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by ruhiginoue

余計な仕事を増やした朝日新聞

 かつてバイトをするようになった最初のころ、ある職場でしつこく、こう戒められたことがある。

 「よけいな仕事を増やすな」

 これは、横着すると後始末をしなければいけなくなり、かえって忙しくなるという意味だ。

 これを思い出したのは、朝日新聞社が従軍慰安婦の記事のことで嫌がらせも同然の訴訟を起こされたが勝訴したという報道のためである。

 この裁判は、一審も二審も朝日新聞社の完全な勝訴であるが、このあと最高裁が異常に政治的とならない保証はないし、それ以前に、裁判で勝訴したから名誉が回復されたというわけではなく、もともと訴えを起こした人たちは、その訴えの内容からして、いいかげんでも何となくでもいいから印象を貶めてやればいいという意図であることが明らかだから、法的な救済を司法に求めるのではなく政治的であり、この点では朝日新聞社の完敗だと観る人もいる。

 それ以前に、そもそもこれは朝日新聞社にとってまさに「余計な仕事」である。政治的な圧力に屈して従軍慰安婦の記事のうち「吉田証言」を報じた部分を取り消したことで、従軍慰安婦の記事はすべて捏造であったと騒がれてしまった。そんな意味にはならないと後からいくら反論したところで、もともと「朝日新聞の捏造」と叫ぶ人たちには知ったことではない。
 だいたい、従軍慰安婦でも吉田証言でも、他の新聞だって取り上げていて、取り消したりはしていない。そこには読売や産経も含まれている。それでも「朝日新聞の捏造」と喚くし、これ以外の件でも、朝日新聞ではなく他の新聞やテレビの報道なのに「朝日新聞の捏造」と言う連中である。

 これが一部の変な人やバカな人だけではなく、総理大臣ら政権の中枢までそういう人であり、だからそれに媚びる人や、いつも卑劣な池上彰のように朝日新聞にインチキ非難したかと思えば他のメディアを批判してみせて同時にしっかり政権には媚びるというお調子者の電波芸者がいたりする。

 このあたりは拙書『朝日新聞の逆襲』(第三書館)で詳しく述べたとおりだが、そういう状態で圧力を受けたところ安易にやり過ごすつもりでいた朝日新聞社は付け込まれたのだ。

 おかげで、本来はしなくてよかった余計な仕事が増えてしまったのだ。


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by ruhiginoue | 2018-02-10 15:34 | 司法 | Comments(0)