自殺した夜学卒の公務員と自殺させた東大卒の公務員
2018年 03月 15日
麻生財務相を擁護する気は毛頭ないが、しかし彼としては「安倍とカミさんが問題なのに、俺が詰め腹なんて冗談じゃない」と言いたいのだろうし、そう言いたくなる気持ちは誰だってわかるだろう。
これは、周りで色々と言うより当の安倍昭恵・首相夫人が国会に出てきて話せばいいことで、そうすること自体には何の問題もないのだが、なのに自民党は国会招致を拒否している。これはただ印象が良くないという程度のことだろう。
しかし、もしも昭恵夫人が国会に出て話すことになったら、これがテレビ中継されて全国から注目される。さらに世界各地にも配信されるだろう。そうしたら、多くの人たちが連想するのは何か。若い人の中には知らない人もいるだろうが、1980年に物心ついていた人なら、中国で毛沢東の奥さんが夫の威光を笠に着て勝手なことをしまくり国を私物化したと大問題になった件で、中国全土から世界各地にまで放送されたその様子を、たちまち連想するだろう。
ところで、この件に関わり自殺者が出てしまったが、この人は働きながら夜学を出て公務員になった人らしい。真面目な努力家だったという評判である。
つまり、東大を出てエリート官僚になり、政治家に転じたり政治家に忖度したりで出世するか、あの前川氏のように「面従腹背」できる人じゃなかったのだろう。苦労した真面目な人はだいたい要領が悪いから貧乏くじ引くことになってしまう。
かつて東大出の人が、こんなことを言っていた。大学にこだわって苦学して夜間部を出るのは考え物だ、と。
そりゃ、学歴が無いと希望の就職ができないのは確かで、学歴社会の現実は無視できない。
でも、家庭に恵まれ金の心配もせず要領よく受験で成功したうえ余裕綽々の学生生活で大学の勉強以外にも色々してきた人たちの中に、働きながら勉強することで体力も時間も精神もゆとり無くやっと大学を卒業した人が入り込んで勝てるわけがない。真面目な努力で頑張ってきた者など、狡猾さを当たり前のように身に着けていながら自然体でいられる者たちにとって、便利な使い捨て人材であるよ、と。
こういう現実を、学校の教師は無視し、それ以上に知らない人が多いから、テキトーに「努力すれば可能性が広がるんだ」などと分かったふうな口をきくのだ。
どうせうちは貧乏で、恵まれていないから諦めて、最低より少しでも上に行けたら幸運だ、くらいに思っていたほうが、傷つかないから人生が安全である。
by ruhiginoue
| 2018-03-15 06:47
| 社会