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by ruhiginoue

松崎いたる議員を「反面教師」にしなかった日本共産党の失敗

 「反面教師」という言葉がある。これは悪い手本として教えることができるという意味であることは周知のとおりだが、もとは中国から輸入された言葉で、故事成語よりもっと新しい、毛沢東が演説の中で組織論を説いたことから来ている。
 これは、組織に害悪を与える構成員が、よほどひどくてやむを得ないという場合ではないなら、それを追放するよりも、重要な地位に就けずに閑職として、みんなが気を付けるべきだと思う見本に置いたほうが有益だという意味だ。

 この言葉を日本で実践している企業があるけれど、日本共産党も見習うべきであった。そういうことが現実にある。
 例えば、前に共産党所属の板橋区議会議員が同党の会派内で一部の不満から離脱し、勝手な活動を始めたため除籍処分となった件である。

 この松崎いたる議員は、同区の元職員(私人なので伏名)を口汚く罵り名誉毀損などで裁判に訴えられていた。この元職員はしばしば右翼的な発言をしたことがある。それで最初は同議員を擁護する共産党員たちがいた。
 しかし、もともと同議員は他にも問題になっていた。やはり乱暴な言動のためだ。そんな人が裁判に訴えられ、内容が個人的であるうえ言動も違法行為とされて仕方ないものだから、共産党として裁判を支援しないと決定したとのことだった。

 そんなに問題があるなら、党の公認で議員にしてしまったのだから「反面教師」にしておくべきだった。そのうえで、議員が裁判で敗訴したら、精査したところ不当判決というものでなかったという理由で除籍や除名の処分にしても遅くなかった。裁判が長引き途中で選挙になったら公認しない対応もできる。
 なのに裁判の判決が出る前に追放する形としてしまった。これにより同議員は、元職員から訴えられた共産党の乱暴な議員から、共産党内で意見が対立して追放された議員へと変わった。

 また、共産党区議団内で意見が対立したのは、元職員が区と揉めて辞職した問題と間接的だが関係しているのだ。
 しかも、もとは共産党の法務部門でさえ同議員は敗訴の見込みが濃厚だと言っていた訴訟だったが、しかし担当する裁判官はマスコミでも取り上げられたトンデモ判決連発で悪名高い男だった。少し長いが記事を引用する。


「アホ判決」91歳の認知症夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令実名と素顔を公開この裁判官はおかしい

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認知症患者Aさん(91歳・当時)がJR東海の線路に入り込み、快速列車にはねられて2万7000人の足に影響を与えた責任は、介護をしていた妻のB子さん(85歳・同)にある—。
4月24日、名古屋高裁が下した判決は、あまりに非情かつ非常識なものだった。
事故が起きたのは、'07年12月7日の夕方。愛知県大府市に住むAさんは'00年から認知症の症状が出始め、このころには要介護4と認定されるほど症状が進んでいた。自分の名前も年齢もわからず、自宅がどこなのかも認識できない。昼夜を問わず「生まれ育った場所に帰りたい」と家を出る。
それでも家族はAさんを必死に介護した。長男は月に数度、週末を利用して横浜から大府にやってきた。長男の嫁は単身、大府に転居。B子さんと一緒に介護にあたった。自宅周辺にはセンサーを設置して、Aさんが外出するとチャイムが鳴るようにした。
それでも悲劇は起こった。
夕刻、長男の嫁が簡易トイレを片付けているほんの一瞬、B子さんがウトウトした隙にAさんは家を出てしまったのである。チャイムの音が大きくてAさんが怯えるため、センサーのスイッチは切られていた—。
交通機関はこうした場合、機械的に遺族に損害賠償請求をするが、「株主の手前、形式的に請求はしますが、本気で損害金を回収しようとは思っていないケースも多い」(JR東海関係者)。
(略)
上田哲裁判長は〈民間のホームヘルパーを依頼したりするなど(在宅介護をするうえで)支障がないような対策を具体的にとることも考えられた〉などとして、別居の長男にも720万円の賠償命令を下したのだ。老老介護状態だったB子さんにも容赦しない。
〈まどろんで(Aさんから)目を離していたのであるから、注意義務を怠った過失がある〉と、やはり720万円の支払いを命じている。
国民の多くが「そんなバカな」と仰天する判決を下す裁判官たち。彼らはいったいどのような人物なのか。
(略)
「東京地裁の判事時代には、業務上過失致死罪で、〝血友病の権威〟安部英医師が逮捕・起訴された薬害エイズ事件を担当。安部医師に無罪判決を下しています。その直後、出世コースである最高裁の調査官に栄転。千葉地・家裁判事などを経て、'12年から名古屋地裁の部総括判事に就任しました。幹部候補生であることは間違いない」(全国紙司法担当記者)
裁判官の世界ではエリートだが、常識はない。25年前から認知症患者のケアをしている精神科医の和田秀樹氏が憤る。
「地裁はAさんの4人の子供のうち、最も介護に腐心した長男の責任だけを認定しました。これでは、怖くて誰も親の面倒をみられなくなってしまう。正直者がバカを見ることになるからです。二審は妻の責任だけを認めましたが、老老介護の立場になったら、認知症になった連れ合いを捨てるか、心中してしまえと言わんばかり。家族の不安をひどく煽っています」 ー週刊現代2014年5月24日号より


