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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を読んでもらえたら嬉しく存じます。


by ruhiginoue

高田馬場の近くの大学と古本屋

 かつて、高田馬場の古書店街で買い物をしたとき、近くにある大学の学生が使い終わった教科書を売りに来て、店主はどこの学部かという話を慣れた調子でしていたから、ここの店ではそこの大学の学生が教科書や参考書の売り買いをしているのだろうと思った。
 こういう店が大学の近くにあると便利だろう。

 このとき「ソプラノ課題とバス課題の実施」のための和声学の教科書が何故か店に置いてあり、それに前の持ち主の名前が書かれていて、だから安いのかと納得しながら、教科書なのでとにかく使えればいいからと買ったのだった。
 これを、習っている音楽の先生が見て、誰かの名前が書いてあるので借り物なのかと訊ねられたから、高田馬場の大学近くにある古本屋で安く手に入れたと言った。その大学は総合大学だが音楽の学部はない。なのに、よく置いてあったものだということも言った。

 そして、教科書を売りに来た学生の話をしたところ、先生は、なんとも不可解そうに、なんでそんなことをするのかと言った。売るなんてことしないで後輩にあげればいいのに、自分はそうしていたし、同じ大学の人たちもそうしていた、というわけだ。
 おそらく、今はわからないが当時その高田馬場にある大学は貧乏学生が多いと言われていて、一方その音楽の先生の出ている音楽大学は学費が高く、二倍くらいの差があったはずだから、教科書のことがセコイと感じられたのではないか、と思ったものだ。

 ただ、金があろうとなかろうと、高い学費に比べれば高額な教科書でもしょせんは本なので微々たる値段という感じがする。だから、あの高田馬場の古書店で教科書を売り買いしている学生も、楽しんでいる要素があったのではないかと思う。ネットオークションで売り買いしている人たちも、手間がかかる割に利益は少ないけど遊びの感覚でやっていると言う人が多いので、それと共通しているのではないかと想像している。




by ruhiginoue | 2018-02-25 19:34 | 雑感