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by ruhiginoue

所属弁護士会の対応には何も言えず懲戒請求者を訴えた弁護士たち

 大量の懲戒請求で、焚き付けた者より先ず煽られた無知な個人を訴えることは、弁護士自治の見地から問題が多いという指摘が色々と出ている。
 あの橋下徹弁護士も、大量の懲戒請求という方法をポピュラーにした張本人であることは別にして、本件では、弁護士会の対応をまず問題にすべきなのに、素人の請求者に訴えると脅して和解を迫り金を取るのは弁護士の品位を汚すと批判している。
 この橋下徹弁護士には、他の人たちと連名だが懲戒請求したことがあり、このため彼は処分を受けているが、それとは別問題である。この部分に限っては賛成である。

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 ここで東京弁護士会はいちおう被害者であるが、損害を不合理に拡大させてはならない義務(損害軽減義務)があるはずだ。
 そもそも、まったく同じ内容の懲戒請求が来たら、弁護士会から請求者たちに連絡し、併合すると告知して、これを了承するか、あるいは拒否して取り下げるか、先ず確認して一件にまとめ、そのうえで被調査人となる弁護士に回せば、その弁護士が大量請求で無駄な手間暇をとられる「損害」など初めから発生しなかったはずだ。

 また、懲戒請求は一般人に開かれた制度である。そうである以上、受理することによって相手方に住所氏名が伝わること、嘘は論外だが、誤解であったとしても不注意すぎる場合(ただし判例では弁護士より一般人は注意義務が厳しくない)は、不当な請求として損害賠償の恐れがあること、などの告知も必要である。
 どんな専門家にも、相手に対して要件の告知義務がある。そうでなければ、そもそも専門資格とは皆が安心できるようにするためのもの、という趣旨に反するからだ。この点で、弁護士会は懲戒請求についても、この義務を果たしているだろうか。それがないのに、無知な人が誤ったからと専門家から訴訟するものなのか。

 「同じ懲戒請求が大量に来ているが、ほんとうに制度を理解したうえで、自分の名義つまり個人的に責任を持つと、明確に認識してのことですか」と確認をすれば、取り下げた人が多かったはずであることは、訴えると言われて焦る人たちを見れば明らかだ。

 また、その代理人弁護士は、それら懲戒請求は差別意識に基づいたものであるから差別問題だと言う。差別糾弾のためなら何でもありでは朝田善之助と同じではないか。
 それを問題にするなら、弁護士会も問題にすべきだ。もともと弁護士会は、差別について人権救済を求めても相手を恐れると逃げてしまうし、懲戒請求にしても相手が普通の人だとナメた態度で、組織的で威圧的だと萎縮するものだ。
 そして、人権を守るために権力と対峙するから自治が認められているのだけど、弁護士会は逃げる方便にするだけだ。

 しかし、弁護士たちは囲い者である立場の弱さから弁護士会を批判しにくいし、裁判官も辞めたらだいたい弁護士になるから弁護士会は天下り先なので、どんな怠慢や不正があっても断罪しないもの。
 だからといって、その法曹界のだらしなさも原因である法的に無知な人たちを標的にするのは八つ当たりでしかない。

 ところが、その弁護士たちは、自分も一個人として損害を被ったから賠償請求する権利があると言っている。寝言は寝てるときに言うべきだ。本件は弁護士だけに与えられた特権である自治の場で、それゆえ起きたことだ。
 だいたい弁護士も医師も、みんなそうだ。普段は専門家ゆえの特権を享受していて、都合が悪くなると一般市民と言い出す。

 そんなに賠償請求したければ、すでにみんな言っているが、どうして煽動した者をまず追及しないのか。ネット上でのことだから、送信情報開示請求したり、警察がやっているように専門家を雇ったり、そうすれば判明は可能だ。金がかかるけど彼らは費用の寄付を募っていて、それ相当に集まったと言っていた。
 それをしないで、まず騙された無知な一般市民たちを弁護士たちが攻撃している。しかも、弁護士の特権である自治の中で知った個人情報を逆手に取って。
 
 そんな弁護士に味方する人たちはネトウヨやレイシストを懲らしめろと過熱してしまい、懲戒請求した連中と同じ状態に陥っている。こういう愚かさに右も左もないということだ。
 しかし、ネトウヨや差別と闘っているとか橋下徹から非難されたとか、そんな猿芝居に騙される人ばかりではない。よく見ると社会的見地からも法的見地からもおかしなことだらけと気づく人も多い。

