朝日新聞を褒めすぎる軽率さ
2018年 03月 14日
日本でロッキード事件など航空疑惑が問題になっていた70年代、やはりアメリカでも軍用機の導入で業界が政界に札束攻勢をかけていた。しかしアメリカではマスコミが厳しく追及して問題の企業と政治家らを追い詰めた。だからアメリカのジャーナリズムは立派だと言う人が日本に少なくなかった。
この一方で、アメリカの「リベラル」なジャーナリズムは、別の後ろ盾があったから告発や追及ができたという指摘がされていた。これからは軍用機ではなく電子誘導兵器の時代であり、だから爆撃機などより巡航ミサイルにすべきだ、などと政府に売り込みたい新勢力としては、政界と癒着する旧来の軍事産業界を叩く意図があり、その意図にアメリカの「リベラル」なジャーナリズムは忠実だったということだ。
このようなことが日本でも様々な方面から何十年も前から指摘されてきたというのに、秘密文書を暴露して政権と闘った勇気あるアメリカのジャーナリズムという美談の映画など空々しくて観る気も起きない。
ところが、これを今回の朝日新聞と財務省のガマン比べを同一視している人もいるので、甘いなあと呆れてしまう。ガマン比べで朝日新聞が勝利したことはいちおう良かったが、これだけで見直したとか言っては軽率すぎる。
その朝日新聞のスクープは、誤報であれば勿論のこと、そうでなかったにしても政府側の反撃に遭えば会社が潰れかねない社運を賭けた報道ではあった。これを、いつも勇気のないことで昔から定評のある朝日新聞の幹部らは、どこでどう決断したのだろうか。
すでに言われているとおり、政権内の反安倍勢力から朝日新聞に後押しがあったという見方ができる。
その空虚なハリウッド映画のネタ・ペンタゴンペーパーだって、ニューヨークタイムズへ体制内の反ニクソン勢力からリークと言われていた。
その記者ニール=シーハンの『輝ける嘘』は長ったらしくて読みにくかった(邦訳のせいかもしれないと多くの人が言う)けれど、それは別の機会に語るとして、ペンタゴンペーパーでは実際に政府から圧力があり新聞社は闘ったが、しょせん「コップの中の嵐」であっただろう。
だいたい、さんざん戦争して企業は大儲けしておいて、そろそろ撤退したくなった頃にスクープというのが芝居がかっていた。このことは、当時、朝日新聞の本多勝一記者らも指摘し、「アメリカのジャーナリズムは立派だ」と賛美するなんて無邪気すぎると言われていた。何十年も前から、だ。
そして、その後のニューヨークタイムズの体たらくは、言うまでもない。 だから、朝日新聞についても、無邪気に賛美せず慎重に観察することが必要である。

by ruhiginoue
| 2018-03-14 07:44
| 社会





