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by ruhiginoue

締め切り遵守は迷惑かけないためであり自分のためでもある

 「〆切を守る書き手は、他人にアタマを下げることが大嫌いなプライドの高い人たちで、〆切を延ばしがちな書き手は、他人にアタマを下げるかどうかよりも、作品の質にプライドを置いている人間なのではなかろうか」

 これは、ある、コラムやコメントを仕事にしている人の発言である。

 これに対して、仕事が遅くて他人に迷惑をかけても謝るのが嫌なだけなのに開き直っているという批判があった。
 また同業者からは、締め切りは守るべきで、これは仕事に対する責任だと指摘されていた。

 まず一般論として、完成度に拘り丁寧であるため時間がかかってしまうこともあるが、ただモタモタしている人や、それで編集や印刷にしわ寄せがいくことなど気にもしない人もいるし、そんなジコチューな人は当然ながら他人に頭を下げるのも嫌いである。

 かつて漫画雑誌の編集者たちの間で、原稿の完成が遅い漫画家の双璧として「オソムシ・オソジ」と言われていて、これは手塚治虫と松本零士のことだった。手塚治虫は原稿が完成したあとも手を入れたがり、これが遅くなる一因だったらしいが、頭を下げるのではなく逆に巨匠だからできたことだろうし、松本零士は描き始めるまでが遅くて始めたら早かったそうだ。

 過日、小林よしのりは、漫画の中で歴史の話をしているさい天皇の名を取り違えて書いてしまい、読者に指摘されて訂正していたが、文字を写植するさい出版社のほうで何故気づかなかったのかとも言われ、小林よしのりは締め切りに追われて慌てていたと釈明した。
 あのとき選挙演説していて遅れたからではないだろうが、このように、ギリギリになると校正や校閲の時間も少なくなりウッカリミスを世に出してしまうことにつながるから、早く仕上げて締め切りを守るのは自分のためでもある。

 これは音楽も同じことで、楽譜の誤植訂正はもちろんだが、演奏の質にも影響する。
 あの武満徹は作曲を委託されると務めて納期より早めに仕上げ楽譜を演奏家に渡していたそうで、これは演奏家にとってとても助かることだとピアノの高橋アキが言っていた。練習する時間はなるべく多いほうが良いに決まっているからだ。
 そして発表するさい演奏の質が高ければ曲の評価にもつながる。だから早く仕上げることは作曲家にとっても有益なのだ。

 こういうことだから、遅くなるのは質に拘っているから、なんて言うのは、ただの言い訳と開き直りでしかないこと明らかである。



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by ruhiginoue | 2017-10-15 17:31 | 雑感 | Trackback | Comments(0)