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by ruhiginoue

『かわいそうなぞう』と戦後の平和教育の欠陥

 「反戦童話」として知られる『かわいそうなぞう』は、ベストセラーになったし、学校でも重用されてきたので、とてもよく知られている。

 太平洋戦争の当時、空襲が激しくなり動物園が破壊され猛獣が逃げ出すと危険だからと、殺すよう命令がある。そして次々と動物たちが毒殺されていくが、象は毒入りの餌に気づいて食べようとせず、注射も針を象の皮膚が通さない。
 そこで餓死という残酷な手段が取られる。象たちが空腹から餌をねだって芸をしてみせる姿が哀れで、そして衰弱して死んでいく。戦争だから仕方なかった。戦争は悲惨である。そう訴える悲しい話である。

 しかし、動物園が殺処分の命令をされたのは、実は空襲が激しくなった時のことではなかった。また、象は巨体だが草食動物なので田舎に疎開させようという計画もあった。それでも殺せと軍は命令した。戦意高揚のためだった。

 この事実が欠落したり歪曲されたりの『かわいそうなぞう』は、ただ戦争が悲惨だというだけで、その原因を追及していない。

 これについて最近あるネット上のコラムが取り上げていて、戦後の平和教育に重大な欠陥があると指摘しているのを読んだ。
 それによると、よくある批判の情緒的というだけでは済まず、戦争について責任の所在をうやむやにするどころか、責任者の存在を打ち消してしまうということだった。もっともなことだ。

 これについて、次回もう少し続けて述べる。


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by ruhiginoue | 2016-05-11 18:00 | 社会