アルマーニの制服とは昔のテレビみたいな話
2018年 02月 09日
東京・銀座にある公立の泰明小学校は、標準服がこの春から高級ブランド「アルマーニ」のデザインに切り替わり、大幅に値上げされることが話題で、全部で9万円ほどになる。「公立校なのに」と批判的な意見も出ている。
この標準服を決めたのは校長の独断だったそうで、「街との絆」を感じながら泰明小で学んでほしいとか、銀座の街あっての泰明小学校で標準服もその要因の一つであるとか、視覚的な同一性により泰明の標準服を身に付けているという潜在意識が学校集団への同一性を育みスクールアイデンティティーに昇華して愛校心・所属愛・学校に対する誇りが自己の存在と重なるとか、そういう説明をしていた。
これについて批判している人たちは怒った様子だが、こっちは笑ってしまった。まるで昔のドラマやアニメみたいだからだ。
今では不倫の公表で話題の小泉今日子が初主演した80年代のドラマ『少女に何が起こったか』(やっぱりこういう内容は大映テレビ)では大学に制服があり、それは良家のお嬢様のためなのに、そうでない者が着ていて相応しくないと嫌味を言われて、そんなお嬢様にふんする賀来千香子と高木美保に、小泉今日子のふんする主人公は虐められていたけど、そんな懐かしい番組を思い出させてくれた。
あの、70年代に放送された社会派の要素もあったファンタジー『魔法のマコちゃん』には有名デザイナーの制服導入という挿話があって「高すぎます」とマコが抗議していたし(『制服はいやよ』)、また90年代には原作以上にギャグが強くて好評だった 『きんぎょ注意報!』(『セーラームーン』の前の番組)では、主人公らの通う「田舎ノ中学校」を見下す「都会ノ学園」が金持ちしか入学させない方針であるとか高価な制服とか気取っていて、そこにアルマーニのパロディで「サルマーネ」というブランドが登場する(『制服なんて大キライッ』)。
というわけで、公立なのに銀座だからと言う校長が、昔のテレビを彷彿とさせることをしてくれたから、笑ってしまったのだった。
by ruhiginoue
| 2018-02-09 07:20
| 社会