 こんな裁判官である。認知症の夫に苦悩した85歳の妻や親族たちの無念は察して余りあるし、薬害エイズ事件の判決に川田龍平氏(現議員)が悔しそうに「納得できない」と何度も繰り返し言っていた様子をテレビで見た人も多いだろう。
 
 これだから、右翼的な区の職員が共産党の議員を訴えたなら、その訴えを認めたであろう。他の裁判官でも認めそうなほど、原告の弁護団は用意周到であったのだから。
 ところが、この件に関連して被告は共産党の内部対立により追放されてしまい、反共産党の勢力から神輿に乗せられ担がれるようになった。いずれ議員を辞めることになったら、あの筆坂元議員ら放逐された党員たちのように『そこまで言って委員会』や『月刊WILL』といった右派メディアに出るのではないかと言われた。
 
 そして原告は敗訴し、同議員は自分の言い分が認められたと大はしゃぎ。共産党に反感を抱いている右派と左派どちらも狂喜して便乗し、共産党攻撃をしている。
 この態度、右派は当然にしても、左派の一部の人たちとしては、出世亡者で権力に媚びトンデモ判決ばかりと悪評の裁判官が、この事件では公正な判決にする奇跡が起きたと言いたいようだ。

 しかし、この元職員は、関連する複数の訴訟で板橋区と勝訴的和解をしており、さらに業務で関与した委託業者による訴訟では一審の敗訴が控訴審で逆転勝訴という、まず役所は負けないはずの行政訴訟としては異例どころか画期的な結果である。
 こうなる背景がもともとあったから、共産党が松崎いたる議員による元職員への個人攻撃などを不適切であると判断したのも当たり前のことだろう。

 つまり負けたのはマスコミにも取りあげられたほどトンデモ判決で悪名高い裁判官によるものだけ。
 この事実を無視して「松崎いたる議員が正しかったことが証明された。共産党は反省せよ」といいかげんなことを言っている連中がいる。そこには安倍内閣に媚び売る人たちだけでなく反共産党の左翼もいる。まったく、なりふりかまわぬ反共攻撃である。

 この結果は簡単に予想できたことだ。現に自分でも、前に原告と仕事で関わっている人に対して指摘していた。これと同じことを、常に権力にすりよる裁判官が考えないわけがない。
 そして、これはこのブログを前から読んでいる人なら憶えているとおり、同議員の問題は内容的に個人的だと共産党は考えたらしいが、しかし同議員は共産党の議員としての活動の一環であると公言しているのだから、同議員だけでなく日本共産党も被告にして「共同不法行為」であると訴え、共産党が悪いと騒ぐべきだと提案していた。これはあくまで戦術である。
 しかし、この原告は、そのようなことを考えない人だったようだ。また、弁護団も、トンデモ判事が来たので一審を諦め二審を前提に準備していたらしい。

 こうなることを共産党は予想できなかったのだろうか。同党としては同議員が敗訴しそうだとみて、その前に厄介払いのつもりだったのかもしれない。同議員を知る共産党員たちに言わせると、我が儘が通らないと感情的になるなどしていたし、威圧的な態度により区民から党区議団に苦情が寄せられ、なにかと困っていたらしいから。
 そうだったとしても、放逐して裏目に出ることは解るはずだ。原告としてはさぞ迷惑だっただろうし、それが悪宣伝のネタにされ共産党にとっても大損である。そんなことになるより、松崎いたる議員のほうから勝手な活動をするため党の会派を出て行ったのだから放置しておけばよかった。そうすれば、出て行っただけだから追放されたと悪宣伝されないし、そのうち例の歴史修正主義の教科書を作る会で騒いだり揉めたりを繰り返す藤岡信勝と同じになる。
 どうも共産党は読みが浅すぎるのではないか。


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by ruhiginoue | 2018-04-12 12:09 | 政治 | Trackback | Comments(0)