百田尚樹の差別を擁護する原口一博の心理構造
2017年 06月 05日
百田尚樹の一橋大学内講演が中止となったそうだが、こうなった背景には、彼がもともと差別発言を繰り返してきたうえ、気に入らない言論や報道は権力によって弾圧をし、それでも足りなければテロや殺人を実行しようと非常識極まることを公言してきたため、大学内で講演させるには不適切な人選であると反対され、混乱やその警備などの問題にもなったからだ。
それなのに、百田尚樹は言論弾圧だと文句を言うなど非常識の上塗りをしていて、その矛盾は滑稽なほどだ。
そんな百田尚樹を擁護する人たちの中に、国会議員の原口一博がいる。彼は右翼発言と差別発言を繰り返すことで同類項だが、そんな人がいるから民進党は支持が伸びないのであり、最初は自民党だったのだから今は維新にでも移籍してもらうべきだと言われている。
しかし、よく、他人を差別する者は自分の劣等感の裏返しと言われるけれど、原口一博という議員もそれだろう。だから、とんでもないと思うと同時に気の毒でもある。
この原口一博は、民進党を代表する議員の蓮舫の家系に台湾人がいるという話から及んで、自分は何代前から日本人だと誇る発言をツイートしたために「炎上」したが、まったくナチのニュルンベルク法やアーリア条項と発想が同じだ。
しかし、彼は、自分の家系が遺伝病を持っている深刻な悩みを語っていた。遺伝性難病が自分の子供には顕れていないが、病気が遺伝によるものなので家族にも偏見などの影響があることを心配していたのだ。
それで、差別や偏見に反対するのではなく、家系に何代も前から外国人は混ざっていないから蓮舫とは違うのだという無意味な自慢と差別をした。そうすることで、家系の悩みを紛らわせたのだろう。
「人類を種としてよわめるがごとき要素を排除するのは、人類の統治者たる余にとって神聖な義務である」
それは具体的には身体障害者や貧困層や"優秀でない"人々に対する断種の強制であり、精神障害者を安楽死させることであり、弱者救済の社会政策をほとんど全廃することであった。ルドルフにとっては"弱い"ことじたい許しがたい罪であり"弱さを盾にとって当然のごとく保護を求める"社会的弱者は憎悪の対象ですらあったのだ。
『銀河英雄伝説 1』創元文庫版20ページ 田中芳樹 著
これは、過日死去した「正論文化人」の代表格・上智大学名誉教授・渡部昇一の書いたもののうち『知的生活の方法』の次に有名な『神聖なる義務』を小説の中で皮肉ったものであった。渡部昇一は、ある小説家を名指しして遺伝性難病の子供を作ったことが社会の迷惑になると非難した。
これに批判がおきると渡部昇一は、ナチスが障害者を排除したからドイツは発展したのであるから、ナチスにやられないためにはあらかじめ障害を持つ子供を作らないようにすべきだと説いたのだと書いて開き直った。この論法を、あの障害者施設襲撃事件にあてはめると、犯人のようなことをする者が出ないように障害児を産むなということになる。
それで、その後どうなったかというと、渡部と対談もする『産経』の「正論大賞」仲間の曽野綾子が、障害児を産んだ自民党の議員・野田聖子は社会に迷惑をかけていると非難することになるのだ。
ところが渡部昇一は生まれつき虚弱体質で、極端なマザコンであった。講演をすれば演壇から控え室まで母親の自慢話が延々と続く。彼が劣悪遺伝子を抹殺せよというのは自分を産んだ母親への怨みと甘えだったのだろう。
そして原口一博は、南京虐殺否定とか外国排斥とか渡部昇一と思想的な共通点が実に多い。自らが差別と迫害をされる側でありながら、それに反対するのではなく逆に積極的に迎合するということで一致している。そうすることで、家系のことと同様に、生まれつき抱えている悩みを他者を貶めることで自慰したのだろう。
だから、とんでもないと思うと同時に、気の毒に感じもするのだ。もちろん議員なのだから、その発言には責任をもってもらわなければならない。感情面で構造を分析はしたが、同情はしないし、してはならない。

by ruhiginoue
| 2017-06-05 15:49
| 政治





