鈴木清順監督死去
2017年 02月 24日
鈴木清順監督が93歳で死去したとのこと。
その難解な作風に怒った映画会社の重役が独断で解雇したため問題になったことがあり、そういうことがあったためか、鈴木清順監督は円谷プロの作品にも関与していた。俳優としての出演もよくしていたが、その中で円谷英二にふんしたこともあった。
円谷プロの作品には、政治的も含めて色々な事情から干された人が関与したものが少なくなく、このため前衛的だったり社会派だったりと深みがあって面白かったものだ。
その中に『怪奇劇場アンバランス』があり、これに鈴木清順監督は参加していたが、そのさい別の挿話を担当した山際永三監督は、その市川森一脚本で唐十郎が主演し子供時代は名子役の高野浩之という話が、他の人から難解だと言われていたうえ鈴木清順監督にまで解らないと言われてしまい困ったそうだ。
監督だけど俳優もする人としてジョンヒューストンとかフランソワトリフォーがいるけれど、鈴木清順監督はよく他の監督の作品に俳優として出演していた。そして逆にというか鈴木清順監督の作品『夢二』には悪役で長谷川和彦監督が出ていた。武久夢二に扮する沢田研二とは『太陽を盗んだ男』では監督と主演だったが、それが共演者になったのだった。
その前には『ツゴイネルワイゼン』が話題だったが、こうした前衛芸術的な作品の前には日活で活劇を主に撮っていて、また『肉体の門』『河内カルメン』『けんかえれじい』は名高く、アニメでは『ルパン三世』に関与していた。
『けんかえれじい』のヒロイン役は後に大橋巨泉と結婚したことで話題となったが、彼の死について医師の対応に問題があったことを語っていたことは、先に述べた通りである。
この『けんかえれじい』には原作にも脚本にも無い脚色がしてあり、特に印象的だったのは北一輝と遭遇して主人公が影響される場面だった。喧嘩ばかりして放校された主人公は、転校先の校長がバンカラ型だったから理解されたりもする。
このように主人公は政治に関心があるわけではないけど心情右翼というところで、公開当時は学生運動が盛んで、大学生から熱烈な支持があったという。
ここで鈴木清順監督は、喧嘩だろうと学生運動だろうと若くて元気なんだから当たり前という姿勢で描いていた。
ところが、弟のNHKアナウンサー鈴木健二は、著書で学生運動を批判しつづけ、それは、まじめに勉強しないでケシカランという単純なものだった。
こんなに兄弟で違うのは意外だが、鈴木健二の大ベストセラー『気くばりのすすめ』がテレビで取り上げられたとき、かつて鈴木健二は、職場の後輩と暴力団組長の愛人が恋に落ちたとき、追って来たヤクザたちを相手に懸命な説得をして分かってもらったという武勇伝を語り、その再現ドラマ(鈴木健二の役はケンちゃんに引っかけて宮脇康之、組長は所ジョージ)が放送され、自慢話にスタジオ内は辟易ぎみだったがケチはつけられないので我慢していたが、そのときゲストで出演していた鈴木清順監督は、司会者から「お兄さん、どうですか。弟さん偉いですよね」と言われると恍けた調子で「親分が良くて、良かったですねえ」と言ったものだからスタジオ内が爆笑となった。
そんな、色々なことを思い出した。
by ruhiginoue
| 2017-02-24 15:08
| 映画