 つまり、しょせん彼奴らも日本の弁護士だ。


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Commented by at 2018-05-18 17:50 x
ご趣旨は分かるような気がしますが、伊丹万作が指摘したように騙されたものにも十二分に責任がありますし踊ったネトウヨたちは騙されただけではなく積極的に騙す方にも回っています。”無知で無垢な故に騙された可哀想な一般市民”とは括れないでしょう。犯罪的に馬鹿で卑怯で無闇に攻撃的でただ単に迷惑なだけネトウヨに過ぎません。日本でない先進国なら良くて社会的責任の追及、悪ければ刑事責任を取らされるようなことをやっている連中です。
 いい歳のバカが山ほどいる、オモチャにする奴が山ほどいることを前提にしない制度に問題あり論もわかりますが、住所氏名捺印しての懲戒請求を安易にするのはネトウヨの非常識で、誣告に対する”反訴”を喰らっても仕方ない。殴り返されるのが嫌なら自分から殴らなければいいだけでしょ。この手のネトウヨは自分がこっぴどく叱られなければ、自分が何をやったのかそれがどんなひどい事なのかわかる契機も掴めない手合い(実刑食った戸塚のように死ぬまでわからない輩もいますが)ですから、キチンとやらかしたことについて落とし前を付けさせるべきです。まあ、人間としての責任能力が十全にはない人々も多数いるようですからそういう人たちには判決の方に反映されるでしょうし、弁護士の方は「ネトウヨだからと言って仕事の依頼は断らない」と言っていますからその場合(持ち出しになっても)福祉や(森川すいめい医師をはじめ)医療に繋ぐなどフォローをして下さることでしょう。
Commented by at 2018-05-18 17:52 x
 また、これらの弁護士の方は騙した方の刑事も含めた責任を追及すると言っていますし、ネトウヨの責任追及はそのための将棋の手順のようなものです。頭を潰すことには意味がありますが、隣の者が地雷を踏んで爆死しても”あいつは在日のナリスマシ”で切断処理をして気にしないネトウヨの群れを放置していてはいくつ頭を潰してもサメの歯のように別の頭に踊らせられて攻撃を続けるでしょう。日本とドイツの戦後の違いは、戦犯追及の差だけではなく、「無知で無垢な騙された可哀想な一般市民」一人一人の責任追及をしたかどうかですよ。
Commented by at 2018-05-18 17:52 x
 ま、関東大震災のように煽られて正義に目覚めて被差別者(と自分が見做した者)をナニしまくったとして罪はないかと言えば、ある訳です。馬鹿にしても攻撃しても反撃を喰らうことがないなんて舐めた考えに飛びつく者は、この際落とし前を付けさせるべき。弁護士以外にも攻撃しまくって来たけれど、多くの被害者は反撃できなかった経緯があるのでこれで一般ネトウヨやボス的ネトウヨがいくらかでも反省したり、怯んだり戦線から脱落したりすれば少しは世の中がマシになるでしょう。
 むしろ、問題は13万件もの懲戒請求、否、アヤをネトウヨにつけられていながら、個々の弁護士を除いて放置していた日弁連や各弁護士会の怠慢でしょう。制度云々以前に、誣告してきたネトウヨに組織を挙げて法的に反撃してこなかったことがこれほど問題を大きくしたと思います。おかげで堪え難きを耐え忍び難きを忍んで来た個々の弁護士が個人として蹶起せざる得なかったわけです。今からでも、日弁連や各弁護士会は総反撃して欲しいですね。仕事ない若手に実務を任せれば修業にもなっていいと思います。
 魯迅は「フェアプレイは時期尚早」の中で「水に落ちた犬は叩き殺せ」と書きました。彼は、”ネトウヨ的イデオロギーの偉い人がたまたま下手を打って立場が逆転した時、立派な人たちは連中がしおらしい態度を取り反省と恭順の意を示すと、大人らしくこれを許してしまう。しかし、連中は反省なんかせずに秘かに叛逆の準備をしていて逆転のタイミングを掴むや、寛容な大人を殺してしまう”と例を並べています。連中は人権だの立憲主義だのくそくらえで法律に従え死刑萬歳リンチ萬歳自己責任でやって来たのですから、自分の行ったこと、やったことに殉じさせてあげるのはむしろ礼儀でしょう。ま、ブルジョワ法を唾棄、否定するガチ左翼のように、法律が間違っているだの、従わないだのわめいているのはまことに滑稽であります。
Commented by ruhiginoue at 2018-05-19 08:05
戸塚宏のことが出ましたが、彼を擁護する人は、それでも問題児がいかにひどいかと強調しています。
死刑制度についても、犯罪の抑止にも解決にもならないことがわかったら、個別の犯罪者について、いかにひどいかと強調します。でも、権力による殺人であることにかわりありません。
ネトウヨが懲りたとしても、今度はもっと別の方法や、よりやりやすい憎悪の対象に意識を向けるだけでしょう。
そしてネトウヨを退治したやり方を逆手にとって、逆の立場の市民たちが権力に迫害されるだけです。
また、人権派といわれる弁護士たちの変節と転向も大勢みてきました。
すでに、弁護士会の懲戒では、デマどころか事実で証拠もある請求であっても、権力や大資本の代理人弁護士は「業務妨害で訴えてやる」と恫喝し、そういう弁護士だからと味方する裁判官が多いので良心のある人たちも萎縮していて、弁護士会は無法状態です。だから懲戒請求者を弁護士が訴えるとは不穏当だという今の橋下弁護士や自民党議員の言うことを応援しておいたほうが、むしろ権力にとっては不利となるのです。
Commented by ruhiginoue at 2018-05-19 08:18
>これらの弁護士の方は騙した方の刑事も含めた責任を追及すると言っていますし、ネトウヨの責任追及はそのための将棋の手順のようなものです。

自分が被害に遭ったとき、警察で知能犯担当の人に訊いたら、犯人割り出しは専門家を雇うが、手間がかかり百万単位の報酬を払うことにもなるので、殺害や爆破の予告でもなければ、個人でやってもらうしかないと言われました。だから前に述べたように東南アジアから登記簿謄本を取り寄せたと掲載したのです。
また、送信情報はIPアドレスなど早くしないと無くなってしまうことがあります。
この意味でも、手順が逆で、当該弁護士たちは何を考えているのか、もしかすると間違えているのではないか、などと疑問です。
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by ruhiginoue | 2018-05-18 09:14 | 司法 | Trackback | Comments(5)