東大出は同じでも高校が麻布と開成で違うか
2017年 06月 17日
今話題の人である前川喜平氏は麻布高校から東京大学と進んだ学歴で、親戚になる中曾根もと文部大臣が述べるところによると、近所だから麻布に進学したそうだ。
また、映画監督・山際永三氏も麻布高校卒で、やはり近所だから行ったということだった。前川氏より二十歳も年上の山際氏の当時は進学校とか受験校とかいう観念も特に無かったらしい。山際氏は大学は慶応でテニス部だった、というからいかにもお坊ちゃまという感じだが、白樺派の志賀直哉とは親戚である。
そして、そんな家系の人にしては左寄りな言動をすると周囲で言われているけれど、ルキノビスコンティ監督も貴族の出だが左寄りであった。ただ、山際氏は「言いたいことは我慢しないで言うべき」とか「仕事は妥協しない」とか、そういう主義である。だから政治的にどうこういう以前のことだろう。
そして前川氏も、学校では優等生でエリートコースを進み、堅物で仕事の鬼だったと中曾根氏も書いていた。そういう意味では山際氏と同じだろう。仕事とか政治とかでは全く違うが。
さらに、やはり東大進学が多い開成高校を出た人が、麻布高校を出た人のほうが率直にものを言うような気がすると言っていた。
これについては昔「開成高校生殺人事件」があったとき、この裁判をすべて傍聴した朝日新聞の本多勝一記者が書いた記事を『子供たちの復讐』という本にまとめているが、ここで親に殺害された開成高校生の同級生に話を訊いたら、麻布と開成はどちらも猛烈受験校の私立校で家庭も富裕な人や意識の高い親を持つ生徒が比較的多いけれど、場所が下町の開成と違い山の手の麻布なのに、生徒会の交流などで会うと「今の政権はダメだ」とか平然と語る人が麻布高校生にいるので意外だったと開成高校生が言っている場面が出てくる。
今はどうなっているか現役生と話したことがないので不明だが、社会人では、東大出でエリートっぽい人や慶応出で育ちがよさそうな人で、しかし「言うべきことは言う」の人がいると、高校は開成より麻布が多いような気がすると自分でも思う。何百人も会ったわけではないが。
ただ、いわゆる下町根性のために出世亡者と化して保身が優先するかどうかで、同じ東大出でも高校が麻布と開成で違っていると感じせるのかもしれない。
by ruhiginoue
| 2017-06-17 19:19
| 社会