を持った人たちがいたからそんな結果にならずに済んだ場合もあるし、危惧された通りの結果になっていてもそれが隠蔽されている場合もあるのだが、みんな「オオカミ少年」と一様に烙印を捺す連中がいる。
 例の『サピオ』というネトウヨむけ雑誌で、昔売れない小説家の井沢元彦が、古いネタの二番煎じ三番煎じで書いていたりしたものだ。今もまだ、たまに書いていて笑えるが、そんな解釈では、逆に手前らがヒステリックに騒いできた「ソ連が」「中国が」「北朝鮮が」というほうがオオカミ少年だろう。

 この話、明日に続く。 


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Commented by Neutralizer at 2016-02-21 09:22 x
私も同じイソップ寓話で曲解された話として『蟻とキリギリス(もしくは蝉)』もあったと、とある小説で知りました。
『蟻とキリギリス』の場合はキリギリスのように遊んでばかりいるよりも蟻のように真面目に働いていればいいという教訓となっていますが実はその蟻はギリシャ神話では強欲な人間が神によって変えられたものなのだそうです。戦国時代後半からこの寓話が我が国に入ってきたそうですがその後、江戸幕府もしくは明治政府によって国民をコントロールしやすいように現在一般に広まっている解釈に変えられたのではないでしょうか?
Commented by ruhiginoue at 2016-02-21 19:35
 改ざんされている話もありますね。
 ただ、教訓を正反対にするのは、そのやり方が支配層に好都合にするということで、ある意味では日本的です。
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by ruhiginoue | 2016-02-19 17:34 | 社会 | Trackback | Comments(2)