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by ruhiginoue

セイフイスラム=カダフィ氏が釈放された

 海外からの報道によると、リビアで監禁または幽閉されていたセイフイスラム氏が釈放されたそうだ。かれはカダフィ氏の息子。過日は彼を釈放するよう請求するハイジャック事件があって失敗していた。
 それが、かれこれ五年以上も拘束されていたのが突然の釈放である。今、彼はどこにいるのか詳しいことは不明である。

 これに、いろいろな憶測が巻き起こっている。もっともよく言われているのは、リビアが分裂状態であるため、こんな混乱よりはカダフィが独裁と言われようとあの強面で国を平定していた時代のほうがよほど良かったと多くのリビア国民が言っていることで、その息子を利用して国をまとめようということではないか、ということだ。

 かつて、カダフィ氏が日本のテレビのインタビューを受けて、カダフィおなじみテントとつなぐ衛星中継をTBSが放送していたが、この当時ちょうどイランのホメイニ氏が死去したばかりだったので、それについて訊かれたカダフィ氏は「毛沢東が死んだあとの中国のように混乱しないか危惧し、自分としても助言している」と言っていた。
 また、このときは中国で第二次天安門事件があったばかりでもあったので、それについても訊かれ「改革開放路線の当然の混乱だ。欧米の物質文明に対して門戸を開くと、物質が行き渡るには時間がかかるが、価値観は瞬時に拡散する。こうなると国民の中に不平を言いだすものが必ず出る」と指摘していた。

 いちいちごもっともではあるが、それなら毛沢東死後の中国とホメイニ死後のイランに危惧されるカリスマ亡き後の混乱ならリビアも同じことであるから、よその国の心配より自分が死んだ後のことを考えるべきではなかったと感じる。
 しかし、カダフィ氏としては、もう息子が代わりに働いているので自分は「生前退位」していると思っていたのかもしれない。セイフイスラム氏は外国語に堪能で外交を受け持っていたし、日本でも筑紫哲也氏に英語でインタビューを受けていた。

 また、セイフイスラム氏は画家でもあり、展覧会に自作を出品して文化交流にも努めていた。そして欧米を相手にした経済活動も活発にして、リビア国民は非常に富裕になっていたが、それが逆に国民から文句を言われる原因でもあった。カダフィ氏が中国について指摘したのと同じである。

 やはり父親が軍人で息子は芸術家肌というのは金日成と金正日の父子もだが、父親より息子は韓国や日本と融和を進めようとしていて、そこへアメリカに付け込まれたため「不意打ち食らわされた」と言ったらしい。
 そしてリビアで同じことがあり、もっと酷いことになった現実があるから、北朝鮮は今もアメリカに対して隙を見せまいとしているわけだ。
 そして、こういう問題を日本のマスメディアはきちんと報じない。
 これは北朝鮮を敵視してプロバガンダに利用しようとする政府に従わされているだけでない。

 そもそも大手マスコミの記者たちの無関心が原因であり、また、中東イスラムと北朝鮮や中国など東アジアとヨーロッパとアメリカとアフリカ諸国と、それぞれバラバラに専門としている記者ばかりであることも原因だ。専門の医師が全身を診ることができないのと同じことである。

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by ruhiginoue | 2017-06-11 18:28 | 国際